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2006.10.12

【仙丈ヶ岳 二泊三日 その2】 山バス情報44

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(大仙丈ヶ岳より遠く北アルプスを望む:クリック拡大可)


さすがに10時間近くも寝れば、翌朝は快調です。4時に起きましたが、まだ暗く、空にはたくさんの星が瞬いていました。寒いけれど昨日のような風もなく、穏やかな山の朝です。テントの中でお湯を沸かして紅茶を飲んでから、のろのろとテント撤収。パンとコーヒーの簡単な朝食をとって、小屋番さんに挨拶してから、薄暗い中、昨日のうちに確認しておいた野呂川越への道を歩きます。最初は平坦ですが、すぐに急な坂。しかし、一時間もかからず稜線に出られるのはありがたいことです。

横川岳への稜線歩きはやわらかな朝の光が木々の間から木漏れ日となっていて、とても良い雰囲気。苔むした道になってしばらくで横川岳です。横川岳のほんの少し先にこれから行く仙丈ヶ岳が望める場所があります。遠く真っ白に雪を被った北アルプスの山塊に呆然と見入ってしまいました。

横川岳から少し下って登り返していくとしばらくで素晴らしい展望地点に着きます。さえぎるものもない岩峰で、ここが独標のようです。あまりに展望が好いので、しばらく周囲の展望を楽しみます。写真にはうまく写りませんでしたが、槍や穂高ははっきりとそのシルエットが確認できましたし、白馬岳やさらには(おそらく)妙高も見えていました。富士山は残念ながら北岳の陰で見えませんが、ここから晴れた日に見る展望は素晴らしいの一言に尽きます。

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昨日バス停で見かけたカップルが登ってきました。彼らは残念ながら今日中に帰らないといけないらしく、今日はここまでで両俣へ戻って帰宅されるとのことでしたが、それでもこの好天の大展望にうっとり。こういう山の楽しみ方もいいじゃないか~、と私には新たな発見でした。

お二人に別れを告げて、急坂を下りだらだら坂を登り返し、やがて高望池。池から10分ほどで伊那荒倉岳。名前は好いのですが、三角点があるだけのピーク。少しガックリして苳ノ平へ向かいます。苳ノ平付近は(もう終わりかけていたのですが)まあまあ紅葉がきれいでした。

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苳ノ平から高度を上げていくとやがて森林限界を超え、目の前に仙丈ヶ岳の威容が。高度も2600mを超えてくると、それまでのペースからがくんと一気にペースが落ちてきます。荷物が重いせいもありますが、やはり空気の薄さが効いてくるのです。

風もなく快晴、長袖のアンダーにTシャツでしたが、2700mを超えても少々暑いぐらいに感じます。2755付近で水分や糖分を補給がてら休憩しました。仙丈ヶ岳のカールの紅葉はもう終わっていて、少しくすんだような色合いですが、しかししかし、この雲ひとつ無い青空にその山姿が映えている様はなんとも形容しがたい素晴らしさです。

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休み休み呼吸を整えながら大仙丈ヶ岳への急な坂を登っていきます。あとから登ってくる人もいないので、完全に自分のペースでいけるのが大変ありがたい。しかし、これじゃあアキレス腱が切れちゃうんじゃないかと思うぐらい急な坂を登らされ、傾斜が緩くなると左手の信州側がスッパリ切れ落ちていて「足を滑らせたら一大事」なところを通ったりで、あの女性的で優しげな山容というのは外見だけであると感じました。

大仙丈ヶ岳。まだ3000mに25mほど足りませんが、ここも大展望で気持ちの良いところです。一人若い男性がお昼寝をしていました。結局仙塩尾根で会ったのはこの男性とカップルを含め5人だけ。踏み跡がしっかりしていて歩きやすいだけにもっと歩かれてよいコースだと思います。

大仙丈ヶ岳から仙丈ヶ岳山頂はたくさんの人がいるのが遠目にも判るので簡単にあそこだとわかります。一歩一歩ゆっくりと進んで行き、30分強で到着。初めての3000m峰。心配していた高山病の症状もほとんど無く、放心したようにそこからの展望に見とれるだけ。今まで隠れていた富士山もお出ましになって、頂上にちょこんとだけ雪が被さっているのが逆に不細工な印象でした。

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電話で予約したとき、15時までに小屋に来てくれと言われていたのですが、予想よりずっと早く13時前に仙丈小屋に着いてしまいました。売店のオニイサンに混雑具合を訊くと、さすがに秋の平日前夜なので20人も来ないだろうから今晩はお奨めですよ、とのこと。昨晩は80人も入ったそうです。

手続きをしてから、小屋前のベンチで遅めのお昼御飯。ベンチは展望が素晴らしく、ここからも北アルプスや八ヶ岳がきれいに見えます。3時頃までぼんやりとのんびりとベンチで飽きるほど展望を楽しみました。

小屋で素泊まりは私だけのようで、16時過ぎあたりから食事の準備を始めました。フリーズドライのお米にお湯を注ぎ、ぼーっとしていると、新たに宿泊客が入って来ます。と、その顔を見てお互い「あれー? うそー!」と絶叫。なんとそこにはバンダナを巻いたkomadoさんが。。。一瞬夢でも見ているのかと思いました。芦川村ならともかく(笑)、こんな3000m級の稜線でバッティングするなんて...

話をしてみると、komadoさんも最初は東北狙いが荒天で断念。こちらへ転進してきたとのことでした。

この日の夜は幸いマナーの好い人たちばかりで、19:30に消灯した後は皆さん一言もしゃべらず、すぐに静かな夜となりました。


☆☆☆



その3
に続く

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コメント

ゴン太さん、こんにちは。

なんと、素晴らしい天気の中、仙丈岳に行かれたのですね。
またまたうらやましい...って、何回書かないといけないのでしょうか。しかも、私が狙っていた両俣小屋から地蔵尾根まで歩いちゃうなんて悔しいったらありゃしません。(^^)

早く「その3」もお願いしますねっ!!!

投稿: リブル | 2006.10.12 20:45

リブルさん、こんばんは。

「その3」アップしましたー。

仙塩尾根、地蔵尾根、ともにお薦めです。とにかく人が少なくて、「ここは南アルプスじゃないみたいっ」て感じですし、何より歩き易いのと、山深い感じが好いです。

来夏でも、時間ができたときに歩いてみてください。きっと気に入っていただけると思いますヨ♪

投稿: ゴン太 | 2006.10.13 19:17

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