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2007.08.15

【やっと夏山へ…編笠山~権現岳 その3】  山バス情報67

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(編笠山への登りにて… 北アルプス全山遠望)

標高2400m近いところだと、さすがに朝の空気は冷たくて、長袖一枚でもちょっと寒いのだけれど、あんまり着込むと登っていくうちに汗だくになってしまうので、防寒具はサブザックの中。

ゴロゴロした岩づたいに登るとすぐに右手北西方向にギザギザの山脈がくっきりと見えています。え?まさか北アルプス?そうそのまさかです。全部見えています乗鞍から槍穂高もそして白馬の方も…あとで帰ってから気づいたのですが、妙高なども見えていたのでした。

これはすごいぞ、とピッチを上げて登ろうとするのですが、軽い装備なのに、足が思ったほど前に進まず、身体がふらふらしてます。足に力が入らない感じ…そして少しだけど頭痛も。久しぶりに高いところに来て、朝起きたばかりだから?
喉の痛みはないので、風邪の方は大丈夫みたいだけれど、こんな調子じゃやっぱり赤岳は無理そうだな、と10%ぐらいあった赤岳越えてもう一泊の気持ちはここで5%未満に縮小。

登り着いた編笠山からの展望はすごかった。風がびゅうびゅう吹いていたのでそれほど長居はしなかったのですが、雲海に浮かぶ富士はもちろん、すぐお隣の南アルプスもそしてその右奥に中央アルプス…そのまた右奥には御嶽山の特徴ある山姿…でその右には先ほど見えていた北アルプスが乗鞍から始まってずっとずっと白馬の先までくっきりと見えているのです。槍の穂先がしっかり視認できるほどの遠望で、ここまでは期待していなかったから、本当に大感激でした。

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テント場に戻ってテントを撤収、乙女の水をたっぷり飲んで・汲んで、権現岳へ向かいます。幸い、後ろを歩いてくる人がいなかったので、ゆっくりとマイペースで登っていけたのがありがたかった。
ノロシバあたりから森林限界となって展望も好く、ここで北アルプスの山座同定をしているパーティーに会いました。
目の前に聳えるギボシを権現岳と思い込んで気合いを入れて登っていったのですが、権現小屋の先にある方が権現岳とわかってギボシでがっくり(笑)。でももうここまで来れば権現岳はすぐです。

左手に赤岳の凛々しい姿も見えてきて、でも、その稜線は左手がスッパリ切れ落ちている感じに見えて、ああ、これはわたしゃ苦手だなぁ、行かなくて正解かも、などと思いながら歩いていくと権現岳。

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(登れなかった赤岳 これは権現岳から降りたあたりから…)

権現岳で小腹が空いてきたので、時間もたっぷりあるしと、お茶漬けで朝御飯の第2ラウンド。これから歩く三ツ頭とその先に見える富士山を眺めながらゆっくりブレックファーストです。

権現から三ツ頭あたりまでは森林限界上の径。その先前三ツ頭までも、展望のよい道が続き、雲が湧いてきたとはいえ、富士や南アを眺めながらの気分のよい下りでした。

前三ツ頭からはかなりの急降下。降りるのもテント装備だと結構きついのですが、登ってくる人たちはそれ以上に厳しそうな表情でした。1800mあたりから傾斜もゆるみ、そろそろお昼ということで、天ノ河原のずっと手前の広場のようなところで日陰を見つけてランチタイム。天ノ河原はベンチなどもあるのですが、この時期は予想通り観光客が占拠(笑)状態。ランチ場所の選択は大正解でした。

天女山から八ヶ岳横断道路の方へ行く小径の入口はわかりにくいかも知れません。「美し森」への径を左に分けてなおも進むと写真↓のような標識が非常にわかりにくい場所に建っていて、「八ヶ岳横断道路」と記された方に進みます。

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横断道路に出れば、あとは甲斐大泉駅までは車道歩き。今回は結局バスは使わずじまいだったのですが、面白い北杜市市営バスを発見。大泉あたりは合併で北杜市となったというのもちょっとヘンな感じなのですが、もうそろそろ駅だよな、というあたり(大開集落)から甲斐大泉駅経由で長坂駅まで行くバスです。私はタッチの差でこのバスに乗れませんでした。

タッチの差でバスを逃したので、いや~な予感がしていたのですが、案の定、小海線もタッチの差で14:08の小淵沢行きを逃してしまいました(笑)。時刻表を見ると次は1時間半後。「やれやれ」と思いながら高尾までの切符を一万円札で買えるか聞いたところ、まったく問題なく(気持ちよく)買えた上、臨時列車が15:07にあること、そしてなんと駅前に温泉施設があることまで親切に教えていただき、「パノラマの湯」で気持ちよく汗を流した後、ビールもたくさん飲んで(笑)帰途につきました。

