2023.11.26

【3ヶ月ぶりの山行きは…笹尾根で紅葉狩り】 山バス情報197

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(小棡峠から土俵岳へ向かう途中で…)

 

【山行日】 2023年11月23日(祝)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 05:32 立川    (JR中央線各駅停車)
立川 05:43 - 06:14 武蔵五日市 (JR五日市線)

「バス」
武蔵五日市 06:22 - 07:05 笛吹入口(西東京バス 988円:ICカード)

「歩行」
笛吹入口バス停 07:15 - 08:30 990m付近、樹の切り株
990m付近  08:40 - 09:26 土俵岳
土俵岳     09:36 - 10:40 浅間峠
浅間峠     10:55 - 11:45 熊倉山
熊倉山     12:20 - 12:50 生藤山
生藤山     12:55 - 13;15 甘草水
甘草水     13:20 - 14:45 鎌沢入口バス停
鎌沢入口BS   14:55 - 15:40 陣馬山登山口バス停

「バス」
陣馬山登山口  15:49 - 15:56 藤野駅 (神奈中バス 210円:ICカード:数分遅延)

「鉄道」
藤野 16:06 - 16:32 高尾 (中央線各駅停車)
高尾 16:37 - 中央線某駅  (中央線快速東京行き)

【地形図】 「猪丸」 「五日市」 「与瀬」

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(浅間峠手前)


 またまた、山へ行かない言い訳連発病で、山歩きをサボってばかりの悪い癖が出てしまいました。

 前回念願の北アルプスに行った直後、実はコロナに感染してしまって、しばらくは何をやるのも億劫になっていたのですが、悪いことは重なるもので、長年使用していた電子レンジがついに暖め不能になってしまい、買い換えを余儀なくされたことで、秋のスペシャルは見送りとなったあたりまでは、まぁそれなりに言い訳になるのですが、そのあとに至っては、もう言い訳のための言い訳(笑)を理由に山行きを見送る日々が続いてしまいました。

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(88年製 享年35歳 電子レンジとしては長寿でした)

 3ヶ月も間が開くと、行き先選びが難しくなってきます。通い慣れたところでエスケープがいくつもある、ということで選んだのが笹尾根。スタート地点は小棡峠(こゆずりとうげ)。小棡峠は以前に山梨側の棡原から上がったことはありますが、檜原村側からは初めて。せっかくなので朝一のバスでのんびり歩いて、膝と体力と時間と相談しながら、降りる箇所を決めれば良い、という感じで行くことに。。。

 立川から奥多摩への乗り換え無し直通電車はなくなってしまったようですが、五日市方面はまだ残されていて05:43発の電車はありがたい存在です。五日市駅で下車すると、思ったより登山スタイルの人たちが多くいて、慌ててバス乗り場へ行ってみたのですが、数馬・藤倉方面行きのバス停は私が一番乗りで、もうスタンバっていると思っていたバスはまだ来ていない状態。

 乗車したバスの皆さんは数馬までかなと思っていたのですが、結構手前の停留所で降りていき、笛吹入口で降りたバスには、もう二組ほどしか残っていませんでした。

 山に入るのは本当に久しぶりなので、やや入念にストレッチをしてから、停留所の先の道標に従って左折して集落の舗装道路を上がっていきます。「←偲び心」という標識も併設されていますが、それらしき施設(?)も見当たりませんでした。

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(不動滝 近くまで寄れませんでした)

 「←不動滝入口」の表示があったので入ってみたのですが、径はかなり崩れていて、滝の直下まで行くことは難しく、遠くから眺めただけで引き返しました。再び集落の舗装道路を上がっていくと檜原村デマンドバスのバス停「笛吹自治会館」がありますが、ふりがなは「うずひき じちかいかん」。「うずしき」ではなく地元の発音では「うずひき」なのでしょうか。

 更に五分ほどで土径に入り、たくさん並んだ石仏のところで登下山の無事を祈って、季節が季節だけに最後の暖かい秋の日と思われる今日はクマ鈴をつけて山道に入ります。径は少し上がると眼下に笛吹の集落を見下ろせて、のどかな集落のたたずまいがとても好い感じ。ただ、基本的に植林主体の尾根を登っていくので、紅葉を楽しみながら登っていくという感じではありません。

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(笛吹の集落を見下ろす)

 途中、松浦本に記載されていた尾根上に並ぶ家屋に行く径は、やはりこれだけ山から離れていると、簡単に見逃してしまったらしく、指導標に従って黙々と登っていくことに。。。

 藪っぽい径を上がっていくと、左手から踏み跡が上がってくる箇所があって、ここが廃屋から続く径なのかなと思い、立ち止まって振り返ってみたのですが、ここは下りにとると逆にそちらへ引き込まれやすい形になっており、道中頻繁に現れた指導標も肝心のこの箇所にはなく、小棡峠を檜原村に向かって下る場合は注意が必要かなと思いました。

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(下りにとると、ここは直進してしまいそうです。)

 990m付近まで上がってきたところで、歩き始めから一時間以上経過していたこともあって、樹の切り株に腰掛けて休憩を取ることに。。。今日は久しぶりとは言え、朝、せっかくお湯を沸かしてお茶を入れたテルモスを台所に置き忘れて出てきてしまったため、水筒の水とサンドイッチの残りで一息つきます。

 ひと休みしたら、小棡峠目指して進みますが、何故か地形図には現れない?ほどの下降をしてから小棡峠に到着。たどり着いた場所は、前回棡原から登ったときの記憶とは違う場所のように感じ、実際、そこには棡原を示す道標もなければ踏み跡もありません。首をかしげながら浅間峠・土俵岳の方角へ進んでみると、二分ほどで棡原を示す道標と明瞭な峠道が見つかりました。そうそう、ここここ、こんな感じのところだった…と記憶がよみがえります。この分岐には小棡峠の文字もなく、峠の名の由来となった棡原の径は小棡峠とは離れた箇所にあるということになり、ちょっと不思議というか、変な話というか、釈然としないかんじが残りました。

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(小棡峠には棡原への径はない!?)

 稜線は、御存知の通り、激しいアップダウンもなく歩きやすい径が続きますが、小棡峠からしばらくは右手南側の陽当たりの好いところはずっと植林帯が続いているため、左手北側の陽差しが燦々とはならないところにある紅葉は、写真に撮ると幾分見劣りした感じに映ってしまいます。実際には写真よりも佳い色づきで、夏場の暑さで今年の紅葉はダメという予想を覆してくれる、はっとするような箇所も何カ所かありました。

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 軽いアップダウンをこなして、北側に大岳山が見えてくると防火用水の缶が並ぶ土俵岳。前の休憩から小一時間経過していたので、ここでひと休み。コンパスの登山届けで予定していたより早く登れた感じがしたので、確かめておこうとスマホを取り出すも圏外(笑)。(この先の浅間峠でも緊急通報のみ可で圏外でした:au)。

 当初は浅間峠で降りてしまってもいいと思っていたのですが、土俵岳で9:30。浅間峠は11時前には着いてしまいそうで、足と膝の調子から熊倉を越えて井戸あたりまでなら行けそうかなという感じ。ドライフルーツで一息ついたら東進を続けます。

 記憶では浅間峠に向かう道すがら両サイドとも雑木の美しい箇所があって、通るたび(冬)に、紅葉の頃はどうなんだろう?と少し期待して進んでいったのですが、その箇所も確かに悪くないのですが、それよりももう少し先に、ああ、来て好かったなと思わず口にしてしまうような箇所があって、このあたりは本当に楽しめました。

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 浅間峠は10:40の到着。疲れもなく、まだ行けそうという感じだったのですが、ここでメモをとるボールペンがポケットにないことに気づき、がっくり。ブランクを空けすぎるとこういうポカばかりが目立ち、気づくたびにがっくりきます(笑)。予備のボールペンがザックの中に見つかったので、ここからはメモもペンもザックの中に仕舞っていくことに…。

 エアリアを引っ張り出し、熊倉で場所があればお昼にしよう、なければその先の三国山にはベンチがあったはずなので、そこか、生藤山でと、更に東へ尾根をたどります。

 熊倉に向かうとすぐに、プーさんらしき落とし物を発見。その名の通りの山なのでしょうか。。。その先もなかなかどうして悪くない黄葉紅葉が姿を現し、笹尾根の紅葉だって捨てたものではない、との思いでアップダウンをこなし、「山之神社」「道祖神」の石碑を右手に見て五分ほど登ればベンチが三つある熊倉の山頂。二つは先客で使用中でしたが、一つ空いているベンチがあり、こんにちはの挨拶の時の表情がとても素敵な二組だったので、私もここでお昼の休憩にしました。

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(熊倉山の手前)

 

 お昼をいただきながら、山頂での一期一会の方々と、このあたりのバスのことや、お互いの山の趣向など楽しくおしゃべりしながら、素敵なひととき。一組はこれから井戸のバス停まで行って、いつもガラガラのバスで帰宅されるとのお話を伺い、私も11月いっぱいで午後は一本(15:29)しかないあのバス利用も考えていたのですが、登山届けを出していた計画書通り和田のバス停まで行けそうな感じがしたのとお二人が少なくとも今日は利用してくださる、ということで、お昼休みを終えたら、とりあえず予定していた三国山までは足を伸ばすことに。。。

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(軍荼利山へ向かう…)

いったん下ってすぐに登り返し。軍荼利山です。そしてその先には軍荼利神社。南側が開けて富士山も見えていますが、カメラにはとらえられないのは、この季節この笹尾根では仕方の無いこと。三国峠、三国山は尾根の途中という感じで、右手に降りる井戸への径を横目に、その先の生藤山まで、せっかくだからと欲張ったら、これがかなり険しい登り(笑)。

 生藤山山頂は12:50の到着。ベンチで一息入れつつ、これから下る和田へのルートとコースタイムをエアリア「高尾・陣馬」で確認してみたところ、急げば14時半のバスに間に合うかも知れないけれど、次の15:43発はかなり待たされそうな微妙な時間(笑)。この時点で結構足に来ていて、安全のためにも、そして今日は足慣らしにしては随分歩いたし、ということで、ストックを出して、ゆっくり慎重に怪我の無いように降りることを最優先として下山にかかります。

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 佐野川峠方面へは指導標の「上岩」と示された方向に進むわけですが、上岩と言われて判る人がどれぐらいいるのかなと…。皆さんが使っている昭文社の登山地図エアリアには、もうそんな地名はどこにもありませんし、地形図「与瀬」の左端や最近の「上野原」の右端にに小さく書かれている程度のものです。初めてこのあたりに来て和田に降りようと思っている人は、本当にここで良いのかな、と躊躇してしまうのではないでしょうか。せめて佐野川峠などの地名も併記してほしいところです。

 しばらく下っていけば神奈川県の指導標に「鎌沢」の表記が見られ、更に進めば甘草水の標識が出てきます。ここら辺から、膝の方が少し心配になってきたので、ベンチが見つかるたびに座ってひと休みしながらゆっくり下っていくことに。。。

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(甘草水…飲用不可が残念)

 更に下っていけば佐野川峠。ここで、右手に降りて石楯尾神社から帰る分には十分間に合いますが、現在時刻は13時半過ぎと、下で1時間以上待たされることは確実で、予定通り和田へ向かうことにします。

 佐野川峠から下っていくと軍荼利神社の下社の鳥居の手前に右手分岐する踏み跡があります。これがクラゴ峠方面へと南下する尾根道(最近のエアリアには赤破線が入っています)かなと見当をつけましたが、道標はなく、膝の調子が心配になってきたのでベンチで少し休んでから鎌沢と記された方の従来の登山道に進みます。

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(鎌沢へ…)

 

 このあたりから指導標は行く先を「鎌沢入口バス停」と表記するものが多くなって、だったら最初からこの表記で良いのに…と呟きつつ下っていくと、最奥の民家にポンと降り立ちます。

 舗装道になれば長いけれど膝の心配は無用と思っていたのですが、この舗装道、そうだそうだ、思い出しましたよ。物凄い急下りなのです。こんなところ軽トラなら何とかなるかも知れないけれど、普通の乗用車じゃ登るのも無理でしょうというぐらいの角度。傾斜が緩むまではしんどい舗装道下りでした。

 この舗装道下りはまもなく傾斜が緩くなって、膝の心配はとりあえず無くなりましたが、最近のエアリアで記載されている赤実線は駐車場の先で左手に折れて和田へ降りるように描いてあります。その分岐点はおそらく甲州裏街道という標識だけが立っているここだとは思うのですが、

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 残念ながら「和田」とか途中にあるはずの「やさか茶屋」などの表記は一切見つからず、もう14時半のバスにも間に合わないことは確実だったので、おとなしく道なりに下っていけば、やはりそこはすぐ右手に鎌沢入口のバス停という顛末。

 時刻は14:45。 15分前にバスは行ってしまったばかりで、次のバスまで一時間。とりあえず、バス停のベンチに腰掛けて、まずはコンパスの下山通知を出し、クマ鈴や手に持っていたストックを片付け、ほんの少し残っていた水筒の水を飲み干して、どうしようかなと…。

