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2006.10.29

【紅葉と秘湯 浅間隠山】 タクシー情報8 山バス情報46 

【山行日】2006年10月28日(土)

【使用公共交通機関等の詳細】

「鉄道」
新宿  05:19 - 05:28 池袋 (山手線)
池袋  05:30 - 05:40 赤羽 (埼京線)
赤羽  05:54 - 07:27 高崎 (高崎線)

「タクシー」
高崎駅 07:35 - 08:50 二度上峠 
(13060円:4人相乗り=3260円/一人)

「歩行」
二度上峠 09:10 - 09:15 駒髪山
駒髪山 09:20 - 09:35 浅間隠登山口
登山口 09:40 - 10:55 浅間隠山
浅間隠山 11:55 - 15:00 鳩ノ湯

「温泉」
鳩ノ湯  15:00 - 15:45
(日帰り入浴=800円)

「バス」
清水   16:11 - 16:51 権田車庫 (関越交通 690円)
権田車庫 16:52 - 18:19 高崎駅  (群馬バス 1120円)

「鉄道」
高崎  18:38 - 20:03 赤羽 (快速アーバン号)
赤羽  20:12 - 20:29 新宿 (湘南新宿ライン)


あれ~? あんな綺麗な紅葉だったのに、何で写真ないの?と同行者からツッコミが入りそうですが(笑)。。。

すみません、ナント今回は写真ナシです。

デジカメを帰りの電車の中で落としてしまったらしく、バス会社、JR、小田急と、思い当たる限りのところへ問い合わせてみましたが、該当ナシ。ついこのあいだ、テントポールを拾ってもらったばかりなのに、全然反省してなかったのですね~。いやしかし惜しいことをしました。紅葉が思いのほか綺麗で、温泉もよかった。帰りのバスもとっても素敵な、好い山行きだったのに。。。とほほ。

しかし、失くしたものは仕方ありません。想像をたくましくしてお読み頂けたらうれしいです。


気持ちを切り替えて、ご報告。

水曜日、かずさんから連絡をいただき、かずさんkomadoさんリブルさん、私(ゴン太)の4人でタクシーを相乗り。高崎駅から二度上峠までぶっ飛ばしました。

komadoさんとは二度上峠でお別れして、3人でとりあえず駒髪山へ行ってみます。駒髪山から町境に登山道と合流できる踏み跡がありそうだと思ったのですが、実際はマーキングのひとつもなく、ガスも多いし、尾根も広いので戻って車道から正規の登山道を行くことにしました。40分近くのロス。かずさん、リブルさんに迷惑をかけてしまいました。
 m(_ _)m


登山口からは、リブルさんとかずさんに先に行ってもらいノンビリ登ります。カラマツ林を登っているうち二人の姿は遙か遠くへ。

しかし、登り始めが1300mなので、1756.7mの浅間隠山頂までは一時間チョットで着いてしまいます。さすがの私も途中休憩ナシです。

山頂ではもうリブルさんとかずさんがお昼御飯を食べ終わりかけていました。

生憎ガスで浅間山は雲の中。リブルさんは私と入れ替わりという感じでさっそく下山。しばらく一緒にいたかずさんも、頭をちょこっと見せただけの浅間山の展望に、「また冬の晴れた日にでも来ようよ」と下山です。

風もなく、陽差しもあるので、20人以上の団体さんが上がってきても、私は山頂で無線を聞いたりして1時間ほどネバってみましたが、ときおりガスが晴れても浅間山自体に雲がべったり付いているのを見て諦めがつき、ようやく腰を上げました。

清水へ向かって下ります。下り始め、北関東で1600m以上だとやっぱり紅葉は終わっちゃってるか、と。今回は天気予報は晴れマークだったのに、タクシーに乗っているときフロントガラスに雨滴がついたりして、展望もほとんどなかったので、二度上峠の提案者(私)としてはみんなに申し訳ないことしたな、と思っておりました。

しかししかし、道がシャクナゲ尾根に入り急坂を降り始めると、カエデが真っ赤っか!  うわ結構すごいじゃん、と感動していると、もうそこから下はオレンジ色のトンネルの中です。
傾斜が緩み、径もしっかりしてきたので、夢見心地で上ばかり見て歩いておりました。

高度が1300mを切ってくると、それまでのオレンジ色黄色にまだこれからという緑色も混ざって、それがまた美しい。そんな道が林道に出る直前の河原までずっと続くのです。
登りの時カラマツばかりだったので、あまり期待していなかった分、ホント来て良かったなあ、と思いました。