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甲斐大泉駅前に温泉施設があるなんて全く知らなかったので、これはとてもうれしいアドバイスでした。甲斐大泉駅の駅員さん、どうもありがとうございました♪
m(__)m



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2007.08.14

【やっと夏山へ…編笠山~権現岳 その2】

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(西岳から権現岳と鞍部の青年小屋を望む)


不動清水で補給した水は3リットル。ずしりと身体にその重みが応えます。

少し落ち着いて考えたところ、西岳までのコースタイムの計算違いは1時間半弱。標高差を考えれば、こんな計算ミスをする方がどうかしているのですが、いずれにしても、日が暮れる前に青年小屋に着けることはまず確実なので、焦ってつまらない怪我をしたりしないように、それだけを十分自分に言い聞かせて登り始めます。

不動清水で冷やしたはずの身体ですが、やはりすぐに汗が噴き出てきます。ストックを二本出して、えっちらおっちら。プロトレックの表示が300m上がるごとに休憩をとりました。どうやら300m上がるのに45分ほどというテント装備にしてはなかなか好いペースで登れて、西岳にはコースタイム2時間40分に対して、花の写真も撮りながら休憩込みで2時間25分というなかなかの好成績(笑)でした。

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しかし、やっぱりテント装備でこんなにしゃかりきに登ると、きりのいい場所に着いたときに疲れがどっと押し寄せてきますね。西岳に着いた頃にはからだ中のエネルギーが天空へ抜けてしまったような感じでした。

西岳ではまだ編笠山がはっきり見えていたのですが、東の方(奥秩父方面)から入道雲が押し寄せてきて、なにやらゴロゴロとよろしくない音も聞こえてきて、ろくに展望も楽しめず、のんびりできないまま青年小屋に向かうことに…

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源治新道は、八ヶ岳らしい雰囲気の径で、ああ、八ヶ岳に来たんだなぁ、とこのとき初めて実感しました。想像していたよりアップダウンもないまま乙女の水の水場に到着。もうみんな夕餉の水汲みにやってきていました。テント張る場所あるかなぁ…と心配しながら着いたテント場は、もう10張り以上のテントが張ってありましたが、まだまだ十分にスペースがあり、整地された好い場所を確保。

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でも八ヶ岳のテント代ってやっぱり高いですね。800円! ビールは一本だけにしたのですが、ここでまた2枚、貴重な千円札が減ってしまって、残りは…
なんてこったい! 万札があるのにこんなに心細いってどういうこと?と半ば自嘲しながら、あともう一回テント張ってビール三本飲むと、千円札が消えちゃうナと確認…

ここらで、身体の疲れ具合と千円札の在庫状況の双方から、赤岳越えてもう一泊のプランは変更とほぼ心が決まってしまいました。考えてみれば、火曜からまた出勤だし、その前に洗濯やテント干し&シュラフ干し、それに買い物や掃除もしないといけないしと、とても山に来て考えるようなことではないことも考慮(笑)されてしまって、疲れた身体で、アルファ米が炊きあがるまでの時間、エアリアとにらめっこしながら、翌日の下山プランを考えました…。

夕食後、まもなく風が強くなってきたな、と思うと一気にガスってきたところで、トイレに行って就寝。横になっていると、あれれ、なんだか喉がいがらっぽいな…、もしかして風邪ひいた? これでもう一気に弱気になって、もう一泊するのはやめて翌日帰京することにほぼ決定。

夜は、みんないっせいに早めに寝てしまったのか、たいてい一組はいる「おしゃべりテント」もなくて、おかげさまで2時近くまで熟睡していたようです。「疲れてるのに全然眠れない、どうしよう」とずっと困っている夢を見てました(笑)。

夜は満天の星空。4時に起きたときもまだかなりの星が瞬いていました。風がけっこう吹いたのですが、簡単にパンと紅茶でミニ朝食。5時過ぎに、サブザックで編笠山に向かいました…。

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(早朝五時の青年小屋前より)

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その3に続く

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2007.08.13

【やっと夏山へ…編笠山~権現岳 その1】

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(三ツ頭付近より権現岳)

【山行日】 2007年8月11日(土)
      2007年8月12日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
新宿  05:18 - 06:13 高尾   (中央線各駅停車)
高尾  06:14 - 08:32 信濃境  (中央線各駅停車)

「歩行」

☆一日目☆
信濃境駅 08:45 - 09:15 国見山登り口
登り口  09:20 - 10:25 鹿の池
鹿の池  10:30 - 11:25 不動清水
不動清水 11:45 - 14:10 西岳
西岳   14:20 - 15:20 青年小屋 (テント泊 800円)

