【中山道経由で和田峠から鷲ヶ峰・霧ヶ峰】 山バス情報194
(和田峠 古峠)
【山行日】 2023年07月23日 (日)
【使用公共交通機関の詳細】
「鉄道」
中央線某駅 - 05:13 高尾 (中央線各駅停車)
高尾 05:15 - 05:51 大月 (中央線各駅停車)
大月 05:54 - 06:41 甲府 (中央線各駅停車)
甲府 06:46 - 07:57 下諏訪 (中央線各駅停車)
「バス」
下諏訪駅 08:35 - 08:54 樋橋(とよはし) (下諏訪町町営バス 150円)
「歩行」
樋橋バス停 09:05 - 09:50 中山道入口
中山道入口 10:00 - 10:20 西餅茶屋跡
西餅屋 10:25 - 11:40 和田新峠(鷲ヶ峰登山口)
和田新峠 11:50 - 12:55 鷲ヶ峰
鷲ヶ峰 13:20 - 14:55 ヒュッテみさやま
ヒュッテ 15:05 - 15:30 沢渡バス停
「バス」
沢渡 15:37 - 16:25 上諏訪駅 (アルピコ交通 1300円)
「鉄道」
上諏訪 17:22 - 19:48 大月 (中央線各駅停車)
大月 19:54 - 中央線某駅 (快速東京行き)
【地形図】 「霧ヶ峰」
(鷲ヶ峰から霧ヶ峰に向かう稜線は闊達)
霧ヶ峰、というか、八島湿原に行くたびに、気になっていた鷲ヶ峰。18切符の時期に訪れてみたいと思っていたものの、昔と違って今は和田峠へ行くバスは無い…。一人だとタクシーを奮発してまで、という気にはなかなかなれないでいたのですが、久々に買い換えた新しいエアリア「八ヶ岳」の裏図を見ると、和田峠方面の途中の樋橋(とよはし)という集落まではバスが通っているらしいとわかり、調べてみると、下諏訪町バスが運行していてくれて、これがなんと土日も走っていると確認。バス派の私のやる気がむくむくと湧いてくるというものです(笑)。
朝一番の高尾発の下り鈍行に乗り込み、大月、甲府で乗り換えて下諏訪へは8時前の到着。駅前にはタクシーが二台ドアを開けて、おいでおいでの待機をしていますが、じっと我慢(笑)して、35分発の萩倉・樋橋・星ヶ丘線を待ちます。
(いわゆるコミュニティバス…)
バスは地元民の方々のために走っているものですが、日曜の朝の駅前発ということもあって、当然のように私一人の貸し切り状態で、樋橋(「とよはし」と読みます)に到着。運賃はたったの150円。これは町民でなくても長野県人でなくても同じです。
ここから、車道を和田峠まで最悪歩くつもりだったのですが、私の持っている20年前の古いガイドブックには、そのだいぶ手前の西餅屋というところから、中山道をたどって旧和田峠(古峠)へ行くコースが紹介されており、今は廃道かも知れないけれど、見つけたらたどってみよう、と炎天下の中、車やトラックがビュンビュンの恐ろしい車道歩きを開始します。いちおう、樋橋の時点で標高は1000mを超えているのですが、やっぱり日が照りつけると暑いです(笑)。
わりとすぐに水戸浪士の墓というのがあって、なにやら和田峠?のような文字が見えたので降りてみたのですが、結局その先でまた車道に戻らされて、本当に恐ろしい車道歩き。。。もう還暦を過ぎたのだし、こんな阿呆なことはもうやめて、今後は観念してタクシーを使おうと思いながら、歩いて行くと最初のヘアピンカーブのところで「中山道→」の標識が現れ、道路を右手に横断してみると、そこからは土の山道が…。
(矢印の方向に車道を横断すると土の径が始まります)
ガイドブックの図によれば、もう少し先の左手から西餅屋の古道が始まるはずで、地形図や最近ついに使用を開始したスマホの地図ロイドなど見てみたのですが、どうもよくわからない。。。ただ、もうトラックに幅寄せされそうになる(苦笑)車道歩きは辟易していたので、この径をたどってみることに…。
すると再び車道と交差して左手に渡ってみると、そこが西餅屋でした。ふう…疲れた。でもまぁ、なんとか予定通り来られたので、ほっと一息。西餅屋の由来やこの先の中山道が、地元の方々の好意で整備されているらしいことが判り、一安心。水分を補給したら、中山道歩きを継続します。
ここから、旧和田峠(古峠)を経て、新和田峠とも言える鷲ヶ峰登山口までの行程は古いガイドブックそのままで異同はありませんが、そんな古いガイドブックなんて持っている人は少ないでしょうから、簡単に説明しますと、エアリアの黄色い線で示された142号線が新和田トンネル手前のM字型の車道を送電線に沿って二回横切る形で中山道和田峠(古峠)へと登っていく感じです(上の「地元」の文字のリンクのPDFファイルの図を参照してください)。
地元の方が、刈り払いもしてくれているおかげで、道型は明瞭でとても歩きやすいです。ただ、高度を上げていけば行くほど、陽を遮るものが減っていって、この時期は本当に暑くて大変です。石小屋跡の先には、とても冷たくておいしい水場がありますから、ここで喉を潤して、水を補給していくことをお奨めします。
(「水呑場」と書かれた表示がイイですね)