 エアリアを広げ、和田に上がって茶屋に行ってみるかと歩きかけたのですが、店がやっているとも限らないし、時間帯から言って陣馬から降りてきた登山客で帰りのバスは混むかも知れない、と考え直して、歩いても一時間半ぐらいなら藤野まで歩いてしまおうか…。途中でバスに追いつかれたらそのぐらいの距離なら立っていっても良いし、今日はかなり暑い日だったので喉も渇いて、自動販売機ぐらいあるだろうから、藤野駅目指して歩いて行こうと…。

 ところが歩けど歩けどコンビニはおろか自動販売機もない。幸い車の通りはそれほど無かったので、歩いていて不快な気分にはならなかったのがせめてもの幸い。目星をつけていた途中にある桐花園は、入浴できるとの表記があったものの、どこにその施設があるのかも判らないし値段も不明とあって、素通り。

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(看板は見つかったが…)

 

 更に上河原、上沢井というバス停を通過するに、もう随分前に行ったあの鷹取山のあたりかと思うといい加減疲れてきてしまいました。やけくそでホントに藤野駅まで歩くかと思っていた頃、「秘境 陣馬の湯」の大きな看板を見てその先にバス待ちの登山者の列を発見。そこは陣馬山登山口というバス停で、自動販売機があって、ようやく見つけたとCCレモンを買ってゴクゴクやっていると、そのまた先に「鈴木酒店」の看板が(笑)。

 いらっしゃいませの表示があって、店に入るとビールが並んでいて、今日はもうここで打ち止め、ビールを飲んでバスを待つことにすんなり決定です(笑)。

 車道を歩きながら、バスが二台登っていったのをこの目で見ていたので、最後尾に並んだ私も二台目の増発便に乗って席を確保。藤野駅には上り電車発車にちょうどよいあんばいに到着して、藤野からもうまいこと席を確保できて相模湖駅での長い通過待ち時間にも苦しめられず、そのあとの高尾からの上り中央線車内でなんと、あの熊倉山でお会いしたお二人にも再会。いろいろな偶然が重なるのもこの山歩きの楽しみのひとつなのだなぁ…と感慨深い面持ちで帰途についたのでした。

 

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2023.04.30

【ヤマツツジ観賞…扇山入尾根~南尾根】 山バス情報191


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(南尾根750m付近)


【山行日】 2023年04月29日(祝)


【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 08:05 高尾 (中央線各駅停車)
高尾 08:09 - 08:26 上野原 (中央線各駅停車)

「バス」
上野原駅南口 08:37 - 09:04 不老下 (富士急山梨バス 510円)

「歩行」
不老下バス停 09:10 - 10:10 入尾根取付地点
取り付き   10:20 - 11:10 860m付近
860m   11:20 - 12:00 扇山山頂
扇山     12:30 - 14:50 鳥沢駅

「鉄道」
鳥沢  14:56 - 15:26 高尾 (中央線各駅停車)
高尾  15:35 - 中央線某駅 (中央特快東京行き)

【地形図】 「上野原」

 

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(大久保のコル:ちょうど新緑が好い具合でした)

 

 山をサボり続けて、すっかり身体が怠け者になってしまって、これじゃあ、アカヤシオ見たくても、登れるだけの脚力が無いよなぁ…ということで、GW初日の山行きに選んだのは、松浦本『バリエーションルートを楽しむ』にも載っていて、以前から歩きたいと思っていた扇山の入尾根と南尾根。

 ここなら、行きのバスもまず混むことはない不老下行きのバスですし、帰りはバス利用なしですから、GWのバスの大混雑も免れられますし、南尾根のヤマツツジがちょうど好い具合かな…との目論見です。

 朝の中央線は、大混雑。GW初日ですし、翌日の日曜日が悪天予報ですから、まぁ、当然と言えば当然。 ひとつ前の接続にすれば好かったのですが、まぁ、上野原までなら立っていても、たいしてダメージは無いです。

 上野原のバスターミナルに降りてみると、もうすでに、井戸行きのバスが満席で立ち客が出ている上に、鶴峠へ行くバス停には大勢のハイカーが列を作っています。

 前回不老下行きに乗ったのは、まだ北口のあの狭いところからバスが出ていた大昔のことで、乗り場はどこだろうと探してみても見つからず、まさか、まだあのバスだけ北口発?と焦って(笑)、バスの運転手さんに尋ねると、2番から発車しますとのことで、井戸行きのバスの前で待機。

 やってきた不老下行きは、大型の深夜バスに使われているらしい車両で、GW対応で他のバスの臨時分に当てたための代替でしょうか?

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 乗客は私を含め4人だけ。他の三人は地元の方らしく、早々に下車してしまい、終点まで乗ったのは私一人だけでした。

 見覚えのある不老下バス停の転回所で、バスが再び上野原へ向かったのを見送ったら、私も出発です。松浦本では、入の集落までタクシーを勧めていますが、私は敢えて40分ほどの舗装道歩きをお奨めしたいです。この季節なら、桃源郷のようなのどかな集落がいくつも続き、車窓から見えていた藤の花が楽しめるだけでなく、立派なおうちの前には、え?っと驚くような、綺麗なお花が植えられていて、どの集落の人たちも、とても気持ちよく挨拶をしてくださいます。

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 途中、棚頭で雨降山・権現山の道標にも気づき、今の時期であれば帰りのバスも14:17発と早めの一本だけとはいえ運行してくれているので、権現山方面からこちらへ降りてくるというのもアリかなと思いました。

 スクールバス転回場の先で、「至る 入・扇山→」に従って仲間川にかかる扇橋を渡るのと、竹林の左に伸びる細道を見逃さないこと、そしてその先で「トタン板の物置」のすぐ先の小さな木橋を 渡らない ことが取り付きに至るまでの注意点というかポイントです。

 私はこの小さな木橋を渡った先(祠があります)で少し迷ってしまい、堰堤が左下に見えて、松浦本の略図と照合して、間違ったことに気づきました。戻って、トタン板の物置の先の橋を渡らずに、すぐに右の弱い踏み跡に入ると、一目でそれと判る明瞭な踏み跡が更に右手に入ったところに見つかります。ここにはマーキングもありませんでしたが、その先は普通の登山道並みで、657の手前までこの踏み跡に従って歩けば尾根に乗ります。

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(尾根に乗るまでずっとこんな植林帯です)

 尾根に乗ったら、コンパスで念のため尾根が西方向に伸びていることを確認。657の先で一瞬、自然林が現れて、新緑のまばゆさに目を細めますが、すぐに元のヒノキ植林に戻ってしまいます。

 黙々と緩やかな尾根を進んでいくと、800m付近から傾斜が増してきて、そこはジグザグを切ってくれているので、素直にそれを利用します。傾斜が緩んだ先で尾根が左手、南西方向へ向きを変えるあたりで、下からちょうど一時間ほど経過していたので水分補給をかねて一息入れます。

 900mの先で、今回は尾根通しを選んでみたのですが、岩尾根というほどではない、という印象を受けました。登り切ったところにある祠は私の見落としかも知れませんが、目にしませんでしたし、その先の土留めも気づきませんでしたので、地形図と歩いた感覚が一致していたにもかかわらず、ひょっとして全然違うところを登っているのでは??と首をひねりながら、右自然林・左植林の尾根を黙々と詰めていきました。

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(尾根上部は右自然林・左植林)

 

 しかし、まもなく左手の方から人の話し声が聞こえてきて、ポンと浅川峠からの堅く踏みしめられた登山道に飛び出すと、すぐ左が扇山山頂でした。ちょうど正午だったので、山頂はさぞかし大勢のハイカーがいるのでは、との予想に反し、空いた丸太ベンチがいくつもあり、どこにしようかと迷うぐらい(笑)でした。

 半時間ほどかけてゆっくり昼食をとったあと、少し無線を聞いてみましたが、下界は曇り空に変わって風も強くなってきたと聞いて、交信はせず、ゆっくりヤマツツジを楽しみながら下山することにしました。扇山の上空は白い雲が多かったものの、青空も見え、陽差しも十分だったのですが。。。

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 ヒトリシズカが群生↑する広々とした登山道を百蔵山方面へ進み、一応南尾根の分岐点を確認してから、安全策でまず大久保のコルへ。この稜線はちょうど新緑が見頃といった感じで萌黄色の美しさにほれぼれします(二番目の写真)。

 大久保のコルから先もしばらくは美しいライトグリーンに酔い痴れていましたが、やがて植林に変わってしまい、ちょっと気分が落ち込みかけた頃に「つつじ群生地」の分岐を記した道標が現れます。

 尾根へのトラバース道はロープなどもありますが、さして危険な箇所も無く、早くもヤマツツジがぽつりぽつりと姿を見せ始めます。今年のツツジは当たり年らしいから…と楽しみにして尾根を下り始めますが、どうも、聞いていたほど、思っていたほどには咲いておらず、樹によって花付きにばらつきがあったり、枝によってばらつきがあったりといった感じで、あれぇ?こんなものなの? もしかして、鹿に食われちゃったりしてるのかなと少々失望しながら下っていきました。

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(ちょっと失望気味でしたが…)

  樹によっては少量の蕾だけ付いていて花びらの痕跡も無しといった感じでしたので、あちゃぁ、やっぱり鹿さんか…とほほ、と呟きながら降りていきます(笑)。

 しかししかしです。800mを切ってきたあたりから、やはりちゃんと爆咲きゾーンともいえる地帯が出現。樹によっては、花の重みで大きく傾いでいるとしか思えないほどのものもあり、このあたりは頬が緩みっぱなしでした。ヤマツツジなんて、別にどこの山とも言わず咲いている花ですし、わざわざこの花を目当てに見に行くほどではない、と思っていたのですが、考えが改まりました。

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(花の重みで樹が…)

 今日は、やっぱり、ここに来て好かった。山に出かけてきて好かった、そう思いながら尾根を下りきり、あとは長い車道歩きも、この日の山行きを思い返しながらのんびり歩けば苦になりません。

 梨の木平にはバス停がありましたが、時刻表は付いておらず、正月は休日ダイヤのお知らせ張り紙が貼ったまま。。。GWのこのツツジの時期ぐらい走らせても好いだろうに…とも思いましたが、この時刻(14時前)では走らせてくれていても、待ち時間の間に鳥沢駅まで歩けてしまう…そう思って鳥沢駅まで歩くことに…。(富士急バスのHPによれば現在は帰りの便は百蔵の登山口から14:30猿橋行きがあるようですが、百蔵登山口バス停ってどこなんでしょう?:朝の便だけなので梨の木平には時刻表がないバス停があるということのようです…)

 梨の木平から鳥沢駅はエアリアのコースタイムで40分となっていますが、私は50分かかりました。特に急いだわけでもなく特にゆっくり歩いたつもりもなかったのですが…。

 鳥沢駅には上り列車の5分ほど前に到着。時間があれば駅前の酒屋さんでビールでも買って飲みたかったのですが、帰りの電車は行楽帰りのラッシュもあるし…ということで、お酒は飲まずに乗車。運良く座ることができ、途中の特急通過待ちもなかったので、穏やかな気持ちで帰途につくことができました。

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2023.04.15

【余りに天気が好いので…四方津御前山】

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【山行日】 2023年04月09日(日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 11:32 高尾 (中央線各駅停車)
高尾 11:58 - 12:23 上野原 (中央線各駅停車)

「歩行」
上野原駅 12:28 - 13:10 蚕種石社
蚕種石社 13:15 - 14:15 四方津御前山
四方津御前山 14:35 - 15:03 四方津駅

「鉄道」
四方津 15:42 - 中央線某駅 (中央特快東京行き)

【地形図】 「上野原」

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(色とりどりの春のお花も見られて、楽しめました)

 

 前回の山行が一月の末でしたから、二月、三月の丸二ヶ月、またまた山をサボっていたことになります。もう常習犯なので(笑)、花粉がどうとか、1月末のお給金がどうとか、そういった言い訳はしません(してる!って)。

 リンク先の新着記事を見ると、この暖かさでもうアカヤシオまで咲き始めていると聞いて、さすがにもう、マスクをしてでも出かけよう、と思っていたのですが、この週末は日曜の午前中に用事が入ってしまい、土曜は悪天。。。

 そこで、もう超遅出でも好いから行けるところ、ということで、選んだのが、四方津御前山。何故四方津御前山かというと、この山がSOTA山岳アワードの対象になっているので、無線に入れ込んでいたときに、ここなら短時間で登れるからと、いろいろ下調べしておいた山だったのです。

 どうせなら、ということで、最近のエアリアにも載っている四方津駅からの赤線ピストンは避けて、ちょっとバリハイな上野原から尾根伝いに山頂に立って、帰り(下山)は一般登山道というプランにしました。

 11時まで家に留め置かれていたので、11時過ぎに出発。しかし電車の接続が悪く、高尾駅では30分近い待ち時間で甲府行きの鈍行が発車。上野原駅を背に歩き始めたのは12時半でした。

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 春爛漫、舗装道路歩きも、素敵なお屋敷の玄関先に咲いているミツバツツジなど眺めながら↑気分好く西へ。。。ヤマケイオンラインの山行記録を参考に取り付きに向かいます。ポイントは松留発電所が見えたら、崖と発電所の間の道路に入っていくこと。少し行くと六体のお地蔵さんが並んでいます。

 そして三界萬霊塔の石碑があるお寺を右手に見て悉聖寺と表示のある信号の横断歩道を渡り、左に数十メートルにある石材店を見てすぐの路地を右手に上がっていきます。

 やがて、右手に見えてくるのが取り付き点である「道志川線№17」の送電鉄塔(といっても小さいもの)です。ここが尾根の末端部で、石仏はありますが、残念ながら仰向けに倒れていました。。。登るとすぐに石祠があり、登下山の無事を祈って出発です。

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 最初は尾根通しだった踏み跡が、尾根の左手の方の踏み跡にいつの間にか引き込まれますが、気づいた時点ですぐに尾根に上がってください。私はこの踏み跡をずっとたどってしまい、赤い鳥居の「蚕種石社」がある小平地に出るまで、大変な藪漕ぎですんなりと行きませんでした。

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(この巻き道に入らないように…入ってしまったらすぐに右上の尾根へ!)