林道は単調で面白みもないのですが、それまでの紅葉で充分満足していたので、いわば余韻を楽しみながら歩けて、その長さもほとんど気になりませんでした。

清水のバス停に着いたのは14:41のバスが行ってしまったあと。適当に歩いて行き当たった鳩ノ湯という温泉に。。。
敷居高そうだな~と思いながらおそるおそる日帰り入浴を聞いてみると、OKとの返事。小さな露天風呂でしたが、いかにも秘湯といった雰囲気で、湯加減もちょうど良く、大満足でした。

清水発16時のバスはダイヤだけ見ると、権田車庫でタッチの差で群馬バスに乗り継げないことになっていますが、実際は必ず「受け」てから、すなわち、関越交通バスからの乗客の乗り継ぎを待っての発車となっているそうです。

権田車庫では50分待ちを覚悟していたのですが、待ち時間ナシで高崎行きに乗り継ぎ、新宿には予想より1時間以上早い20時台の到着でした。


☆☆☆

かずさん、komadoさん、リブルさん、タクシー相乗りしていただき、ありがとうございました。とくにかずさんには今回も連絡係からタクシーの予約とすべて面倒なことをやっていただき、本当に感謝しております(ほんとだよ!)。

というわけで、この日の紅葉の素晴らしさは、近日中に、リブルさんかずさんのページにアップされると思いますので、そちらでどうぞお楽しみくださいませ♪

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2006.10.22

【秋本番、大菩薩峠から紅葉の牛ノ寝通り】 山バス情報45

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【山行日】2006年10月21(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
新宿  05:18 - 06:13 高尾 (中央線各駅停車)
高尾  06:14 - 07:23 塩山 (中央線各駅停車)

「バス」
塩山駅 07:30 - 07:55 大菩薩峠登山口(裂石) (山梨貸切自動車 100円)

「歩行」
裂石    08:00 - 09:30 上日川峠
上日川峠  09:40 - 10:45 大菩薩峠
大菩薩峠  10:50 - 11:20 牛ノ寝分岐
牛ノ寝分岐 11:30 - 12:20 巡視路分岐
巡視路分岐 12:50 - 14:00 大ダワ
大ダワ   14:10 - 15:20 小菅の湯

「バス」
小菅の湯 16:50 - 18:10 上野原駅 (富士急山梨バス 1120円)
(事故渋滞のため20分遅れの発車)

「鉄道」
上野原 18:19 - 18:44 高尾 (中央線各駅停車)
高尾  18:55 - 京王線某駅  (京王線)

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牛ノ寝通りは、紅葉の時に歩きたいと思っていたのですが、私の鈍足では、バス利用での日帰りは厳しそうで、タクシー利用か、テント泊でと考えていました。

しかし、大菩薩から牛ノ寝にテントは大袈裟な気がするし、時間も余って間延びしてしまいそうです。ネットで日帰りで行った人のコースタイムなどを参考にさせて頂いて、とりあえず、日帰り装備で大菩薩峠まで行って、その時点で体調や天候などを勘案の上、その先どうするかを決めることにしました。

大菩薩峠に11時前に到着できれば牛ノ寝決行、11時を過ぎればフルコンバから林道づたいに小菅、12時前後なら大菩薩嶺回りで裂石に戻るという3択を用意して、朝一番の大菩薩峠登山口行きの百円バスに乗り込みます。やはりこの百円バスを知っているとタクシーで上日川峠まで5000円超は給料日前には厳しい選択(笑)なのです。

大菩薩峠登山口バス停から上日川峠までの道はつい数ヶ月前の小金沢山行で下りにとったので、最初からぐんぐんピッチを上げて、バスの同乗客をほぼ全員抜き去って、千石茶屋の先から登山道に入ります。

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登山道は自然林の美しい径で、傾斜もさほどきついところもない歩きやすい径です。ブナも混じりなかなか色づきも好いので、休憩の代わりに立ち止まっては何枚も写真を撮ります。上日川峠まで約一時間半で登れたので、鈍足の私にしては上出来だったでしょう。ロッヂ長兵衛前のベンチに座って休憩していたら、自分の身体から湯気が立っているのが見えました。 水分をたっぷりとって福ちゃん荘へ。

すぐそばを舗装道路が通っているのですが、ここも自然林が美しい森の小径。紅葉がとてもきれいです。しかし、そういうときに限ってデジカメの電池切れ。福ちゃん荘で電池を入れ替えましたが、ちょうど晴れていてシャッターチャンスだったので帰ってきた今でも悔しい思いです。

大菩薩峠までは車が通れそうなほど広い径を行きますが、この径も紅葉に彩られ、人が多かったものの、悪くない道のりでした。

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大菩薩峠は介山荘の売店と相俟ってさながら観光地の風情で、5分ほど休憩したものの、やはり落ち着かなくて(笑)、大菩薩嶺に背を向けて石丸峠へ。この日の最高点と思われる熊沢山も肝心の頂点は巻いてしまうようですが、とにかくそれまでの喧噪が嘘のように静かな佳い径でした。