水場から10分ほどで明るく開けた旧和田峠(古峠:トップ写真)。こんなかんかん照りでなければ、そして、時間がたっぷりあれば、お昼寝でもしてみたい感じの場所です。
峠には三峰山へ行く分岐があり、こんなところで誰かに会うとも思っていなかったのですが、新和田峠から登ってくる登山者がいて、その方は三峰山の方(扉峠かも知れない)へと向かって行かれました。
新和田峠へはそのまま道なりに下っていくのですが、古いガイドブック記載のように右手にスキー場を見ながらと言われても、そんなものは見当たらず、車道に出て右手に進んでいったところで、、あれがもしかしたら元スキー場だったのかも知れないという感じの場所が見つかりました。
(和田古峠を後に車道の走る和田新峠へ向かう)
新和田峠のあたりは、車道が入り組んでいて、わかりにくいですが、車道に出て右に道なりに歩いて行くと、「しゅん工昭和四十四年八月」と書かれた陸橋(その名も「峠橋」)を渡って左手に鷲ヶ峰の登山口があります(何故か指導標は道路の右手にあります)。
登山口から少し進んだところで、疲れたし時間ももうお昼近く。。。山頂までは1時間以上かかるらしいので、座って、水分補給や、ラムネでブドウ糖補給。だいたい予定通りの行程なので、帰りのバスの時刻を再確認してから腰を上げて鷲ヶ峰へ向かいます。
ガイドブックには、マイクロウェーブの鉄塔から先は眺めの好い稜線歩きになるとあるのですが、それほどでもなく、樹林帯を登っていく感じです。しかもすぐ脇をビーナスラインが通っているので、車やバイクの走行音が気になり、山の静けさもなく、少々落胆。結構急な段差もあり、こちらを下りにとるのは余りお奨めしません。
金網のフェンスに囲まれた送電鉄塔では、送電線の整備作業が行われていて、この暑い中ご苦労様という感じです。お花はキンコウカが目立ちましたが、この金網に囲まれた内側にはニッコウキスゲなど、このあと下の八島湿原でも見られたお花が咲き乱れていたのは、何とも悲しい現実という印象が強く、苦笑いです。
この送電鉄塔を過ぎれば、眺めも好くなってきますが、陽差しも容赦なく照りつけて、痛し痒しというところ。雲が多く、遠くに「あれが北アルプスかな」という山塊が見えても、山座同定が可能な晴れ渡り方ではないので、ゆっくりと展望を楽しむというわけにもいきません。
それでも、タカネナデシコやハクサンフウロなど登山道脇で見つけることも出来て、息を弾ませながら登っていくと鷲ヶ峰の山頂にたどり着きました。時刻は13時前で、おなかもペコペコだったので、空いているベンチに座って、おにぎりタイムとしました。
八島湿原13時のバスは、ご飯を食べ終えた時点で行ってしまっていたので、次の15時半のバスまで、湿原のお花畑を散策して時間をつぶせばいいや、と思っていたのですが、上空遠くには黒い雲が広がっていて、それがちょっと気がかりです。
遠望はききませんが、鷲ヶ峰山頂から八島湿原への稜線は伸びやかな眺めの良い素敵な尾根道です。のんびり下っていくと八島湿原が眼下に見えてきて、ああ、今日も早起きして出かけてきた好かったと思います。
八島園地と湿原の分岐があったので、湿原へ直接下る方を選んでみましたが、少々藪っぽいとも言えるぐらいの草花の生い茂りようで、鹿柵を境にこんなに極端に植生が変わってしまうのが逆に不自然な感じがしてなりませんでした。
湿原に降りて、木道を進んでゆきます。キリンソウ、ノハナショウブ、キバナノヤマオダマキ、シモツケソウ、カラマツソウ、イブキトラノオ、キンバイソウ、そして、見たかったと思っていたヤナギラン。
とある山岳雑誌で、車山の肩付近のニッコウキスゲが回復に向かっているということを知っていたので、そこまで足を伸ばしたかったのですが、ひと月ぶりの歩きでだいぶ疲れてしまったのと、バスの時間も迫ってきていたので、ヒュッテみさやま前のベンチで悩んだあげく、余裕を持って沢渡で15時半のバスを待つことに決定。
ただ、ヒュッテから沢渡バス停までは、どうも指導標が車で来ている人向けに書かれている様子で、わかりにくくて仕方ありませんでした。
沢渡バス停近くも、非常に紛らわしい図示があったりして、ちょっとこれはないんじゃないかな…というのがバス派の感想。素直に林道を下って車道に出たら左に進むとバス停があるのですが、だったら、何故その林道方向には何の矢印もないのでしょう?ここはちょっと改善してほしいです。
やってきたバスは、大型で、これで座れないはずはないと思って乗り込んだら、席は全部埋まっていて(笑)、八島湿原ではぎゅうぎゅう詰めになって、上諏訪駅までの一時間久々にバスで立たされました(泣)。
上諏訪駅ではバスが遅れた上に座っていた人を先に降ろしたりしていたこともあって、当然16:39の鈍行には間に合わず、17:22まで30分余りという中途半端な待ち時間。温泉に寄るには時間不足だし…ということで、近くのコンビニでビールを仕入れて、駅の待合室で、ひとつ残しておいたおにぎりをぱくつきながら、ゆっくりと今日一日の山行を思い返しながら、大月行きの電車までのんびりと過ごしました。
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