 

 尾根上も藪があり、この時期は非常にわかりにくいですが、遠くに見える四方津御前山の方角から進むべき方向(やや右寄り)が割り出せて、そちらを足探りで行くとポンと小平地に飛び出します。小平地の右手に送電線の巡視路でよく見かける黒ゴムの階段が上がってきていましたから、「尾根末端から」にこだわらない方は少し遠回りですがこちらの八ツ沢発電所からの巡視路(?)で来る方がスマートだと思います。

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(蚕種石社)

 一息入れただけで、TEPCOの看板がある水力発電設備の金網沿いに左手の巡視路を進みます。すぐに右手に山上山へ上がる道が分岐していますが、結局戻ってくることになりますし、それほど素晴らしい展望が得られるわけでもないので、寄らなくてもいいと思います。

 すぐに5分岐に行き当たりますので、ここを尾根通しで、その先も尾根を外さずにずっと登っていけば山頂ですが、ここからの道のりが結構長いです(笑)。送電鉄塔が現れ、陽当たりが好いせいか、いくつかお花も散見されました。が、春の山行きはもう4年ぶりぐらいなので(笑)、名前が思い出せなかったり、知らない花(?)だったり。。。

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 でも、ライトグリーンの中、色とりどりのお花が咲いているというのは好いものですね~。こんな時間からのこんなショートコースだけれど、この時点で、今日は山のカッコして出かけてきて好かった♪と思いました。

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 ヤマツツジはさすがに失念するわけもなく(笑)、この色を見ると、もう春どころか、夏がすぐそこなんだと感じてしまいます。

 そんな尾根歩きもやがて岩っぽい雰囲気になって、ヤマケイのレポにもあった、ざらついた岩場の登りになります。ここは、私のように高いところが苦手なハイカーにとっては、おっかないところです。ただの岩だったらいいのですが、ざらざらしていて、足を滑らせて右手に落ちると、下手をすると命も落としかねない、といった感じの箇所(馬の背)があります。左手に踏み跡があったので、私はそちらを選びました(笑)。

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(こんな感じの岩場が続きます)

 このナイフリッジ(?)を無事通過すると、前方に四方津御前山の姿が見えてきますが、こちらから見た四方津御前山は、400mほどの里山には見えない、ひとかどの山、といった風格があります(トップ写真)。

 それだけに、最後の登りは結構絞られます。トラロープもある急登を登り切ったところは、手前からも見えていたアンテナ施設で、苔むした祠があります。アンテナ施設を背に明瞭な尾根道を進んでいけば山頂で、ベンチが二つと三等三角点があります。

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 時刻は14時15分。朝飯が遅かったので何とかなりましたが、おなかぺこぺこ。。誰もいないし、とベンチに腰掛け、朝コンビニで買ったおにぎりとテルモスのお茶で遅いお昼ご飯にします。むしゃむしゃやっていると四方津の方に延びている登山道からハイカーがやってきて挨拶。しばし休憩していたその人は、そのまま上野原方向に進んでいくようだったので、一声かけようか、とも思いましたが、アンテナ施設からすぐ戻ってくるのかも知れませんし、その先に行くとしても、もう今は皆、スマホで現在地がわかる時代、余りお節介な口をきくのも…と言う感じで、目で挨拶。

 もう誰も来ないだろうと、無線機を取り出して聞いてみたものの、電波の入感も余り好くないらしく、交信している局もほとんど見つからないほど。。。時間も時間だし、ご飯を食べ終えたらすぐ下山しようということに。

 ところが、お茶を飲んでいるともう一人ハイカーが…。その方は山頂はほぼ素通りで、アンテナ施設の方へ向かわれましたが、すぐに戻ってきて、先に下山。私も腰を上げ四方津方面へのエアリア赤実線ルートへ。。。

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(名前の判らないスミレちゃん)

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 こちらの登山道はあっという間に終わってしまいますが、それでも途中の新緑と、名前は知らないけれど綺麗なスミレと、黄色い美しい花(笑)を楽しめて、「悪くない悪くない、短時間のショートコースでいいから、これからはもう少し山に行く回数を増やそうよ」と自分に語りかけながら、四方津駅へと向かったのでした。

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(新緑に包まれながら歩くのって、好いよね♪)

 四方津駅では目の前で6両編成の上り列車に置いてけぼりにされるというツキのなさ。。。ここはコンビニもないんですよね~。ただ、次の列車は10両の中央特快。この列車だと途中で特急に抜かされることもなく、乗り換えもなしで、幸い今までの経験を生かして、この時間の四方津駅からでも着席できて、ゆったりとした気分で帰途につけたのでした。

※ お花の名前、御存知の方いらっしゃいましたら、是非ご教示を!

 

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2023.01.07

【歩き初めは…綱子川右岸尾根】 山バス情報190

 

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(東海自然歩道から峰山のトサカ頭を望む)

 

【山行日】 2023年01月03日(火)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅  - 06:11 高尾 (中央線各駅停車)
高尾  06:14 - 06:23 相模湖 (中央線各駅停車)

「バス」
相模湖駅 06:31 - 06:47 三ヶ木 (神名中バス 305円 ICカード)
三ヶ木  07:00 - 07:47 月夜野 (神名中バス 567円 ICカード)

「歩行」
月夜野  07:50 - 08:30 635m付近の急傾斜開始点
635m 08:45 - 09:45 平野山(730m圏峰)
平野山  10:00 - 11:20 舟山(587mピーク)
舟山   11:35 - 12:15 菅井・峰山分岐(綱子天神峠の標識)ベンチ
ベンチ  12:45 - 13:15 峰山(570m)
峰山   13:35 - 15:07 大鐘バス停(藤野さつき学園経由の大回り)

「バス」
大鐘 15:34 - 15:55 藤野駅 (神名中バス 242円 ICカード)

「鉄道」
藤野 16:06 - 16:32 高尾 (中央線各駅停車)
高尾 16:34 - 中央線某駅  (中央特快東京行)

【地形図】 「大室山」「青野原」「与瀬」

 

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(平野山への雑木の美林尾根)

 

 あけましておめでとうございます。今年も皆様が楽しく安全に山を歩けることを願っております。

 さて、新年の初歩きは、どこにしようかと、恵方が南南東ということで(笑)、比較的暖かそうな「三浦アルプス」なども、候補にあったのですが、やはり行きたいところに行こうと、前々から気になっていた綱子川の右岸尾根を訪れてきました。

 当初は月夜野から平野峠に上がって右岸尾根を歩いて、やまなみ温泉 に降りて温泉で時間調整して藤野へバスで出るプランを考えていたのですが、三が日は営業しているのかなぁ…と調べてみたら、何とやまなみ温泉は、現在リニューアル中で、休業中なのですね。それならばと調べた秋山温泉は三が日は送迎バスがないと言うことで、下山は舟久保というか奥牧野にして、大幅に時間が余った場合は秋山温泉で時間つぶしということで決行したのですが…。

 ネット上ではOKですが、何しろ三が日ですから、本当に月夜野へ行くバスがあるのかどうか猜疑心の強い私は(笑)なかったときのための別プランも用意して、初めて相模湖駅から三ヶ木行きのバスに乗ります。

 幸い三ヶ木では私と同じようなハイカーがたくさんいて、月夜野行きのバスは結構席が埋まっていました。月夜野行きのバスは以前に比べて発車時間が遅れて7時ちょうど発のため、5分前に入線してくるまで、停留所で待つのはこの時期いささか厳しいものがあります(笑)。

 予想通り、焼山登山口までで半数ほどが降車、最後まで乗り倒すのは私一人だけだろうとの予想は外れて、私ともう一人のハイカー、そしてひと組の家族連れ(?)が月夜野まで乗車していたのにはちょっとびっくりするやらうれしいやら…。

 しかし、この時期、日の当たらない国道413号線を冷たい風が吹き抜ける中、歩くだけでも相当厳しいですね(笑)。指が落ちてしまいそうだよ、と呟きながら登山口があるはずの西へ向かって歩いていると、うしろから、もう一人のハイカーが同じ方向へ歩いてきます。もしかして、と思いながら話しかけてみると、富士急バスに乗り継げると思って、大室山に登る計画で来たが、バスがないので歩いて一番近い登山口まで行くとのお話。

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 確かに、ネットの表示だけ見るとこの日は走っていてくれても良いはずなのですが、月夜野の富士急バス停には「12月29日から1月3日までは運休」との無情な張り紙↑が貼ってあり、私は、もともとがスクールバスとしての運行だったことを知っていましたので、予想としては今日は走っていないだろうとの推測は立っていましたが、利用したいと考えていた人もいたことを考えると…うーむ。

 久保からの径は危険なところもないし、その方は若くて足取りも速そうだったので、今の時間からなら大丈夫だろうと、話を切り上げ、自分の向かうべき方角へと舗装道路を上がっていきました。。。

 さて、平野峠への取り付きを、「エアリア赤実線なんだから…」と、事前に何もネットで調べていなかった私は、地形図だけ見て集落の一番北のところから登山道が出ているはず、ということで、取り付きを探しました。

 どこにも平野峠を示すような指導標は見つからなかったのですが、一番北の墓地の奥にあった鹿柵の向こうに明瞭な登山道としか思えない深くえぐれた径を見つけてしまい、何も書いていなけれど、ここだろうと、柵の鍵を閉め直して、その経路を上がっていきました。

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(これだけ明瞭なら…とこの径を上がってしまいました)

 

 ところが、この径をたどっていくと、やがて尾根の上に綺麗に乗るようになってしまい、ありゃ、地形図の破線と違うぞ、とは思ったのですが、その尾根もすっきりとした歩きやすい径でしたので、そのまま尾根をたどっていきました。

 635m付近で突然尾根の傾斜が急になり、尾根方向に赤テープが下がっています。今までたどってきた径がエアリア赤実線の峠ルートだとすると、もうこの辺で右にトラバースする径が見つかるはずで、少しそちらへも様子を見に行きましたが、どうも違う、そもそも取り付きを間違えたらしい、と判断。地形図とコンパスを取り出して、お茶を飲みサンドイッチをぱくつきながら、おそらくこの尾根を直登すれば832m点のピークに行けるのだろうと判断。予定よりだいぶ遠回りのルートになりますが、急傾斜を上がっていくことにしました。

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 尾根は急傾斜ですが、何故か虎ロープ↑が現れたりして、全体に雑木の尾根なので雰囲気は明るく、それほど苦もなく稜線へ。たどり着いたところはおそらく832で間違いない気がするのですが、帰ってから調べた峠道の取り付きはもっと東にあったらしく、見覚えのある稜線ではあるものの、そこが地形図の832m地点と判る目印もなかったので断言はできませんが、高度計やその後の行程から判断するに832mに上がってしまったのではないかと思います。

 平野峠までは、かつて歩いたことのある径。最初植林だった左側もやがて両サイド自然林の明るい尾根道になって、ここら辺は本当に素敵な場所です。

 平野峠に降りる手前、地形図の730m圏峰に上がってみると、そこには「平野山」の標識が二つ。。。明るく雰囲気の良い場所で、この先の平野峠よりずっと良い場所と、ここでゆっくりテルモスのお茶と残りのサンドイッチで小休止にしました。

 

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(明るい平野山山頂…平野峠よりもこちらで休憩がお奨めです)

 

 平野山からは樹間越しに大室山が見えていて、今朝のあのハイカーは今頃どの辺だろう、こちらは低山のお気楽尾根歩きだから、こんな日だまりでぼうっとしていられるけれど、むこうは1500mを超える登高、しかも北面…、そんなことを考えつつ腰を上げ、平野峠へ。

 平野峠では月夜野からの峠道の入口がありますが、かつてあった通行不可の標識もない代わりに、月夜野を示す標識や道志側の呼称である「臼久保峠」の標識もなくなっていて、立木にピンクテープと缶詰の蓋があるだけです。

 

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(たどれなかった平野峠道=臼久保峠道…)