石丸峠へ降り、なおも小金沢山の方へ歩みを進めると牛ノ寝通りの入口です。残念ながら、前回来たとき同様、小金沢山の東(大月方面)はガスだらけで、牛ノ寝通りも霧の中を行くことになりそうです。ガスが晴れる様子はないのですが、長丁場に備えて少しここで休憩をとっておくことにしました。

牛ノ寝通りは、ガスっていたものの、話に聞くとおりの素晴らしい広葉樹の径でした。この日は1500~1700mあたりが見頃で、榧ノ尾山手前まではとにかく足がなかなか前に進みません。このガスでは紅葉の素晴らしさを写真に撮ってお見せするのは無理とわかっていても何度もシャッターを切ってしまいます。というか、むしろ静かなこの山径の紅葉が霧に煙ってかえって幻想的な雰囲気を醸しだしており、晴れているときとはまた違った趣があって魅力的でした。

なかでもこの日一番素晴らしかったのは榧ノ尾山手前の巡視道の分岐点。私のへたくそな写真では全くその素晴らしさが伝わらないのですが、実物はあまりに素晴らしかったので、思わず「うわ~」っと声が出てしまい、榧ノ尾山で食べることにしていたお昼御飯はここでとることにしました。

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おにぎりとお茶だけの簡素な昼食でしたが、素敵な紅葉の森の中で食べているだけでホントシアワセ♪ 今日もやっぱり山に来てよかったと感じます。

榧ノ尾山を過ぎ、牛ノ寝の核心部分(?)である1300mの平坦な稜線はまだ色づき始めといったところ。今度の週末あたり結構いい感じになっているかも知れません。

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秋の日はつるべ落とし。残念ながらあまりノンビリしているわけにもいかず、また早足になって先を急ぎます。紅葉でも新緑でもないときでもきっとこの森は美しいのだろうな、と感じながら大ダワへ。

大ダワからモロクボ平はかなり飛ばしはしましたが、おそらくゆっくり歩いても一時間はかからないと思います。モロクボ平から小菅の湯は急坂を下り、疲れた足にはチョットきびしいかもしれません。

小菅の湯に着くと15:20発の上野原行きが出るところ。飛び乗ろうかと一瞬考えましたが、明日は日曜日。汗も結構かいたし、お風呂に入ってゆっくりしてから次の上野原行きで帰ることにしました。

しかし、次の上野原行きは途中道路の事故渋滞により到着が20分遅れとなりました。上野原行き最終は通常は16:30ですのでお間違えないよう、また、このバスは11月26日までの土曜休日のみ運行ですので、ご注意ください。

まぁ、上野原行きがなくなっても、17:13金風呂行きの村営バスに乗れば奥多摩回りで帰京できますけどネ。。。

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2006.10.13

【仙丈ヶ岳 二泊三日 その3】 山バス情報44

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朝は5時に灯りが点ります。朝食後、忘れ物がないか確認して出発です。外は氷点下6度ですが、それほど寒くは感じません。申し分のない天気の中、松峰入口までゆっくり登ります。松峰分岐でザックをデポし、名残惜しいのでもう一度仙丈の頂上に挨拶をしに行きました。

雲海に浮かぶ山々。今日も遠く北アルプスが見え、展望は良好。

頂上で無事下山を願って、下山開始。途中で登ってくる komadoさん と挨拶。komadoさんも同じ地蔵尾根を歩く予定ですが、もちろん行動は別々。お先に、と私が先行する形で地蔵尾根コースに入りました。

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森林限界から見る地蔵尾根はたおやかで下りやすそうです。しかし、街があるところまでは、すごい距離があるなあと長丁場を覚悟。

樹林帯に入り、尾根から右にはずれるようにトラバースをしますが、地形図を見ればわかるように実際は地蔵尾根の主稜に向かっています。トラバースになるとやや踏み跡が頼りない感じになりますが、赤のマーキングが短い間隔でついています。

高度をかなり落とし、地蔵尾根の主稜をとらえると、小平地になっており、ちょうど松峰分岐から一時間ほど経過していたので少し休憩。

休憩地点あたりから、シラベ、コメツガの山深い森が続き、これだけでもこちらに来て好かったと少し得した気分。もちろん人には全く出会いません。静かな森を楽しみながら登り返すと地蔵岳手前の2400m圏峰。展望が素晴らしいのでまた休憩。と、ここでザックを降ろして愕然としました。ザックの外側にくくりつけていたテントポールがない!のです。

