【鳥海山 東北ずっこけデビュー その2】 タクシー情報6 山バス情報41
新山で素晴らしい展望を楽しんだのち、岩場を下っていきます。登りとは違うコースで下れるようなのでそちらを下りました。しかし、重い荷物のまま登って来ないで大物忌神社にザックを置いてサブザックで登ってくるべきだったと反省。荷が重いと重心がブレ易いので、岩場では危険です。
岩の方に向き直ってそろりそろりと降りて、神社の脇で少し休んでから、七五三掛(しめかけ)へ下りました。途中登ってくる人は皆、この好天に大満足の様子で、挨拶を交わすとき、たいていどちらからともなく「好い天気で良かったですね」と付け加えます。それほど展望も申し分なく、早朝のガスが嘘のような晴れ渡り方でした。
しかししかし、七五三掛を越え、御田ヶ原分岐で休憩して扇子盛へ登るときに、ふと振り返ると、信じられない光景が目に飛び込んできました。いつのまにか鳥海山(新山&七高山)の頂稜が分厚い雲の中に隠れてしまっているのです。
ほんの1時間前、いや30分前まではすっきりと晴れていたのに。。。
昨日のタクシーの運ちゃんが、今になって神様に思えてきました。もし、私の行き先を再確認し間違えることなく百宅(大清水)に行っていたら、私は今頃あの雲の中で悔しい思いをしていたに違いないのです。
今回のメインは山頂(新山&七高山)よりもどちらかというと「鳥ノ海」だったのですが、幸い、これから向かう鳥ノ海方面はきれいに晴れており、御浜小屋で鳥ノ海をぼんやり見ながら、ゆっくりと早めの昼食をとることができました。
昼食を終え、鳥ノ海周辺にも少しガスが出てきたところで、腰を上げ、鳥海湖のほとりを通って、蛇石流分岐。ここから万助道へ入ります。
万助道は、お世辞にも下りやすい径とはいえませんし、慣れない人が下ると、道を間違えてしまったのではないかと不安になるかもしれません。しかし仙人平のあたりなど「ちょっと、これは出来過ぎなんじゃないの」というぐらいいい風景です。
仙人平を過ぎてからドッタリの間が傾斜も厳しく足場も悪いので、相当疲れます。ドッタリを過ぎてもラクな道にはならず、時間も思ったよりかかって万助小舎に着いたときは本当にホッとしました。
万助小舎は『東北の避難小屋150』(高橋信一著)(随想舎)でも絶賛されて四つ星マークの通り、本当に好い避難小屋でした。単に備品が多いとかそういうことではなくて、この万助小舎をボランティアで管理している地元高校生たちのこの小舎に注いでいる愛情が、そのまま伝わってくるのです。
この日の夜は翌日が月曜ということもあってか、またもや私一人の貸切でした。
☆☆☆
「その3」に続く
| 固定リンク
コメント
こんばんは。
天気に恵まれていますね。
またしてもいい写真ばかりですね。
山から海が見える、など経験したことありません。
雲ができる様子など見てわかるのですか?
山小屋の貸し切り → 一人っきりってことですか?
なにか遇ったときどうしよう…などと不安になることはないのでしょうか…。
その3楽しみにしています。
投稿: ぱんだ | 2006.09.08 21:54
ぱんださん、こんにちは〜♪ コメントどうもありがとうございます。
日本海でなくていいのなら、山から海って近場でも見えますよ。千葉の富山や鋸山から東京湾、冬なら丹沢や奥多摩の大岳山からでも相模湾が見えたりします。
山小屋(というより今回は避難小屋)の貸切りは、一人だけっていう意味です。
不安は山を登って降りてくる以上、いっぱいありますよ。スズメバチに刺されたらどうしよう、雷がこわいよ〜、お財布落としちゃったら、山の中で盲腸(虫垂炎)になっちゃったら、人気(ひとけ)のない山道で骨折しちゃったら、どうしよう、などなど。
でもいろいろ考えておいても、それらは大抵の場合杞憂に終わります。というより杞憂だったと安堵できるように、山中で慎重になればいいのです。
今回のような想定外のトラブルも、むしろそれを楽しんでしまえばいいのだと思います。単独だと自分一人だけの問題なので、ある意味、そういったアクシデントに対して柔軟に対応可能かもしれません。
何回か避難小屋泊まりを経験すると、貸切り(一人)は不安より喜びが大きくなります。他人の鼾に悩まされるという不安材料がひとつなくなるからです。
投稿: ゴン太 | 2006.09.09 11:33