 見た感じの道型はわりとしっかりしていますが、灌木の藪があり、エアリアにずっと記載されている「道荒れている」とはどの程度なのか、今日は確かめることもできず、そのまま「自然環境保全地域 神奈川県 自然を大切にしましょう」との標識があり、ご丁寧に入道丸方面へ行く人たちのために置かれている とおせんぼ枝 を跨いで、目的の尾根「綱子川右岸尾根」に入っていきます。

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(綱子川右岸尾根出だしは、こんな感じ)

 ここからはエアリアにも赤線がはいって「いない」尾根歩きが天神峠まで続くことになるので、松浦本『バリエーションハイキング』との異同を指摘しておくと、「平野峠の菅井方面を示す道標」「大河原分岐の手書きの標識」「小鞍部から登り返すところの『登山道』の木標」この三つは私の見落としでなければ、23年1月初旬現在ありません。

 間違いやすいところを指摘しておくと、松浦本にさらりと書かれている「560mで枝尾根が張り出しているが、東北東の尾根に乗る」という箇所。ここは注意していれば、道なりの方向に通せんぼの枝が見つかります↓ので、気がつくと思いますが、何の標識もありませんから、尾根歩きに慣れていないと難しいかも。。。コンパスで東北東(左)方向に尾根を見つけて進んでいくと、赤テープが見つかる程度。。。

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(こんなかんじで 通せんぼ枝 が置かれている程度)

 

 天神峠に降りる箇所も、少し難しいかも知れません。よゐ子の私は(笑)突端が崖になっているのを確認して、右後方の擁壁が斜めになった箇所へ向かう踏み跡で遠回りに林道に降りて、林道を左に折り返して東海自然歩道の入口に戻りましたが。感じとしては突端から左方向にも降りて降りられないこともない箇所があるようです。1~2分の違いですので、よい子は右後方へ(笑)。

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(よいこはここに降りたちます…)

 天神峠からは東海自然歩道とエアリア赤実線ですので、舟山の登降を除けば道型は明瞭です。でも、私の個人的な印象というか感想では、植林が多く暗くて、7,8本大きな倒木が重なっている箇所もあったりする上、ハンターの雄叫び(?)がうるさく、舟山では落ち着いて休むこともできず、降りる段になって銃声も近くで聞こえ、気分的にはウンザリでした。

 ちなみに舟山は私も松浦本のように、東海自然歩道の一番高い箇所から北尾根で山頂へ行きましたが、東側にわりと明瞭な踏み跡があるようですので、そちらを往復すべきなのかも知れません。植林に囲まれて展望もない山頂ですから、寄らずに東海自然歩道をそのまま菅井・峰山方面へ行ってもいいと思います。

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(舟山山頂…寄らなくても好いかも…(笑))

 

 右に採石場を見て下りきった鞍部までは、植林だらけですが、鞍部から登り返すと、本当に明るい尾根歩きになって左手に目指す峰山も見えてきて、とても気分が好い道のりになります。

 そんなルンルン気分の明るい雑木尾根歩きを楽しんでいると、エアリアで言う「青根・峰山分岐」現地標識で「綱子天神峠480m」というのもある菅井・青根・峰山の三叉路分岐点に着きました。陽差しもたっぷり。ベンチもあり、時刻もお昼を回った12:15。峰山まではまだだいぶありますし、ここでお昼ご飯の大休止にします。

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(このベンチでお昼にしました)

  
 お湯を沸かし、おにぎりを口にする、このひととき、少し風が強くなってきましたが、陽差しがたっぷりなので、気分も上々です。

 30分ほどゆっくりしたら、いよいよトサカ頭の峰山へ向かいます。綱子への道を左に分け、送電鉄塔を過ぎ、尾根が暗い植林帯に入ると、再度綱子への道を分けて、割れた石仏のある峰山直登尾根の登りになります。道は最近設置されたらしい黒い土留めと(高尾山稲荷尾根にもあるような)黒い手すりのある明瞭な登山道。。。さすがに遠くから見て目立つ山だけあって、息が上がります。

 山頂は大室山と富士山がある方向は開けていて、大室山の右、ちょうど厳道峠のあたりにちょこんと富士山が顔をのぞかせてくれて、お社(山頂案内図では古峯神社)もあったので、ここで本日二度目の初詣(一度目は月夜野集落の神社)にしました。

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(峰山山頂…大室山方面に展望開けています)

 時刻は13:15。やまなみ温泉はリニューアル休業中ですし、帰りの神名中の奥牧野発バスが13:59 15:29 17:22 18:10。13:59は間に合いっこありませんし、15:29は中途半端に時間が余ってしまいそう…。山頂でゆっくりして舟久保の方へ下ることにして、のんびりミカン休憩。

 13:35。腰を上げて下山にかかります。三つの石塔のそばには「雨神・大竜王・風神」という標識がありますが、石に刻まれた文字は左から「雨神・諸大龍王・風伯」のように私には読み取れました。

 そしてその先の分岐ですが、結局、私はひとつ目の指導標で舟久保方面へ入ってしまい(笑)、結果287mへのルート(エアリアで「林道終点」の表示があるコース)をとってしまって、そのことに気づいたときは、膝が痛み出してしまった(朝柔軟をせずに登り始めてしまったためかも…)こともあって、そのまま綱子川の林道に降り立ってしまいました。

 うら悲しい林道歩きの先でゲートを這ってくぐると、案内板があって現在地も明記されており、自分の間違いを再確認。右手に藤野さつき学園を見ながら歩いて行けば、奥牧野方向への径には「この先前川橋は通り抜けできません」の立て看板。。。

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(これって歩行者も?それとも…と思いましたが)

 これって、前に安寺沢右岸尾根をたどったとき は、実際は歩行者は通り抜けできてたよなぁ…車両が通り抜けられないってことだけなのでは…、とは思ったのですが、ここで近道をしても陽が当たらない奥牧野バス停で時間がたくさん余ってしまうだけ、かといって秋山温泉に行っても送迎バスは無し。富士急の無生野線も今は午後便が無い。。。ということで、再び登りに転じる面倒な舟久保への舗装道をのんびり歩いて舟久保バス停へ。

 舟久保バス停でもまだ時刻は15時前。もう少し陽当たりの良さそうなところでバス待ちしたいと、バス通りを東へ。。。小津久バス停は陽当たりがいまひとつで、時間もあり、さらに東進。ふじの温泉病院の送迎バスを恨めしく眺めながら(笑)、車道を歩いて着いた大鐘バス停は陽当たりも好いし、それにもう歩き疲れた、ということで、陽当たりの好いところで ぼんたん飴など食べながら時間つぶし。

 
 幸い風もほとんど無かったので、じっとしていても凍えることは無く、今日一日の山行き(そういえば、山中では誰ひとり会いませんでした)を思い返しながらバスを待つことができました。

 藤野駅行きのバスは、一人乗客が乗っているだけ。。。やまなみ温泉でお一人ハイカーの方が乗車して、この日の乗客は計3名。

 藤野駅では目の前で10両編成のオレンジ車両の上り線が出てしまって(笑)、新年早々ついてないかな…と思ったのですが、10分ほどで6両の高尾行きが来ることが判り、ホームの日だまりベンチでゆっくりと上り列車を待ったのでした。。。

 

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2022.12.25

【二十四年ぶりに東尾根で秋山二十六夜山を訪れる】 山バス情報189

 

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【山行日】 2022年12月24日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 08:37 上野原 (中央線各駅停車)

「バス」
上野原駅南口 08:43 - 09:22 板崎 (富士急山梨バス 770円)

「歩行」
板崎バス停  09:30 - 10:00 尾根突端
尾根突端   10:05 - 10:50 920m小ピーク
920m   11:00 - 11:20 秋山二十六夜山
秋山廿六夜山 11:40 - 12:30 浜沢バス停
浜沢     12:40 - 13:20 立野峠
立野峠    13:35 - 14:50 梁川駅

「鉄道」
梁川  14:58 - 15:24 高尾 (中央線各駅停車)
高尾  15:32 - 中央線某駅  (中央線中央特快東京行き)

【地形図】 「大室山」 「上野原」

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(東尾根、山頂手前は美林とも言える雑木林)

 

 気がつけば、前回の山行きから一ヶ月が経過。いろいろ理由をつけて、山をサボる悪い癖が…。この辺でいい加減歩いておかないと、また筋肉痛がおこる身体に逆戻りしてしまう、ということで、イブの日に、以前から歩きたいと思っていて凍結していたプランを実行に移してきました。

 秋山二十六夜山は、このブログを始める前、というより、山歩きを始めたばかりの前世紀に歩いて以来です。当時は、秋山村行きバスと呼んでいた無生野行きのバスですが、帰りのバスが14時と16時の確か二本あったはずで、14時のバスも時間が余ってしまうほどでしたが、今は行きのバスが20分ほど繰り下がっただけでなく、一本しかなかった14時のバスも12月~3月と8月は走らなくなってしまったことについ最近気づき、廃止だけは何とか食い止めたい一心でこの日の決行となりました。

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(板崎バス停にて…、午後の便が今の時期ありません…)

 

 24年も前の山行ですが、そのときのことは好く覚えていて、今でもときどき思い出します。浜沢から登って山頂で昼寝をしたあと(笑)下尾崎に降りたのですが、下尾崎のバス停のすぐそばに生け捕りにされた熊が檻に入れられていたのを眺めながら帰りのバスを待っていたこと。行きの浜沢バス停の近くでは竈で蒸かしたまんじゅうを売っていたこと。。。

 あのおまんじゅうのお店は、今でもやっているのだろうか…。それも確かめたくて、登りは松浦本『バリエーション・ハイキング』記載の東尾根、帰りは一般登山道で浜沢に降り、バスの便もないので立野峠を越えて梁川駅まで歩くというプランです。

 無生野行きだけでなく、飯尾行きもバス発車時刻が繰り下がったおかげというか、電車も一本あとの乗り換えなしで行ける6両編成になったことは、まぁ、便利と言えば便利なのですが、ともかく、上野原駅に降りてみると、無生野行きのバスはすでに例のミニサイズバスがスタンバイ状態な一方、飯尾行きはバスの姿は見えずともハイカーが長蛇の列なのには、ちょっとびっくり。

 無生野行きバスは乗客は三人だけ。小和田で一人降り、板崎で私が降りると残りはお一人だけ。帰りのバスがシーズンオフは運休になったのも、まぁ、仕方ないことかも。。。でもこの無生野のバスに限って言えば、このオフシーズンの方が利用したいと考えている人も多いように個人的には思います。

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(遠所集落にて…)

 取り付きまでは松浦本の通りですので、詳細は省きますが、拡大図にある近道を取れたので、時間と労力がセーブできたのは幸先の良いスタートでした。集落の人が、こちらを伺っているような気がしたので、491.1の三角点はパス。「林道遠所線起点」という表示に従って、林道を上がっていき、「林道遠所線終点」 という表示で突き当たった林道を左に行けば取り付きに到着です。

 尾根の突端部分で念のためコンパスで方角を確認。テルモスのお茶で一息入れてからスタートです。のっけから、だれかさんの落とし物を目にしたので、ここから鈴をつけて行くことにします。

 松浦本には、「踏み跡を拾って左からまわりこむ」とありますが、踏み跡は最初は右から回り込み、そのあとずっと左側を巻いて尾根に復帰するといった感じでした。そのあとの「左が雑木右が植林」というのも、私が感じた範囲では、両側とも植林といった印象です。

 そして、そのあとの「右前方の踏み跡は無視」という部分ですが、私は、まだ先の話だと思っていたのと、余りに明瞭な踏み跡だったのでコブを避けるだけと思ってその踏み跡に入ってしまいました。

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(この明瞭な踏み跡に入ってはいけません…)

 ところがいつまでたっても尾根に復帰する気配がなく、踏み跡自体あれほど明瞭だったのがだんだん薄くなって消えてしまったため、這い上がって尾根に復帰しました。おそらく892と920mの小ピークの鞍部のあたりに這い上がったのだと思います。

 このように尾根を外したあと這い上がると、労力だけでなく精神的にもダメージが大きい(笑)ので、920mのジャンクションのような小ピークで一息入れます。お茶を飲んで落ち着いたところで、コンパスで方角を確認。一見右側(北東)に伸びる尾根が与しやすく引き込まれそうなので要注意。倒木で通せんぼされている西北西が正解で、いったん下ったあとすぐに登りに転じますので、これで地形図とも一致します。

 あとは高みを目指して、尾根を詰めていくだけ。山頂直下は美しい雑木林になっていて、明るい陽差しと青空に頬が緩みながら山梨百名山の標柱がある山頂に到着です。

 11:20 山頂は誰もおらず、ちょうど登ってきた東尾根の入口あたりが日だまりになっていたので、ここでお湯を沸かしながらお昼ご飯にしました。

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(山頂から見た東尾根は明るく雰囲気の良い尾根)

 

 このときはちょうど風もなく、もう少しいても…という感じでしたが、今の時期は最も日が短く日没も早いため、20分ほどで山頂をあとにします。ちょうどお一人ハイカーが登ってこられたので、好い潮時だったかも知れません。