☆二日目☆
青年小屋 05:10 - 05:30 編笠山
編笠山  05:40 - 06:00 青年小屋
青年小屋 06:55 - 08:15 権現岳
権現岳  09:00 - 09:40 三ツ頭
三ツ頭  09:50 - 12:00 1725m付近の広場
広場   12:45 - 13:10 天女山
天女山  13:15 - 14:12 甲斐大泉駅

「温泉」
甲斐大泉温泉
『パノラマの湯』 14:18 - 14:55 (700円)

「鉄道」
甲斐大泉 15:07 - 15:22 小淵沢 (小海線 臨時列車 ハイブリッド)
小淵沢  15:46 - 18:20 高尾  (中央線 各駅停車)
高尾   18:35 - 京王線某駅   (京王線)

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(早朝の編笠山より)

11日の土曜と13日の月曜が会社のお盆休みとなったので、テントで高山に行く機会ができました。天気は上々のようだし、東京にいたら死ぬほど暑い…お金がなくてもこれは高いところへ出掛けるしかありません。

プランでは当初、山梨百名山北端3山を一気に制覇する予定…すなわち、一日目に編笠山の往復をして青年小屋テント泊、二日目は権現岳から赤岳を越えて行者小屋か赤岳鉱泉でテントに泊まり、三日目に帰京するつもりでした。

ところが、いろいろありまして、結局、編笠山と権現岳、山梨百名山2山を一泊二日で巡るへたれ縦走に降格(笑)… それでもやはりこの時期の2500m稜線は爽快。展望・お天気ともに申し分なく、十分夏山気分を満喫できました♪



前回の18きっぷは指定券自動券売機で購入していたので、今回も朝、新宿駅で買えばいいやと、前日まで購入せずにいたのですが、これがそもそもの間違いの始まりでした。

朝、5時過ぎの自動券売機って1620円までのいわゆるフツーの自動券売機は動いていて、これでホリデーパスなんかも買えちゃうのですが、指定席も扱う自動券売機は動いていないんですね。。。もちろん、みどりの窓口も5時半まで開かないし、5時半まで待っていたら、鈍行で信濃境に着くのは予定よりかなり遅い時間になってしまいます。

仕方なく、手元の小銭で130円だけ買って予定の中央線に乗車。まぁ、帰りの電車を高尾乗り換え(京王線帰宅)にすれば、それほど運賃に差があるわけでもないし、5回分今から使い切るのは難しそう、ということでこの時点で18きっぷの購入はあきらめました。

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信濃境の駅に着いて精算に万札を出したら、「こまかいのないですかね~」と、ここで二つ目のパンチ。あぁ、地方のローカル駅ってこうなんだ…忘れてた。
んでも、山の中って万券嫌がられますからね~、とくにテントだとまず受け取ってもらえない(笑)。大事な千円札が3枚減ってしまい、これじゃ、帰りのバスに乗れないかも~(笑)とかなり弱気に。
130円の切符でも万札で買ってお釣りをもらうべきでした。自動販売機は「こまかいのないですかね~」なんて絶対言わないし。


えてして、こういうふうにスタートで躓くと、その後の経過はよろしくない、というのがお決まりのパターンなのですが、ご多分に漏れず私の場合も、道を間違えたわけでもないのに、ゴルフ場まで1時間30分というコースタイムのところ2時間もかかってしまったり、更にその先の西岳までのコースタイムを間違えて計算していたことに気づき、とても予定していた時間には青年小屋には着けないし、夕方までに着いたとしても、編笠山の往復は難しそうだということが不動清水で発覚(笑)。

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(スキー場付近より西岳と編笠山…この時点でもう11時前!)


まぁ、エアリアの車道歩きのコースタイムって、あんまり悪く言いたくないけど、実際に歩いて計測したとは到底思えないようなのが多いので、鵜呑みにした私も悪かったのでしょうが、それにしてもそのあとの登山道のコースタイムが妙に正確だったので、もう少し改善して欲しいなぁ…
いや、ゴルフ場まではタクシー使うべきですね、それほどお金に困っていなければ…歩いていてもあまり面白くない径ですし…信濃境の駅を降りてすぐのところにタクシー会社もあります。

不動清水までの道でずいぶん車道を歩かされたので、コースタイムの見積もり間違いは肉体的にも精神的にもかなり参ってしまいました。かなり動揺していたのか、不動清水では水を大量に確保するのに夢中で、不動清水の写真を撮り忘れてしまうほど。

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けれども、この不動清水、本当に冷たくって美味しい水です。身体を冷やすために頭からも少し浴びたのですが、、ちょっと寒気がしてしまうほど冷え上がりました。

あまりお腹は減っていなかったのですが、ここから始まる急登のためにも、心を落ち着けるためにも、ということで、軽く昼食を口にしました。

あと、不動清水で、もろきゅうをごちそうしてくださったご夫婦様。とても美味しかったです。あれでだいぶ落ち着けたのです。どうもありがとうございました!
m(__)m


その2に続く

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