朝小屋を出るときにはあったはずで、おそらく降りる途中どこかで落としてしまったのです。戻って取りに行こうかとも考えましたが、もうすでに降り始めてから2時間ほど経過しており、この先の長丁場を考え、ポールは買えばすむこと、焦って登り返してあわてて降りたりすれば怪我のもととあっさり諦めてしまいました。

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(2400m展望地点から望む地蔵岳)

これって、もういい歳なんだからそろそろテントやめなっていう天のお告げかもなぁ、などと考えながら、地蔵岳のやや歩きにくい巻き道を過ぎて再び高度を落としていくと鞍部に着きます。ここに松峰小屋の入り口があるはずなんだけど。。。おかしいな。。。と少し進んだ先に「松峰小屋入口」の表示がありました。松峰分岐からここ松峰小屋入口までコースタイム通り約3時間なのですが、途中、判読可能な指導標の類は一切ありませんので、そういった道に慣れていない方だと、かなり不安を覚えるかも知れません。

松峰小屋を見に行ってみましたが、外はしっかりした作りで好いのですが、中はちょっと泊まりたいとは思えない雰囲気でした。トイレもなく、小屋の内部はやや荒れた感じです。非常用という意味では確かに心強いのですが...

このコース、松峰小屋入口から伊那里のバス停までエアリアもガイドブックも3時間と記してありますが、3時間は無理だと思います。4時間はたっぷりかかり、休憩をいれて4時間半は見ておいた方が好いかと思います。私はお昼御飯の時間を除いて4時間ちょっとかかっていますが、最後の一時間はかなり飛ばして降りています。最後に舗装道路に出て市野瀬の集落が見えるところなど、なんともいえないいい雰囲気なのですが、そこらへんをゆっくり味わえなかったのが心残りでした。

ここで、話を巻き戻して(笑)。。。松峰小屋入口から登り返し、また下って蜘蛛の巣を払いのけながら松峰を巻き、さらに進んで林道に出る手前でお腹が空いたのでお昼を食べていたら、komadoさんが降りてきました。挨拶をしようとクッカーを置くと、komadoさんが近づいてきて言いました。「ゴン太さん、テントポール落とされませんでしたか?」

ああ、神様仏様komado様です。彼のザックには私が落としてすっかり諦めていたテントポールがくくりつけてあり、「よかったよかった」と私に手渡してくれたのです。彼はテントポールを私に渡すと、「それじゃ、お先に」とニコッと笑って降りていき、私はその後ろ姿に向かってただただ感謝するばかりでした。そのあとポールはしっかりザックの中に入れもう二度と外側にくくりつけたりするまい、と心に誓いました。


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(市野瀬の集落)


伊那里に降りてから高速バスまで時間がありすぎて困っちゃいそうという当初の予想は外れ、高速バスの停留所である 「入野谷」 という施設でカラスの行水気味に入浴。

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(入野谷 この建物のすぐ脇に高速バスの停留所があります)

風呂上がりはkomadoさんとビールで乾杯し、 高速バス「南アルプス号」 新宿行きで帰宅しました。

この「南アルプス号」は超お奨め。早い安い快適の3拍子そろった高速バスです。とにかく伊那里から新宿まで乗り換えしなくていいし、渋滞さえなければ4時間で新宿駅に着いてしまいます。トイレ付き車両で、途中双葉サービスエリアで休憩もあり、軽い晩御飯も調達可能。それに何と言っても料金3600円は安い。広河原から新宿までバスと鈍行を乗り継いでも4000円以上かかりますし、時間は4時間では済みませんよね。。。新宿行きの超特急に乗ったって感じでした♪




その1に戻る


☆☆☆ この山行のレポはこちらです ☆☆☆
(但し、倒れそうなほど長文)

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2006.10.12

【仙丈ヶ岳 二泊三日 その2】 山バス情報44

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(大仙丈ヶ岳より遠く北アルプスを望む:クリック拡大可)


さすがに10時間近くも寝れば、翌朝は快調です。4時に起きましたが、まだ暗く、空にはたくさんの星が瞬いていました。寒いけれど昨日のような風もなく、穏やかな山の朝です。テントの中でお湯を沸かして紅茶を飲んでから、のろのろとテント撤収。パンとコーヒーの簡単な朝食をとって、小屋番さんに挨拶してから、薄暗い中、昨日のうちに確認しておいた野呂川越への道を歩きます。最初は平坦ですが、すぐに急な坂。しかし、一時間もかからず稜線に出られるのはありがたいことです。

横川岳への稜線歩きはやわらかな朝の光が木々の間から木漏れ日となっていて、とても良い雰囲気。苔むした道になってしばらくで横川岳です。横川岳のほんの少し先にこれから行く仙丈ヶ岳が望める場所があります。遠く真っ白に雪を被った北アルプスの山塊に呆然と見入ってしまいました。