 廿六夜塔で二十四年ぶりの挨拶をしたら、浜沢への一般登山道を下ります。浜沢の降り口までは尾根伝いでちょうどこのとき、強烈な北風が吹き荒れだして、耳もちぎれてしまうのではというほどの冷たさ。。。注意力が散漫になっていたためか、棚ノ入山(三日月峠)方面への径に入り込んでしまいそうになりました。

 冷たい風にさらされながら進むと、赤鞍ヶ岳方面からの径を併せる分岐に着いたあたりで、ようやく風が弱まってくれてほっと一息。

 この先は記憶通り急傾斜ですが、さすがに一般登山道だけあって下りやすく、凍結部分もなかったため、結構快調に下ることができました。

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(かなりの急傾斜です)

 

 倉岳山を目にしながらの下りで、「浜沢まで降りたあと、再度あの尾根を乗っ越すのか…」と思うと少し気が重くなりますが、怪我をしないように下るのが肝要と言い聞かせて下り続けます。途中にあった東屋のような休憩舎でも足を休めずに下っていけばアオゲラの森キャンプ場。車道に出て、確かあのあたりと近づいた建物には、ああよかった、まだやっていましたよ♪

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 「元祖 王の入まんじゅう」150円也。「みそ」と「あんこ」の二種類あったので、「みそ」を注文。立野峠への入口を確認して店をあとに。。。

 立野峠への径は、これも山を始めたばかりの頃の思い出があるのですが、それはまたいつか…。お店に向かって右手の方に進めば、そこから峠道の入口までずっと指導標があります。沢沿いの植林帯をずっとさかのぼって、最後は雑木の斜面をトラバースする形で峠に出ます。

 

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(みそまんじゅう…峠でいただきました♪)

 立野峠は13時半前に到着。風もなく陽当たりも好いので、日だまりに座って、テルモスのお茶と先ほど仕入れた「みそまんじゅう」で休憩。倉岳山の方から降りてきたハイカーの方と、このあたりのバスについていろいろお話しさせていただき、しばし楽しいひとときでした。

 立野峠からは、何人か足の速いハイカーに抜かされて、あの軽快なフットワークは、もう今からでは身につかないのだなぁ、と少し寂しくもあり、羨ましい気もしましたが、なに、この程度歩ければ、普通のハイキングには十分だし、早く上り下りすることがどれほどの意味があるのか…と強がってみせたりしながら(笑)、この日の山行きの喜びをかみしめつつ無事車道に降りたって、梁川駅へ。

 梁川駅到着は14:50。10分も待たずに高尾行きが来ることが判り、やっぱりのんびりでいいんだ、と再認識。冬にしては強いなと感じる陽差しを浴びて電車に揺られて帰途につきました。

 

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2022.10.16

【六号路と稲荷山尾根をちょこっと…高尾山】 山バス情報186

 

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(天気の好い日は平日でもやっぱり混みます…)

【山行日】 2022年10月11日(火)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅    - 11:19 高尾駅  (JR中央線各駅停車)
高尾    11:31 - 11:33 高尾山口 (京王線)

「歩行」
高尾山口駅 11:35 - 12:55 山頂手前舗装道手前のベンチ
ベンチ   13:15 - 14:40 高尾山口駅

「鉄道」
高尾山口  14:48 - 14:50 高尾 (京王線)
高尾    14:53 -    中央線某駅 (JR中央線 快速東京行き)

 

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(13時頃、山頂では富士山が顔をのぞかせてくれていた)


 またまた天気の悪かった連休。連休明けの火曜日は午前中に用事があって、会社はお休み。天気も良くもったいない。次の週末が天気が良いとも限らない…。平日だから高尾山でもそれほど混まないだろうと出かけてきました。

 最近のエアリアには盆前山などにも赤破線が入っていて、平日なら小津へのバスもあるので…とちょっと考えたのですが、10:55のバスには間に合いそうもなく、14:30のバスではいくら何でも遅すぎます。それに長いこと山をサボっていたせいで、地図読みにもあまり自信がありませんので、今日のところは高尾山のその後の変わり様でも見に行こうか…といった野次馬根性で訪れてみることに。

 この日選んだのは、6号路。沢沿いの道なので涼しいというのもあったのですが、最近のエアリアではこの琵琶滝コース、GWと11月は登り一方通行になるとの表記があり、10年以上前に歩いた記憶があるものの、そんな「すれ違いにくい(狭い)」道だったっけ?ということを確認したかったというのもあります。

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(ツリフネソウ)

 歩いてみると、湿った道は滑りやすいかもしれませんが、尾根径と違い陽差しに照らされることも無く涼しいし、高度が稼げないものの、ゆったり歩きで進むことができます。ただ、舗装道では結構見られたお花が土径になってからは、とりわけ琵琶滝を過ぎてからはがくんと減った印象でした。

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( シュウカイドウ(秋海棠) )

 

 代わりに目についたのは、巨樹とこういった案内板。気がついたら目を通してから先に行ったのですが、これって結構勉強になりますね。

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 沢を詰めてUターンするように右手尾根に向かうところは急坂ですが、ここには結構真新しい木段があり、できたて(?)のせいか非常に歩きやすいです。過剰整備の誹りもありましょうが、ここまで人出の多い山だと、こうするしか無いのでしょう。

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 その白木の木段を上がりきると、小平地になっていて、ベンチがいくつかありましたので、あいているベンチでお昼のおむすびにしました。山頂はすぐそこですが、平日でも激しく混んでいるだろうし(笑)、とてもご飯を食べる雰囲気では無いのはよくわかっていますから…。

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(ここでお昼にして正解でした…)


 ご飯を食べなから、山頂へは行かなくてもいいかな…、なんて考えていたのですが、ま、一応素通りでもいいから、挨拶がてら通過してみることに。。。

 うーん、やはり来るべきじゃなかったか…というほどのすごい混雑。マスクをして歩いた方が良さそうだと言うことで、マスク装着で山頂通過(笑)。三角点には、まあ想定内とはいえ、親子連れがどっかりと腰を下ろしていてタッチはできませんし、富士山の展望台も写真を撮っている人たちで大混雑。

 まさに素通りして、稲荷尾根へ。。。

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(稲荷山尾根上部も真新しい木段)

 稲荷山尾根は、ここも、のっけの下りから、先ほどのような木段がずっと続き、この尾根の末端まで、こんなんが続くんかい!と、さすがに不愉快な気持ちも生じてきましたが、ある程度急な部分を下りきってしまえば、従来の土の径に。。。

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 このコースはこの土の部分が好きだったので、ここまで木段に覆われていないことに安堵。稲荷山の展望は、もうだいぶ木が育ってしまっていましたが、まぁ、ここは都心方面を望めるだけですから、このまま放置で好い気もします。

 黒い手すりの階段をトントコ下っていくあたりは、以前と同じでこの尾根の下部は変わってません。ケーブル駅を横目に高尾山口駅へ。もう少し歩こうかとも考えたのですが、ホームに、あの緑色の電車が来るところが見えたので、まだ一度も乗っていないし、と言い訳して(笑)高尾山号に乗って帰宅の途につきました。

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 ※「追記」:小津へのバスですが、あとで調べてみたら、平日なら西八王子駅発12:20もあったのですね(この日は間に合いませんでしたが、ほかに07:10と09:40があります)。

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2020.01.18

【陣馬山で無線あそび…】 山バス情報180

 

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【山行日】 2020年01月13日(祝)

 

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
八王子 06:35 - 06:41 高尾(JR中央線松本行き)

「バス」
高尾駅北口 06:47 - 07:18 陣馬高原下(西東京バス 臨時便 567円:ICカード)

「歩行」
陣馬高原下バス停 07:30 - 09:00 陣馬山山頂

 (無線運用約2時間! + ランチ)

陣馬山 11:55 - 13:50 景信山
景信山 14:00 - 14:57 小仏バス停

「バス」
小仏  15:00 - 15:25 高尾駅北口 (京王バス 231円:ICカード)

「鉄道」
高尾 15:31 - 中央線某駅 (JR中央特快東京行き)

【地形図】 「与瀬」

 

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謹 賀 新 年

というご挨拶をするのも恥ずかしいぐらい、また間隔の空いた更新になってしまいましたが、本年も皆さんとともに安全に楽しい山歩きのできることを願っております。

 山歩き(自分なりの定義としては登山靴を履いた歩きを勝手にこう呼んでいます)としては今年初歩き(令和第二弾(笑))。そこで選んだのが陣馬山。子年と関連あるものを選ぶという余裕は全然なくて、半年以上ブランクがあいてしまった山行きの最初と言うことで、一般登山道のみでやさしいこと、そして、最近また復活してしまった無線の趣味で、SOTA(山岳移動のみのアワード)というものを発見してしまって、SOTA選定の山ということで、こちらに決定しました(無線利用の多い高尾山や城山、帰りに寄った景信山は選定されていません)。

 どこから登ろうか、といろいろ考えたのですが、昨年末になってやっと復旧開通した陣馬高原下行きのバスを利用して、北面を登り、南面を下る予定で出発しました。

 陣馬高原下から陣馬山に登るのは2001年1月以来のこと。しかし、その時の記憶では、和田峠までの車道歩きにかなりウンザリして、そのあと霜が溶けてぐちゃぐちゃの土留めの階段を上がって行った思い出があり、現在のように和田峠の東隣の尾根ルートは無く、実際手持ちの2001のエアリアには破線さえありません。

 これなら、車道歩きを20分ほどで済ませられそうだし、どんな感じなのか興味も湧き、朝一番の陣馬高原行きのバスに乗るべく、八王子行きの二番バスに乗ってJR八王子駅に行ってみたところ、いつもは始発駅から大混雑の06:35発松本行きがちょうど入線するところで、なんだか妙にホームに人が少ない(笑)。。。余裕で座れてしまったので、次の40分発の高尾行きではなく、こちら松本行きの車両で高尾駅へ。

 この電車を高尾駅で降りるのはおそらく初めてで、好天予報なのに混雑しないのは、連休最終日でオフシーズンだからか…、陣馬高原下行きのバスはまだ来てないかな…と北口に降りてみると、これがもうスタンバイしてエンジンがかかっています。乗り込んで何とか席を確保したところで、このバスは臨時急行の陣馬高原下行きで、夕焼小焼、関場、陣馬高原下にしか停まりませんというアナウンス。こんなオフシーズンに臨時便を出してくれるなんて…とちょっとびっくりでした。

 出発時刻は06:47。終点の陣馬高原下バス停には07:20前の到着です。これじゃ、山頂には9時前に着いてしまうかも…、のんびり行こう、とゆったりストレッチしているうち、次のバス(これが55分発なのか、二台目の臨時なのかは不明)が到着してバス停は大勢の登山者で大賑わい。長らく経験したことが無い状況に逆に緊張してしまいます(笑)。

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 歩き始めてすぐに底沢峠方面との分岐に出ますが、奈良子峠への径は崩落して通行止めの表示があります。台風19号はその雨量が甚大だったため、沢沿いのコースはやはりダメージを負ったところが多いようです。

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 底沢方面への道を左に分けて、和田峠方面へと進み、車道を歩いて行くと、エアリア表示通り、20分ほどで今回のコースとの分岐に出ます。見るとそれほど新しいとも思えない指導標が建っていて、簡単な案内図もあります。すぐに沢沿いの径から小尾根に取り付く形になっていて、車道歩きを半分以下に抑えてくれたこの径には感謝です。ただ、尾根に上がってからは植林帯が延々と続き、傾斜もそれなりですから、面白味のある径とは言えないかも知れません。

 登り始めて30分ほどのところで、右手(西側)が自然林となって、その右手には和田峠へ上がる車道とその尾根が見えてきます。あんなところを延々と辛抱して車道歩きしていたのか…、と20年近く前の自分を褒めてやりたい思いでした(笑)。

 

Jimbamusen0015 (写真のほぼ中央鞍部に車道が上がっています)

 

 そこからさらに20分ほどで高尾・景信との縦走路に突き当たると、頭上に青空の広がる明るい自然林の巻き径となって、気分良く山頂にたどり着けます。下部の植林一辺倒を我慢すれば、なかなか好い登路かも知れないと思いました。

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 山頂到着は9時少しだけ前。空は雲ひとつ無い青空で、富士山が綺麗に見えています。今年の冬は暖冬で冬型がなかなかバッチリ決まらないため、展望はそれほど期待せずに登ってきたのですが、この日の展望は格別で、大菩薩は端から端まで綺麗に見えていましたし、その向こうには南ア(確か悪沢赤石のあたりだったと思います)も頭を覗かせています。

 

Jimbamusen0036 (悪沢・赤石:南ア南部の山が顔を覗かせる…)

 

 申し分のない天気でしたが、9時の時点では少し風もあって、じっとしているとたちまち手がかじかんできます。無線機を取り出し、さっそく御坂黒岳からのコールに応答して、まずは一局交信確保。しかしそのあとが、折しも開催されていた埼玉コンテストで、普段はガラガラの1200MHz(1.2GHz)でさえ空きチャンネルを探すのが困難なほど(笑)。結局3時間近く山頂に位座ってしまうことに。

 

自分からCQを出してのんびりQSO。5局ほど交信して、11時を過ぎ、ポカポカの山頂でゆっくり食事をしてから、さて、どうしようか…。予定では歩いたことの無い栃谷尾根で藤野駅だったのですが、まだ昼前。足の調子も今のところ大丈夫そうだし、天気も好い。昔歩いたことのある景信山方面へ歩いてみて、明王峠で足腰の様子と相談することに。。。

 

Jimbamusen0033 (富士山に雲が少しかかってきたところで山頂を後にしました)

 

 記憶では、景信までは巻き径がたくさんあって、ほとんどアップダウンもない径。ランナーが多いのを承知していれば、それほどきつくない道のりだったはず…という感じで歩いて行くと、やはりのんびり歩いたのにもかかわらず、50分もかからずに明王峠。 これなら、景信まで行けそうかな、という感じで堂所山も巻いて(笑)、さらに進んでいったところで、指導標は無かったのですが、これも巻き径かな…と右手の少し薄い踏み跡に入ってしまいました。

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(送電線新多摩線ルートとの表示を見かけました)

こちらの径はランナーにも会わず、静かでいいのですが、ところどころ薮っぽかったり、崩れかけているところもあって、なかなか縦走路には合流しません。結局最後には大きく登り返さなければならず、ラクをしようとすると痛い目に遭う、という典型でした。誰にも会わなかったことや、合流点には何の標識も無かったことなどから、本来の巻き径とは違うのでしょう。

 景信山に到着したのは、14時前。都心方面が開けた無線には好都合な場所でしたが、既に一局、おそらくコンテスト参加局が電波を出していたのと、山頂で大きな声で怒鳴っている単独の男性がいたので、私は離れたベンチでティータイムに。

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 エアリアを広げながら、さて、どうやって下山しようかと思案。城山を越えていく気はもうなかったので、相模湖に降りるか、それとも小仏に降りるか…。相模湖に降りる経路は20号の車道歩きがいささか長いのと、この季節南面で径がどろどろになっている可能性が高い、、、小仏のバスはこの時間帯だと間違いなく混雑するけれど、乗車時間15分なら立っていってもいいか…、山を下るのは随分久しぶりだし、1年ちょい前に下ったばかりなので、勝手もわかっている。ということで、小仏へ下山。

 やはり久しぶりの下山ということで、ゆっくり歩いたものの、長いこと使っていなかった筋肉を使うわけで、もたついて、一時間近くかかって小仏バス停へ。それでも、膝も腰も悲鳴を上げなかったので、そこそこの自信はついての下山でした。

 小仏のバス停では15時ちょうどの便が出発するところにドンピシャのタイミングは良かったのですが、二台用意したバスは満員。出発する頃になって更に混雑が進んで車内はかなり窮屈。途中でも乗れるだけ乗せてしまったため、ぎゅうぎゅう詰めに近い状態で高尾駅へ。結局朝出発した駅に戻ってきてしまったわけで、次回はできたら行きとは違う駅から帰途につきたいな…との思いで上り電車に乗り込みました。

 

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2019.05.05

【令和の初歩きで肝を冷やす…鋸尾根&長尾根】 山バス情報179

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(ヒカゲツツジを見に出掛けたのですが…)

【山行日】 2019年05月04日(祝)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 07:21 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾 07:26 - 08:08 猿橋 (JR中央線各駅停車)

「バス」
猿橋駅 08:28 - 08:53 杉平入口 (富士急山梨バス 440円)

「歩行」
杉平入口  09:00 - 10:55 1030m付近? (3回目の休憩)
1030  11:05 - 11:45 三ツ森北峰
三ツ森北峰 12:10 - 12:50 長尾根に乗る
長尾根   12:55 - 14:35 冨岡バス停 (途中雷に怯え、登山道を外れて避難)

「バス」
冨岡 15:09 - 15:33 猿橋駅 (富士急山梨バス 410円:10分ほど遅延)  

「鉄道」
猿橋 15:48 - 16:33 高尾 (中央線各駅停車)
高尾 16:37 - 中央線某駅  (中央線各駅停車)

【地形図】 「大月」 「七保」

 

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(雹に降られ雷に迫られ、非常におっかない思いをしました)

 令和の初歩きって、それよりおまえ、平成の歩き納めが2月のアタマってどういうこと?というお叱りがあるのは、ごもっともです。またまた、あれこれ言い訳をしつつ、山に行くのをサボっておりました。

 この日は最近また再々復活しようかと考えていたアマチュア無線の移動運用がてら、お気に入りのコースで去年見なかったヒカゲさんでも見に行こうかと、早起きしてのんびり朝食を家でとってから出掛けました。

 それでも駅には時間より早く着いてしまい、いつもより一本前の電車で高尾には07:21着。座れなかったら、次の大月河口湖行きでもいいやという感じだったのですが、07:26発の小淵沢行きに座れてしまったので、猿橋にはひとつ早い電車で到着。上和田行きのバスはGWだけあって、団体さんが乗っていたりしましたが、私以外は予想通り福泉寺前で全員下車。運転手さんは全員降りたものだとばかり思っていたらしく、私が冨岡を過ぎたあたりで降車ボタンを押すまで気づかなかったようです。

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 快晴とまでは言いませんが、青空が広がり、好天の山日和としか思えない五月の明るい陽差しの中、集落を抜けて登山口へ向かいます。登山口では前回同様、オゴシ山の尾根の中腹まで新緑が駆け上がっているのが見え↑、3ヶ月ブランクで少々しんどいだろうけれど、ゆっくりのんびり行けば静かで楽しい山歩きが出来そうだと期待を胸にスタートです。

 しかししかし、歩き始めてから10分ほどで、息が上がり苦しくてたまりません。努めてゆっくり歩いたつもりなのですが、荷物が重く感じ、Tシャツ1枚になっているのに汗が滴ります。今日は八木アンテナも持ってきたので無線道具一式だけで1kg近くプラスされてしまうのですが、持ってきたことを本当に後悔しました。

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(新緑が美しいものの苦しくて仕方なかった)

 ひと息入れてから気を取り直して歩き始めるものの、無線機というより、自分の身体が重く感じて、これはもう引き返そうか、と二回目の休憩を入れながら考えました。しかし、帰りのバスは12時まで無いのはわかっていましたので、あと30分ほど歩いてみて、ダメそうなら引き返すことにしてよたよたと登っていきました。

 すると、傾斜が緩んできたせいか、足取りも軽くなり、呼吸も乱れずに、いつもの山歩きのリズムが出てきました。みずみずしいライトグリーンの新緑が目を楽しませてくれて、30分はあっという間に過ぎて、1時間ほど休まずに登っていくことが出来ました。

 

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(調子も出てきて快調になった)

 こうなればしめたもので、道ばたに咲く小さなスミレや時折現れるトウゴクミツバツツジ(既に終盤)を写真に収めながらのゆったりした登りが楽しめ、快調だったのですが、ちょうどこれから向かう三ツ森北峰から麻生山辺り上方の雲の色が黒いのが、この時点で少々気がかりではありました。

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(気がかりな色の雲ではあったが、移動してくれた)

 しかし登って行くにつれ、雲の方が移動してくれて、鏡のある三ツ森北峰では、無線を聞きながらのんびりお昼ごはんを食べることが出来たのです。予定では、15時のバスは小菅の湯から来るため混雑するので、16時のバスに間に合うようにここでアンテナを設営してCQでも出してみようかと考えていたのですが、やはり近くにある黒い雲だけでなく奥多摩から奥秩父にかけての雲の色が気になって、今日のところはCQはやめにして、一局だけCQ応答しようか…とも考えていたのです。

 しかしどうにもちょっとイヤな予感がしてきたので、それもやめて、腰を上げ、ヒカゲツツジを見に行くことにしました。ヒカゲさんは去年の台風で、折れて流れた樹などもありますが、全体にもう終盤のようで、それほど堪能は出来ませんでした。ただ、あの大人びた感じのクリーム色の綺麗な花を今年は見ることが出来たのでよしとします。

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(ヒカゲツツジは終盤)

 一方イワカガミですが、こちらは、まだこれからという感じで、蕾から花が出てきたのが数輪確認できただけで開花はまだと言う状態でした。ただ、踏みつけによってダメになっている葉っぱが結構見つかりましたので、次の週末でもあまり楽しめないかも知れません。

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(イワカガミはもうちょい先)

 と、そんなお花見をしていると背後の奥多摩・奥秩父方面でしょうか、雷鳴がゴロゴロと聞こえてきました。やっぱりちょっと気味が悪かったので、尾名手峠に降りると、稜線ではなく巻き径を伝って降りることに。少々早めにバス停に着いてしまうかも知れませんが、雨に降られる前に山を下りてしまった方が好さそうだと判断したのです。

 この巻き径は以前に何度か通ったことがありますので、長尾根に乗るまで結構時間がかかることは判っていました。そしてザレている為に通行には少々注意が必要なことも。。。陽差しは結構ありますが、一方で北から黒い雲が忍び寄ってくることもこの時点で気づいていました。

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(長尾根に入ったところの新緑、相変わらずの美しさに感嘆していた)

 それでも長尾根に乗った時点ではまだ、雨に降られるとしても下山してからではないかと考えていたのです。途中で咲いているスミレやリンドウを写真に収めていたぐらいですから、それほどの危機感はありませんでした。それで、長尾根に乗ったところで一呼吸入れてしまいました。ほんの5分ほどだったのですが、大月市の指導標が相変わらず壊れたままでしたから、これは新設して欲しいなぁ…などと考えながらテルモスのお茶を空けて水分補給したのです。この時点で13時前でした。

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(長尾根に乗ったところにある指導標…新しくして欲しいなぁ)

 

 長尾根を下り始めて間もなくのことだったと思います。気のせいではなく風に乗って夕立の時のあの雨のにおいがしてきました。そこで、ああ、これはやっぱりやばいよな~と考えながら少し小走りで下っていきました。それでもまだ13:15頃まではヒトリシズカの写真など撮っていましたので、深刻ではなかったことは確かです。

 ああ、やっぱりこれは下山前に降られるのは間違いない、けど、雷はイヤだなぁ…と思いつつ、撮ったのがこの写真。

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 咲き残りの山桜と新緑ですが、バックはどす黒い雲です。と、そのうち雷鳴が頻繁になり、ポツポツと降ってきました。これは高度をとにかく下げないと…という思いで駆け下りますが、久々の山歩きでは足がうまく運ばず、筋肉痛が襲ってきます。それでも命には代えられない!とばかり、もうここ何年かやったことがないぐらいの駆け足で下っていきます。時折見る高度計表示が思うように下がらず苛々して毒づいたりして、まぁ、結構大変な精神状態でした、今考えると。。。

 で、トドメは雨が雹(ひょう)になって、びしびしと頭や首を打ち付けてきたことでした。今まで雨や雷は経験がありましたが、雹は山では初めてです。大きさはたいしたことがないのですが、これが雨脚が強まるととんでもないことになるんです。冷たいし痛いし、おまけに雷鳴はどんどん近づいてくるし、辺りはあっという間に暗くなるし。。。本当に命からがら逃げるというのはこのことでした。

 ようやく長尾根の主稜から左手に外れる道に入ってくれたのですが、雷鳴は近づくばかり。雹の数と勢いは容赦なく強まるし、かといってレインウエアを着るより高度を下げ少しでも尾根から外れたところに行く方が大事と判断したため、レインウエアを着る決断が出来ません。

 結局雷鳴がすぐそばまで来たと判断して、登山道を離れてでも尾根から外れるのが肝心と、登山道を離れる決断をして、尾根から数メートルのところに降りていって、慌ててレインウエアを着ることに。

 雹がたたきつけるので、手もかじかむし、レインウエアを引っ張り出して着る間も雷鳴がとどろいて、ようやく着たあともほぼ頭上で稲妻が光るしで、ホント生きた心地がしません。雷に打たれて感電死するのは宝くじで1億円以上に当選するより確率は低いのですが、一方で落雷地点ほど自然の気まぐれなものもありませんから、雷が通り過ぎて雨脚がすっかり弱くなるまでは、じっとして祈るしかありませんでした。この間推定20分ほど。

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(ザックの上で溶けずにいる雹…中はぐしょ濡れだった)

 レインウエアを着るのが精一杯だったのと、ザックを離れたところに置いたために、ザックの中身はほとんどぐしょ濡れでした。着替えや念のために用意しておいた防寒具も水を含んで使い物にならない状態。後で気がついたことですが、忘れ物はないと確認したにもかかわらず、レインウエアを収納する袋だけ、落としたのか置き忘れたのか、帰ってきてから点検してもついに見つかりませんでした。

 とぼとぼと歩いてくと、避難地点は駒宮砦と光養寺との分岐まで5分ほどのところと判りました。空も北の方が明るくなってきて、雷鳴も遠のいたことが判りましたが、やはりたった今のあの後では気が気ではなく、何とか生きて帰れそうだとメドがたったにもかかわらず、さえない表情だったのではないかと思います。

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(雨の上がりつつある集落をとぼとぼ歩く)