横川岳から少し下って登り返していくとしばらくで素晴らしい展望地点に着きます。さえぎるものもない岩峰で、ここが独標のようです。あまりに展望が好いので、しばらく周囲の展望を楽しみます。写真にはうまく写りませんでしたが、槍や穂高ははっきりとそのシルエットが確認できましたし、白馬岳やさらには(おそらく)妙高も見えていました。富士山は残念ながら北岳の陰で見えませんが、ここから晴れた日に見る展望は素晴らしいの一言に尽きます。

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昨日バス停で見かけたカップルが登ってきました。彼らは残念ながら今日中に帰らないといけないらしく、今日はここまでで両俣へ戻って帰宅されるとのことでしたが、それでもこの好天の大展望にうっとり。こういう山の楽しみ方もいいじゃないか~、と私には新たな発見でした。

お二人に別れを告げて、急坂を下りだらだら坂を登り返し、やがて高望池。池から10分ほどで伊那荒倉岳。名前は好いのですが、三角点があるだけのピーク。少しガックリして苳ノ平へ向かいます。苳ノ平付近は(もう終わりかけていたのですが)まあまあ紅葉がきれいでした。

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苳ノ平から高度を上げていくとやがて森林限界を超え、目の前に仙丈ヶ岳の威容が。高度も2600mを超えてくると、それまでのペースからがくんと一気にペースが落ちてきます。荷物が重いせいもありますが、やはり空気の薄さが効いてくるのです。

風もなく快晴、長袖のアンダーにTシャツでしたが、2700mを超えても少々暑いぐらいに感じます。2755付近で水分や糖分を補給がてら休憩しました。仙丈ヶ岳のカールの紅葉はもう終わっていて、少しくすんだような色合いですが、しかししかし、この雲ひとつ無い青空にその山姿が映えている様はなんとも形容しがたい素晴らしさです。

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休み休み呼吸を整えながら大仙丈ヶ岳への急な坂を登っていきます。あとから登ってくる人もいないので、完全に自分のペースでいけるのが大変ありがたい。しかし、これじゃあアキレス腱が切れちゃうんじゃないかと思うぐらい急な坂を登らされ、傾斜が緩くなると左手の信州側がスッパリ切れ落ちていて「足を滑らせたら一大事」なところを通ったりで、あの女性的で優しげな山容というのは外見だけであると感じました。

大仙丈ヶ岳。まだ3000mに25mほど足りませんが、ここも大展望で気持ちの良いところです。一人若い男性がお昼寝をしていました。結局仙塩尾根で会ったのはこの男性とカップルを含め5人だけ。踏み跡がしっかりしていて歩きやすいだけにもっと歩かれてよいコースだと思います。

大仙丈ヶ岳から仙丈ヶ岳山頂はたくさんの人がいるのが遠目にも判るので簡単にあそこだとわかります。一歩一歩ゆっくりと進んで行き、30分強で到着。初めての3000m峰。心配していた高山病の症状もほとんど無く、放心したようにそこからの展望に見とれるだけ。今まで隠れていた富士山もお出ましになって、頂上にちょこんとだけ雪が被さっているのが逆に不細工な印象でした。

Imgp3278


電話で予約したとき、15時までに小屋に来てくれと言われていたのですが、予想よりずっと早く13時前に仙丈小屋に着いてしまいました。売店のオニイサンに混雑具合を訊くと、さすがに秋の平日前夜なので20人も来ないだろうから今晩はお奨めですよ、とのこと。昨晩は80人も入ったそうです。

手続きをしてから、小屋前のベンチで遅めのお昼御飯。ベンチは展望が素晴らしく、ここからも北アルプスや八ヶ岳がきれいに見えます。3時頃までぼんやりとのんびりとベンチで飽きるほど展望を楽しみました。

小屋で素泊まりは私だけのようで、16時過ぎあたりから食事の準備を始めました。フリーズドライのお米にお湯を注ぎ、ぼーっとしていると、新たに宿泊客が入って来ます。と、その顔を見てお互い「あれー? うそー!」と絶叫。なんとそこにはバンダナを巻いたkomadoさんが。。。一瞬夢でも見ているのかと思いました。芦川村ならともかく(笑)、こんな3000m級の稜線でバッティングするなんて...