 ようやく人心地がついたのは、やはり冨岡のバス停を目にしたときでしょうか。バス停すぐそばの駐車スペースのようなところで着ているレインウエアを脱いで、あとは着干しで何とかなるだろう、バス時間までの30分ほどが少し寒いかも知れないけれど、幸い冬でもないので何とかなりそうだと、身支度をしていると、ほぼ向かいにお住まいのご夫婦が声をかけて下さいました。

 下着のシャツを1枚譲って下さったうえに、ドライヤーで上に着ていたシャツも乾かして頂き、温かいお茶とお茶菓子までいただいてしまい、いろいろとお話も聞かせて下さり、本当にありがたかったです。勝手に遊びに来て雨に濡れて、替えの下着まで濡らしてしまったしょうもない登山者にここまで親切にしていただいて、何とお礼を申し上げて良いやら、ただ帰り際に阿呆のように頭を下げるしかありませんでした。

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(バス停留所でバスを待つ…)

 バスは予想通り、席はすべて埋まっており、途中浅川入口から団体さんも乗り込んで満員御礼状態、猿橋から先の中央線も猿橋の時点で立ち客で通路がすべて埋まっていたほど、とGWらしい混雑ぶりでしたが、最後の思いがけない親切に接したためか、終始笑顔で乗車でき、何よりも

 「とにかく無事に家に帰ってくること」

こそが山歩きで一番重要なことと痛切に感じながら帰途についたのでした。

 

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2019.02.11

【石仏に会いに…近ヶ坂峠から高川山・むすび山】 

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【山行日】 2019年02月03日 (日)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
八王子 06:35 - 07:19 大月 (JR中央線各駅停車 松本行)
大月  07:26 - 07:41 都留市 (富士急行 河口湖行)

「歩行」
都留市駅  07:45 - 08:15 近ヶ坂入口バス停
バス停   08:20 - 09:20 近ヶ坂峠
近ヶ坂峠  09:35 - 10:40 羽根子山
羽根子山  11:10 - 11:50 高川山
高川山   11:55 - 13:15 天神峠
天神峠   13:25 - 14:20 むすび山
むすび山  14:30 - 14:55 大月駅

「鉄道」
大月   15:21 - 中央線某駅 (JR中央線 快速東京行)

【地形図】  「都留」 「大月」


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(近ヶ坂峠:久々に峠らしい峠に出逢えた)

 高川山は、一昨年の秋に訪れているのですが、そのとき、ちょっと気になったのが近ヶ坂峠を指すお手製の道しるべで、よくよく松浦本『バリエーションハイキング』を見てみれば、近ヶ坂峠は素敵な石仏の写真入りで紹介されています。

 私も是非この仏様にお目にかかりたいと、出掛けることにしました。この日は前日の好天予報や、当日夜からの雨予報などもあったせいか、ハイシーズンは混む八王子始発の松本行きもガラガラ。大月での乗り換えも富士急が既に入線しているのでスムーズ。富士急行線も席には十分すぎるぐらいの余裕がありました。


 近ヶ坂峠は初狩駅からもあがれるようですが、紹介されているのが富士急側だったことや、歩いても近ヶ坂温泉バス停(現在は近ヶ坂入口バス停と名称が変更されています)まで30分ほどということで、宝鉱山行きの朝のバス便がなくなってから久しく訪れていないこちら側のアプローチに惹かれ、都留市駅から歩きます。

 都留市駅から歩いて山に登るのは、考えてみたら初めてのことで、駅を出て歩き始めるやいなや新しく出来たばかりの温泉施設「より道の湯」や、都留アルプスの標識、歩いている間にコンビニが二軒もあるなど、いろいろ役立つ発見があり、バスが無いからと言って、そちら側のアプローチを完全に捨ててしまうのはもったいないことだと考えながら歩きました。

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(都留市駅前と言ってもいいぐらいのところにある)

 しかししかし、この時期8時前の都留市ってホント寒いっ!ですね。「凍てつく」というのはこういう寒さを言うのでしょう。陽差しは十分あるのに手足が凍り付きそうなぐらい冷たくなって、手袋無しだと本当に指先の感覚がなくなってしまい、耐えきれず、歩きながら手袋を取り出しました。

 近ヶ坂入口バス停は、ちょうど30分ほどで到着。注意点は金井入口の先のセブンイレブンの辺りから左手にバイパスが現れますが、そちらではなく旧道を歩いて下さい。バスは未だに旧道の方を走っており、近ヶ坂入口のバス停留所も旧道側にあります。

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(バス停は旧道側にある)

 目の前にデンと見える三つ峠を見ながらバス停前でストレッチをしてから、北へ伸びる里道を山側へ上がっていきます。松浦本にある五つの石塔のすぐ左に左手を指して「←近ヶ坂往還」の標識も見つかります。

 簡単に言ってしまえば、そこから先は林道が尽きて山径になるまで、林道を道なりに歩いて行けば良いのですが、538mへの山径を左後方に分ける地点(A点)や、右手に丸木橋がある地点(B点)などはしっかり確認していきました。

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(丸木橋:B点)

 左手に建物を見て山径になってからは、踏み跡はしっかりしておらず、慣れていないと少し難しいかも知れません。私は松浦本のコピーも持参していましたし、前日ここを下ったと思われるお二人組のハイカーの足跡が雪にクッキリと残されていましたのでラクでしたが、何もないと、左沢(涸沢)に進み、小さな石積みを見るまでが少し判りにくいかもしれません。

 正しく進めるとすぐに、右手に来た方角を指して「都留市駅方面→」のお手製の標識↓が見つかり、あとは昔からある峠道独特の剔れた径を歩いて行けば好く、あまり難しく考えなければ逆に簡単かも知れません。

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 ただ、「ん?」と思うのはほんの短い区間なのですが、その部分は違う斜面に踏み跡も見つかるので、そこを上がっていかないよう、少々注意しないといけません。

 凹地になってからは、笹はありますが、我慢するほどではなく、今ではD点に立派な指導標もありびっくりします。私はそのまま昔ながらの峠道と思われる凹地を進みましたが、ここは峠が近づいてくる手前の雰囲気が本当に佳いですね。たどり着いた近ヶ坂峠は「久しぶりに峠らしい峠に来たな~」と思わせる素晴らしい峠。峠フェチのゴン太くんは大満足でした♪

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(峠を間近にしたこのあたりがたまらなくイイ♪)

 で、石仏ですが、峠から30mと松浦本には書かれていましたが、もう少し距離がある感じ。30mほどのところには「石仏この先1分」の標識もあり、お二方はちょうど峠を少し下に見おろす感じの場所に佇まれておいででした。

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(石仏のあるところから峠を見おろすとこんな感じ)

  石仏に手を合わせてからもう一度峠へ戻り、そこでテルモスのお茶でのんびりと休憩しました。9時半を過ぎれば、この高度でじっと座っていても寒さを感じることはなく、いつまでも憩っていたいところでしたが、夜からとはいえ、天気が崩れる予報でしたから、15分ほどで腰を上げ、指導標の「鍵掛峠→」と記された尾根へ上がっていきます。

 ここからは大月市と都留市の境に当たる尾根を歩いて行くだけですので難しいところはまったくありません。左に目立つ鋭鋒は鶴ヶ鳥屋でしょうか。あの山へ尾根づたいに逆へ進んで登ってみるのはどうだろう…と考えながら歩いて行くと「鍵掛峠」の標識が現れますが、ここは鍵掛峠ではないと思います。後方に富士山が姿を見せ、更に登りをこなすと、前回鍵掛峠から羽根子山へ向かう途中に見かけた通せんぼの箇所に行き当たりました。

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(この場所に出た)

 ここから先は前回とまったく同じ行程です。違うのは稜線上に雪が散見されるのと、昨秋の台風で倒れた木が少し目立ったことぐらいでしょうか。今日も富士山は綺麗に姿を見せてくれ、羽根子山には11時前の到着で、時刻までほぼ同じです。

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(羽根子山からの富士山は本当に美しい)


 今から小休止後に高川山へ行けば、混雑は必至でしょうから、早めのお昼を羽根子山で食べてしまうことにしました。富士山の端麗な姿を眺めながら、暖かい陽差しを浴びてゆっくりと…と思っていたのですが、お湯を沸かし始めて間もなくでガサゴソと突然動いた動物にびっくりして、水を300mlほど、こぼしてしまいました。

 動物は、幸いシカでしたので、そのままお昼をゆっくり平らげました。そういえば、途中に鹿だろうな…という足跡が雪面にあったのだから、想定していれば、慌ててお湯をこぼしたりせずに済んだのに…と少々反省。
  
 30分ほどかけてゆっくり食事をしてから、羽根子山南尾根の入口も確認。前回はミストレースだとばかり思っていたのですが、そうではなくてバリハイルートの一つなのですね。天候が早めに崩れそうなら、ここから南尾根を下ることも予定に入れていましたが、富士山も綺麗に見えていますし、上空は雲ひとつない好天。このまま高川山へと向かうことにしました。

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(急斜面を下から撮ったところ:ロープはあるが凍結したらとても危険な下り)

 しかし、この羽根子山から一旦高川山との鞍部に下る道は、この時期ちょっと危険です。ロープもあるのですが、この傾斜で北斜面では、登りにとっても下りはやめておくべき…との感想でした。慎重に下って鞍部に下りますが、その先は予想通り多くの登山者に踏まれて凍結しかかった滑りやすい登りです。

 滑りやすい登りを登り始めてすぐに、富士山が再び顔を見せたのですが、これが笠雲を頭に乗せているのにはびっくり。富士山の笠雲なんて、山で見るのは随分久しぶりです。


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(綺麗と言ってもいいぐらいの笠雲)

 高川山のメインコースに入れば、こんな季節でも人が多く、山頂は予想通りの人出で、家族連れのファミリーハイクの姿も見られます。それでも、座れる岩を見つけたので、水分補給だけさせてもらって、富士の笠雲もだいぶ広がりを見せたのを背に5分ほどで下山開始。

 ここからは1年3ヶ月前に歩いているので、何の問題もないと思ったのですが、下り始めて10分ほどにある↓この地点。直進が行き止まり表示で右折が田野倉駅。地形図をちゃんと確認すれば、なるほど むすび山(大月駅)へ行くのも右折なのだな、と簡単に判りますが、このあいだ歩いたばかりだからとロクに確認しなかった私は、一瞬 むすび山へのルートが通行不可になったのかと勘違いしてしまいました。

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 この指導標が都留市のものであることから、大月駅方面もこちらとは書けない行政側の事情がのみこめて、そこでやおら地形図を取り出してみれば、ここは田野倉と記された急坂を下ってそのまま東へと伸びる尾根に乗るのだと了解しましたが、ついこの間歩いたばかりと油断して地形図もロクに見ずに歩くことの愚かさというか恐ろしさを再認識しました。

 しかし、この時期だと、この最初の急下りは、ちょっといやらしい下りになりますね。凍結していればアイゼンですが、凍結せずに滑りやすいという土質で、岩がち。アイゼンを履くわけにもいかず、かなり慎重に下る必要がありました。急下りが終わってしまえば、両サイドがうっすら雪化粧した美林の尾根歩きなうえに、そこから先は二人組の美女にも出逢えて(笑)、すこぶる快適だったのですが。。。

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(平坦な美林の尾根歩きは長くても苦にならない)

 高度を下げていって天神峠近くまで下りきれば、雪もほとんど消えた冬枯れ径となります。高川山から1時間以上経過していましたし、この先はむすび山まであまり好い休憩場所も無かったと記憶していましたので、峠の花咲側に座って、みかん休憩としました。

 峠から登り返して10分ほどの地点に「峰山585m」の表示。地形図の584ピークのことでしょうか。。。ちなみに、その先にあるふたつの三角点にはどちらも何の標識も付けられていませんでした。 

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 sanpoさん命名の「おはぎ岩」↑を過ぎ、なかなか着かないな~と思いながら、進んでいくとやっとむすび山手前の「奥むすび山」と記された地点。ここからの富士山は前回同様、影も形もなくなっていて、かろうじて笠雲の残骸のようなもので、あの辺りなのだろうと推測できる状態です。

 奥むすび山まで来れば、むすび山は5分ほど。見覚えのあるベンチと少し荒れた感じの山頂。今回は誰もいませんでしたので、大月防空監視哨跡の前のベンチで、最後に残しておいた水をすべて飲み干して水分補給。冬場に1.5Lの水はなかなか使い切らないものですが、今回は山に水を飲ませてしまったこともあり(笑)、下山直前とは言え、すべて飲みきってしまいました。 

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(むすび山:ベンチもあり眺めも良いが、風情の無い場所)

 
 あとは、滑りやすいとはいえ、短い区間をジグザグ切りながら、民家の前に降り立つだけ。やはり泥で滑りやすかったですが、転ぶこともなく無事舗装道路に着地して、そこからは滑る心配もない舗装道路を大月駅までのんびり歩いて、15:21発のガラガラの中央線快速東京行きで乗換無しの帰宅。 