話をしてみると、komadoさんも最初は東北狙いが荒天で断念。こちらへ転進してきたとのことでした。

この日の夜は幸いマナーの好い人たちばかりで、19:30に消灯した後は皆さん一言もしゃべらず、すぐに静かな夜となりました。


☆☆☆



その3
に続く

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2006.10.11

【仙丈ヶ岳 二泊三日 その1】 山バス情報44

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【山行日】 2006年10月8日(日)
      2006年10月9日(祝)
      2006年10月10日(火)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
新宿    06:30 - 08:08 甲府 (あずさ71号)

「バス」
甲府    09:00 - 11:12 広河原 (山梨交通 1900円)
広河原   12:20 - 12:35 野呂川出合 (南アルプス市営バス 580円)

「歩行」
☆ 一日目 ☆
野呂川出合 12:40 - 15:00 両俣小屋(テント泊 500円)

☆ 二日目 ☆
両俣小屋  05:35 - 06:25 野呂川越 
野呂川越  06:35 - 07:05 横川岳
横川岳   07:10 - 07:40 独標
独標    07:50 - 08:20 高望池
高望池   08:30 - 08:40 伊那荒倉岳
伊那荒倉岳 08:40 - 10:20 2755付近
2755  10:30 - 11:25 大仙丈ヶ岳
大仙丈ヶ岳 11:35 - 12:10 仙丈岳
仙丈岳   12:30 - 12:50 仙丈小屋(寝具無し素泊 3500円)

☆ 三日目 ☆
仙丈小屋 06:10 -(山頂経由)- 06:45 松峰分岐
松峰分岐 06:55 - 07:50 2422手前小平地
小平地  07:55 - 08:40 地蔵岳手前2400m圏峰(展望地点)
展望地点 08:50 - 09:45 松峰小屋分岐(松峰小屋往復)
松峰小屋分岐 10:10 - 11:15 松峰を巻ききったあたりの小平地
小平地  11:25 - 11:50 1900m付近
1900m付近 12:30 - 13:55 孝行猿
孝行猿  13:58 - 14:55 入野谷(入浴のみ500円)=伊那里バス停

「高速バス」
伊那里 15:50 - 19:55 新宿南口BT (南アルプス号 3600円)

Imgp3284


秋のスペシャル、当初の予定は東北狙いでした。しかし、ご存知の通り北日本は荒天で、代案の白山縦走も室堂平の予約をキャンセル。日曜日から天気は安定に向かい、南アルプスなら絶好の秋山日和に恵まれそうです。そこで、今夏アサヨ峰から一目惚れしてしまった仙丈ヶ岳に行くことに決めました。

仙丈ヶ岳(仙丈岳)は深田百名山で、おそらく登山者の90%以上は北沢峠からのアプローチになると思いますが、本気で惚れた女性にそんな安易なアプローチでは思いが届かないだろう(笑)と、敢えて北沢峠を登りにも下りにも通らないコース取りを考えていました。

一日目に両俣小屋に入り、翌日仙塩尾根をたどって仙丈ヶ岳頂上直下の仙丈小屋(旧避難小屋)に泊まり、翌日は信州の伊那里へ向かって地蔵尾根を辿るという二泊三日の行程です。

頼りは1/25000地形図「仙丈ヶ岳」、エアリアマップ、それにヤマケイアルペンガイド『北岳・甲斐駒・仙丈』だけです。

日曜日の朝、06:46立川発に間に合うように新宿駅には6時前の到着。少し時間があったので、指定券の自動券売機をいじくってみると、06:30発の臨時の特急列車あずさ71号の指定席がまだかなり空いています。06:43立川発の各駅停車は途中でこの71号とそのあとのスーパーあずさ1号にも抜かされるのです。甲府からまた広河原行きのバスで座れないなんてことにならないようにと、あずさ71号の指定席を奮発してしまいました。

Imgp3112

あずさ71号は全車禁煙車両で、たばこが苦手な方や吸わない人にはうれしい車両編成です。旧型の特急車両ですが、いちおう車内販売などもあり、普段鈍行に乗り慣れている私には快適で、うとうとしているとあっというまに甲府です。

甲府駅でゆっくり用を足してから、バス停に行っても登山者はまだ10人ほど。この日は結局臨時が3台か4台出たようで全員座れたようですが、係員のお話では土曜は道路状況確認に手間取り、4時発のバスが出られず、9時のバスはぎゅうぎゅう詰めの大混雑だったそうです。

甲府でも少し肌寒い風が吹いていましたが、広河原に着いて日が高くなってもまだ冷たい風が吹いていて、レインウエアをウインドブレーカー代わりに着て北沢峠行きのバスを待機。お昼御飯をゆっくりとってから定刻通りの北沢峠行きバスに乗り込み、途中の野呂川出合で下車。私の他にはアベック(ご夫婦?)だけ。長い林道歩きでしたが、途中紅葉も少し楽しめて、少し睡眠不足の身体にはちょうどいいぐらいの歩きで両俣小屋に到着。テントを張りたい旨、小屋の女将さんに申し出ます。

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(両俣小屋への林道途中にて)


両俣小屋の女将さんはほんとに気さくな感じの好い方でした。連休中とはいえそれほど混雑していない様子を見て、やっぱり小屋泊まりにすればよかったかと少し後悔。次回再訪のおりは是非小屋の方にご厄介になりたいと思いました。明日仙塩尾根を辿って仙丈ヶ岳に登るというと「それが仙丈に行く正しいコースよ」と言われうれしくなります。

女将さんの話では、前日北岳から両俣への道は増水で通行不可だったそうで、土曜に無理して出発して、北岳からつなげるコースをとったりしなくてよかったと胸をなで下ろしました。

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(両俣小屋テント場)


テントを張り、ビールを飲んで食事をすませ、歯を磨くと夕暮れで、テントに入って横になると、すぐに眠くなってしまいました。近くを流れる沢の音がゴーッっと結構すごいのですが、おしゃべりも鼾も聞こえないので、6時半頃には眠りに入ってしまったようです。さすがにこの時期、標高2000mのテント泊では寒さで時々目が覚めましたが、凍えたり震えたりするわけではなく、4時前ぐらいまで10時間近く眠りました。


☆☆☆


その2に続く

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2006.10.01

【ほんのり秋色 黒金山】 タクシー情報7 山バス情報43

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【山行日】2006年9月30日(土)

【使用公共交通機関等の詳細】

「鉄道」
新宿  05:18 - 06:13 高尾  (中央線各駅停車)
高尾  06:14 - 07:23 塩山  (中央線各駅停車)

「タクシー」
塩山駅  07:30 - 07:55 天科  (4820円:相乗り→1600円/一人)

「歩行」
天科 07:55 - 08:50 1264
1264 09:00 - 09:30 林道
林道 09:40 - 11:00 牛首のタル
牛首のタル 11:15 - 11:50 黒金山
黒金山 12:20 - 13:05 大ダオ
大ダオ 13:15 - 14:50 登山口(堰堤)
登山口(堰堤) 15:00 - 15:55 乾徳山登山口バス停(徳和)

「バス」
乾徳山登山口 16:06 - 16:40 塩山駅

「鉄道」
塩山 16:51 - 18:21 高尾 (中央線各駅停車)
高尾 18:35 - 京王線某駅 (京王線)

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なんだかんだで、前回の鳥海山の山行から一ヶ月が経過してしまいました。

今回は、湯ノ沢峠登山口までタクシーを相乗りしたメンバーと全く同じメンツ( かずさん と hillwalkerさん )で塩山からタクシーを相乗りして、念願の黒金山へ行って参りました。

一年ほど前に乾徳山からの眺望で黒金山と東御殿を目にして以来、ずっと行きたいと思っていたのですが、東御殿はともかく、黒金山は電車とバスのアプローチでは日帰りは難しく、できれば行きのアプローチにタクシーを使うことで、余裕を持った山歩きがしたいと思っておりました。

かずさんに連絡を入れると、相乗り候補のメンバに連絡を回していただいただけでなく、塩山からのタクシーの予約までしていただいて、いつものことながら本当に大感謝です。
m(_ _)m


天科からのコースの問題点は「取りつき」。少し行き過ぎたタクシーに戻ってもらって、『静かなる尾根歩き』掲載の白い橋からスタート。白い橋のすぐ脇にある「階段」は簡易木段のような感じです。青笹川の右岸に舗装道路がありますが、そこを上がるのではなく、最初から左岸(川の向かって右側)を行きます。

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五分ほどで「←黒金・牛首 青笹→」と記された道標が現れて取りつき成功を確認、以後は私が先頭に立たされ、懸命に速いピッチで登りますが、かずさん、hillwalkerさんのお二人はビタッと後に着いてきて、プレッシャー(笑)。

尾根に取り付くところで、先に行ってもらうよう懇願(笑)。hillwalkerさんは、ひょいひょいとすごいペースで登っていって、それまで聞こえていた鈴の音もあっというまに遠ざかってしまいました。

しばらく、かずさんと二人で尾根を登っていきますが、1264で息が切れて汗だくになり、休憩しました。時間もちょうど登り始めてから一時間ほど。すでにこの時点でバテバテで、頂上までもつかなと心配になりましたが、かずさんといろいろ身の上話(笑)をしながら自然林となった美林の尾根道を登っていくと1504のピークを巻いて林道に飛び出します。

林道では先着のhillwalkerさんがいっぷくしているところでした。私たち二人がなかなか上がってこないので心配になって待っていてくれたのかも知れません。林道はとても眺めの良い場所で、これから登る黒金山だけでなく、振り返れば奥秩父の山々が見渡せるので、林道に出たとき特有の不愉快な気分はありませんでした。