 高川山は往復3時間もあれば登って来られる山ですが、今日のように工夫すれば、静かな尾根歩きを堪能でき、7時間ほどの歩きごたえのあるコースも組めるので、またコースを代えて登りに来たいと思いながら家路につきました。

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2019.01.24

【鳥井立北尾根から池之上経由で阿夫利山】 山バス情報178

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(鳥井立=御牧戸山から素敵な尾根道を下る)

【山行日】 2019年01月19日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅 - 07:31 高尾  (JR中央線各駅停車)
高尾 07:47 - 08:08 上野原 (JR中央線各駅停車)

「バス」
上野原駅 08:35 - 09:11 釣場 (富士急山梨バス 670円)

「歩行」
釣場バス停 09:15 - 10:05 580m付近小平地
580m  10:15 - 10:45 805m付近恩賜標
恩賜標   10:55 - 11:35 鳥井立近くの展望地
展望地   12:00 - 12:40 池ノ上
池ノ上   12:45 - 13:20 金波美峠
金波美峠  13:30 - 14:15 阿夫利山
阿夫利山  14:20 - 15:30 秋山温泉

「温泉」
秋山温泉  15:30 - 16:20 (市外一般 800円)

「バス」
秋山温泉 16:30 - 16:45 上野原駅 (無料送迎バス)

「鉄道」
上野原 16:52 - 17:08 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾  17:15 - 中央線某駅  (JR中央線快速東京行き)

【地形図】 「大室山」

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(鳥井立から少し下ったところの展望:左に大室山と大室指集落、右に富士山)

 ハムストリングの違和感も消えたので、いい加減まともな山歩きがしたい、ということで選んだのが松浦本『バリエーションルートを楽しむ』51の鳥井立北尾根-池之上-金波美峠のコース。

 無生野行きのバスを行き帰りで使うコースとして推奨されているのですが、松浦さんのコースタイムは時々とんでもなく厳しいコースタイムだったりする(笑)ため、鈍足の私でも帰りの15時前のバスに間に合うものかどうか、いまひとつ自信がありません。

 そこで、土曜なら秋山温泉の無料送迎バスもあるので、土曜日に行ってみて、もし間に合わなければ秋山温泉に金波美峠からエスケープという、万全の体制で臨むことにしました。

 無生野行きバスは3年前に立たされた苦い経験がまだ記憶に残っていて(笑)、今回は上野原08:08着で行きましたが、さすがにオフシーズンだけあって、ハイカーは私とあともう一人だけで、他は地元の方が2人。ガラガラで発車しました(ただ、飯尾行きのバスは相変わらずの人気で、08:08頃から列が出来ていて、バスの座席はほぼ埋まっていたようです)。

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(無生野行きのバスはガラガラ)


 無生野行きのバスは昔のように奥牧野を経由するルートに戻っていて、これがバス道路かというほど狭い路をくねくねと走り、ああ、これぞ山のバスだなぁ…との思いが甦り、嬉しくなりました。

 釣場バス停で降りたのはもちろん私だけ。ストレッチをしたら、すぐ左手にある橋を渡ります。右に舗装道路を分けて左手の舗装道に入ったところに松浦本でも記載のある、この看板↓がありますが、

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 これは、「峠道」とあるところから察するに、地形図にある長尾と鳥井立の中間部に行く破線路のことを指しているのではないかと思います。とはいえ、この径が現在も使い物になるのかどうかというと甚だ疑問です。前回鳥井立を訪れたとき、一応この破線路のことを気にしてはいたのですが、それらしき経路はもちろん、栗谷や秋山村を示す標識は稜線上に見つけられませんでした。

 栗谷林道は、そのような名称が記された標識は無いようですが、電柱に「栗谷502」等の表示があることから、それとわかります。今ではもう未舗装部分はなく、完全舗装されています。

 取り付きはわかりにくいかも知れません。「秋山村分収造林地」の白看板は林道にはなく、尾根に上がった少し先にあります。地形を観察していれば尾根末端部を見逃すことはないとは思いますが、左手のゴルフ場に池が見えてきたところで右手に注意していれば踏み跡は見つかると思います。踏み跡のすぐそばの電柱に「栗谷526」とあります。

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(このゴルフ場のコースに池が見えてくると取付は近い)

 尾根に上がれれば、あとは尾根づたいに地道に高みを目指していけば良いだけなので、こと登りに関する限りは迷う心配はほとんどありません。踏み跡もまあまあありますし、ヤブはありません。ただ、思ったほど自然林は多くなく、870mで松浦本にあるように雑木になるのですが、ずっと雑木が続くのではなく、その後も植林が出てきます。

 また明らかにこのあいだの台風によるものと思われる倒木(根本ごと倒れていたり、途中でへし折ったように折れている)が植林帯に結構ありました。
 こういった状況は予め予想できていたので、時間にとらわれることなく、途中明るい雰囲気の場所で気の向いたときに休憩を取るという形でのんびり登っていきました。

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(倒木 ひどいところはこんな有様)

 私の場合は、580m近辺にある小平地(近くの立木に赤いビニールテープが巻かれている)と、805m近辺の恩賜標と境界見出標がある二地点で休憩を取りましたが、どちらも陽当たりが好く、結果的にその後の急登に備えることも出来て、休憩箇所は当たりだったと思っています。

 最後は等高線を見て覚悟していた通りの急登で、鳥井立には11時半頃登り着きましたが、山頂よりも少し厳道峠方面に降りたところにある「富士大室見岩」と私が勝手に名付けた場所の方が展望も陽当たりも好いのが前回訪問で判っていましたので、そちらに行ってお昼休憩としました。

 今日は本当に空気が澄んでいて遠望が利き、北尾根を登ってくる途中で南ア北岳がクッキリ見えていたので、富士山が綺麗に…と期待してきたのですが、富士山を望む方向にある松の木がだいぶ成長してしまって、それがちょっと邪魔になっていました。

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(富士山は松の木が成長して…)


 でも、ここからの展望は、前回も書きましたが、大室山の姿がそれはそれは立派で、あの大室指から943へ正三角形に伸びる尾根に強く惹かれてしまいます。道志行きのバスは、ご存知の通り、現在もまだ平丸で神奈中が折り返している関係で、利用することが難しくなっていますが、復旧までのあいだ、昔あった藤野駅発の月夜野行きバスを代替で走らせてくれないものかなぁ…などとついつい無い物ねだりをしたくなってしまいます(笑)。
  
 今回も暑いぐらいの陽差しの中、お昼ごはんを平らげたら、少し稜線を歩いて池之上を目指します。池之上とは鳥井立の北東にある850m圏峰のことで、鳥井立北尾根を登ってくるときに左手に見えてきます。遠くから見てもあんな急斜面を登るのかと思うほど目立つ山です。登る前に980mぐらいの稜線から一旦大タギレと呼ばれる780m近い鞍部に物凄い急角度で下っていきます。地面はとても滑りやすい上に、ジグザグを切るような踏み跡もなく急斜面を直滑降する形で、本当に注意が必要です。

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(大タギレに近づくと、前方に池之上が立ちふさがる…池之上にも植林されているのには驚く)

 このような尾根下りの入口にお手製とはいえ道標を付けるのはいかがなものでしょうか。大タギレにも「池之上」を示す道標と「林道に至」の道標がありますが、林道と示された方角に普通の人は道形は見つからないと思います。そして登り切った池之上には池之上の標識も阿夫利山を示す道標もなく、猟銃禁止区域の赤看板があるだけ。。。おそらくこの近辺の山を愛する方が善意で設置されたものとは思いますが、やや片手落ちの感は否めないと思います。

 ただ、池之上から金波美峠へ向かう際に一箇所間違いやすい尾根の分岐があって、そこに「阿夫利山→」の道標を付けてくれているのは、評価できるかも知れません。実際尾根の分岐では直進方向に濃い踏み跡が付いており、向かうべき右の尾根に向かう箇所には倒木などもあって不明瞭となっているため、これが無かったらうっかり直進してしまいかねません。

 そこを間違いなくクリアすると、すぐ先の小ピークに立木に赤テープがあり、マジック書きで「大船小舟803m」の表示が見つかり、正しい方向に進めたことが確認できます。

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 地形図で見たとき、803の先の小ピークでそのまま東へ伸びる尾根に引き込まれないように注意しないといけないな、と予想していたのですが、むしろ東に伸びる尾根に行く方が難しく、尾根が左にクイッと曲がったような感じでごく自然に北上し、すぐその後、右(北東)に伸びる尾根に乗ることが出来ました。

 金波美峠が近づくにつれ、道形もはっきりしてきて、ヒノキとアカマツの植林帯を下っていけば金波美峠に到着です。左手を指して、安寺沢とあったので、安寺沢は右でしょう!?と、びっくりしたのですが、右手の峠道には通せんぼの枝が置かれていて、右側の峠道は危険ということなのでしょう。実際エアリアにも、神野方面に降りてトンネルを通って安寺沢に行くように赤線が引かれています。

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(神野方面に安寺沢と書かれていて少々戸惑う)

 遠い昔、まだ山を始めたばかりの頃は、阿夫利山や金ピラ・デン笠あたりには赤破線も入っていなくて、結構大きな空白地帯でした。金波美峠などロマンティックな名前に惹かれて、いつかヤブ山を歩けるようになりたいとあこがれていたものですが、こうやって実際に来てみると、それほど郷愁を誘うような場所でもなくて(笑)、藪も無いただの峠です。

 金波美峠到着は13:20。ここで、左手のしっかりした峠道を下って林道を歩いていけば、神野14:56発のバスに余裕で間に合いそうです。しかし、足の方の調子も良く、まだ歩けそうでしたし、なによりあの阿夫利山の先へと伸びる尾根径の自然林の美しさを楽しみたいという気分でした。 久しぶりに秋山温泉にも寄ってみたいし…と、水分補給してひと息ついたら、阿夫利山への尾根径を登っていきます。

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(明るい雑木の尾根歩き…こっちに登ってきて好かった♪)

 ここからは現在ではエアリア赤実線です。道形もはっきりしていますし、明るい雑木の尾根径が続きます。左手にゴルフ場が見えますが、ここ(尾根)からですと遥か下なので、ほとんど気になりません。エアリア実線で、地形を追うのをやめていたため、突然「高見山」の標識が現れたときは、「あれ、もう718?」と思ったのですが、後で家で見た藤井本によれば高見山はその先の710m圏峰なのですね。

 そういえば、昔、そんなしこ名のハワイ出身の力士がいたなぁ…などと考えつつも、なんだかよくわからないまま、明るい雑木の尾根径を進んでいけば、「ああ、ここだ、ここここ」という感じで巻き径を右に分けて見覚えのある阿夫利山へ。

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(阿夫利山へ…)


 阿夫利山は14:15の到着で、腰を下ろして水分を補給。明るい陽差しでのんびりしたいところでしたが、秋山温泉のバス時刻(16:30の次は18:00)を考えて、ひと息ついたら下山することにします。

 前回も「あれ?」と思ったのですが、この下山道、最初のところは地形図やエアリアのように尾根を直進するのではなく、一旦南に降りてからトラバースして北東の尾根に乗るのですね。たぶん、尾根の最初の傾斜が急なためだと思います。

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(雑木の森から展望も開けたりする)

 そして、阿夫利山を後にしてからの北東に伸びる尾根は本当に何度歩いても佳いものです。670m圏峰:井戸沢ノ頭で金剛山を指すお手製指導標が現れ、少し惹かれるものがありましたが、地形図を見ると、少し難しそうな尾根の分岐があるのと、アップダウンをこなすぶん、時間がかかってしまいそうだったので、今日のところは、一般登山道である暮ヶ沢林道へ真っ直ぐ降りていくことにしました。

 最初こそ、下りやすく明るい雑木だったのですが、すぐに暗い植林帯になってしまい、少々後悔しました(笑)。それに舗装・未舗装が交互に現れた林道の最後は「感電危険!」の表示がある害獣除けのフェンス。上部の針金に触れなければ感電することなどないのは、判っちゃいるのですが、この鉄製扉の開閉は、あまり気持ちのよいものではありません。

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(開けたら必ず閉めます : しっかり鎖で施錠しました)


 
 里道を下っていき、金山神社があったので、遅ればせながら今年一年の登山の無事をお祈り。 里人の声がしたのを聞いて、ああ、そういえば、今日もバスを降りてから山中では誰にも会わなかった、と気づきました。

 秋山温泉は、800円と値上がりしてしまい、日曜のバスもなくなってしまったのが少し残念でしたが、この日は15:30の受付なのに、お風呂は空いていて、ゆっくり汗を流し、風呂上がりのビールを飲んで、すっかり気分が好くなったところで、ちょうどバスの時間というタイミングの良さ。

 16:30のバスは上野原16:52の高尾行きとの連絡が良いので、上野原でのビール追加は見送って、さっさと乗車が賢明です。次の17:04のホリデー快速富士山2号の方が都心の方は早く着くかも知れませんが、河口湖からの直通で5両編成ですから、よっぽど天気の悪い日でもない限り、座って帰れないのではないかと思います。(ちなみにこの日の16:52発の中央線各駅停車はガラガラでした。)

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