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お二人は牛首を往復するということで、林道交差地点から先は歩みの遅い私を置いていってくれたので、助かりました。自分なりに立てた計画よりかなりはやく歩けているので、もうそれほど時間を気にせず、じっくりと自分のペースで登っていきます。1700m前後から周囲がほんのり秋色に色づいて、写真を撮ったり、水場で水を補給しながらノンビリ。

トラバース道となってからが少し長いのですが、ともかく、ここまでの道は不明瞭なところも、笹藪が被さるようなところもない、エアリア破線と言っても、取りつき以外は難しくもなく、危険なところもない歩きやすい道でした。

牛首のタルに到着するとhillwalkerさんとかずさんが休んでいて、「もう牛首を往復してきたのですか」と半ば呆れ気味に訊くと「いやいやまさかそれはない」とのこと。少し早めのランチを軽くとっているところでした。私もおにぎりをひとつだけ口に入れました。

牛首に向かったかずさんを待たずに、hillwalkerさんと私は先に黒金山へ向かいます。それまでガスっていた空の一角が青くなってきたのです。牛首のタルから黒金山の径は、いかにも奥秩父らしい苔むした径でわくわくします。

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頂上からの展望は残念ながら一部ガスで遮られて「大展望」とはいきませんでしたが、それでも奥秩父の主脈を南から眺めるのは気分のいいものです。二つめのおにぎりを食べようとお湯を沸かしていると、hillwalkerさんは、できれば15:36の山梨市市営バスに乗りたいと先に乾徳山へ向かいました。

お昼を食べてぼんやりしているとかずさんがやってきました。山頂の目の前のケルンを見て、これから大ダオに向かう私が、ここを下るのかなあ、などと言いながら少し偵察。しかしどうも変な感じです。地形図をよく見たら、大ダオに向かう径は乾徳に向かう径と最初は同じですぐに分岐するようです。かずさんと一緒に乾徳へ向かう径を下ると、おおきな道標もあって、無事分岐点をみつけました。この分岐でかずさんともお別れです。

ひとりになって、エアリア破線の大ダオへの径を歩きます。奥秩父らしい雰囲気のいい道ですが、倒木が多く、径もところどころ不明瞭なところもあって、慣れていない人にはちょっと不安かもしれません。しかし、道標が非常に短い間隔で現れるので、まあ、よほどガスが濃いとき以外は迷うこともないと思います。

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(黒金山~大ダオ間の古めかしい道標)

大ダオはテント場になるかどうか見ておきたかったのですが、まあ、それほど好いテントサイトでもないです。水場は下の山の神まで往復で一時間ぐらいかかるでしょうし、このあたりの稜線上で強いてテントを張るとしたらここ以外に適地がないといったところでしょう。

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(大ダオから乾徳山を望む)

問題の大ダオから徳和への破線路は、想像以上に荒れていました。マーキングが豊富にあるので、辿っていけば迷うことはないと思いますが、そのマーキングもほとんどが白いヒモ。ガスが濃いときは、マーキングを見逃すおそれもあり、実際ミストレースも散見されましたので、ミストレースに引き込まれて、ムキになって下降すると非常に危険です。人が入っていないぶん、岩の苔も滑りやすく、何回かある沢の渡渉の前後など要注意です。

途中、渡渉する沢には橋はまったく架けられていませんので、雨が降ったときにエスケープに使うのはやめた方がいいかもしれません。全体に傾斜は緩やかな径なのですが、水量が増しているときに飛び石の渡渉がどれだけできるのか、雨の中でどれだけマーキングと踏み跡を拾えるか、ということを考えると、乾徳の巻き道をゆっくり下る方がマシのような気がします。

砂防堰堤のすぐ先から車道になるので、その先は本当に楽な道ですが、それまでの1時間40分が非常に長く感じました。おそらくこの先3~4年、人があまり入らず整備もされない状態が続くと廃道同然になってしまうんじゃないだろうか、というのがこの破線路を歩いた感想です。

車道をさっさと下り、見覚えのある乾徳山の登山口を過ぎ、徳和の集落に降りて、バス停に行くとかずさんがいました。バス停前の売店でビールを買ってイッキ飲み(笑)。

バスに乗って塩山駅に着いてもまたビールを買い、かずさんとビールを飲みながら電車の中であれこれお話。いつもは一人だけれど、たまにはこういうのもいいな、と思いながら帰途につきました。


☆☆☆

最後に、かずさん、hillwalkerさん、相乗りのお誘いに乗ってくださって、どうもありがとうございました!
機会がありましたら、またタクシー相乗りヨロシクです~♪

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