2017.01.22

【イタドリ沢ノ頭から矢ノ音・孫山】

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(奈良本峠先の一般登山道にて)

【山行日】 2017年01月21日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅   - 08:33 藤野 (中央線各駅停車)

「歩行」
藤野駅  08:45 - 09:55 449ピーク点
449  10:10 - 11:15 矢ノ音
矢ノ音  11:30 - 12:05 孫山
孫山   12:25 - 13:10 相模湖駅

「鉄道」
相模湖  13:40 - 13:49 高尾  (中央線各駅停車)
高尾   13:54 - 中央線某駅   (中央特快)

【地形図】 「与瀬」

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(積雪は限りなくゼロに近かった)

 天気予想図を見る限りは、先週末のような どん曇りの空模様を予想していたのですが、土曜の朝、明るくなってきた外を見てみると、どうやら青空いっぱいの晴天の様子。慌てて準備をして家を出たのは会社に行くぐらいの時間帯でした。

 こんな日のために用意していたプランが、松浦本『静かなる尾根歩き』掲載の「イタドリ沢ノ頭から矢ノ音」(96頁)で、藤野駅から相模湖駅へ歩くバスを使わない山行き。バス待ちで寒さに震える心配もなく、交通費も安上がりで給料日前でもお財布の心配をせずにいけるので、まさにうってつけです。

 ちょうどうまいこと高尾乗換え無しの電車が捉まえられて、車内はゴルフに行く人たちも乗り合わせる時間帯で混雑したものの、短時間で藤野駅へ。駅から和田へ行くバスを利用しても好いのですが、わずか数分の乗車ですし、次のバスは9時ですから歩いた方が早い(それにバス代も助かる)ので、身体をほぐしたらさっそく高尾方面へ戻るように駅前の道を進み、すぐ左手の踏切を渡って、沢井隧道をくぐります。

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(沢井隧道)

 隧道は車も走行する中を歩くので、未だにあまり好きになれませんが、それほど長い距離でもないので、少しの辛抱です。トンネルを抜けた先の日野のバス停は、エアリアのように日野集落からの道との交差地点にあるのではなく、実際はもう少し手前にあります。歩いた感じでは、なるほどここまでならバスを利用するまでもないかな…という感想です。

 数分で姫谷の看板が見え、クリーム色の橋も見えてきます。取り付きは簡単にわかりましたが、どうも感じとしては、余り入ってきて欲しくない様子。しかし通行禁止の表示もないので、そっと山道を上がっていき、竹林のところで上着を脱いで支度します。
 
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 ただ、竹林の先は踏み跡も錯綜していて、直進は崩壊した感じ。右手の踏み跡が素直な感じがしたので、そこから取り付く形で上がっていきました。このあと、松浦本のように北東へ向けて高みを目指す作業道を忠実にたどっていったつもりなのですが、組木も黄ポールも石祠も目にすることが出来なかったので、松浦さんの歩かれた経路とはもしかすると異なっていたのかも知れません。

 コンパスで何度か確認した際、方角としては間違っていませんでしたし、何より作業道自体は基本的には一本道で、神奈川県造林公社の白ポールにごく自然に到達できたので、449ピークに着いたときもここで間違いないと確信できました。

 藤野の駅を歩き出してからちょうど一時間強経過していたので、行く手にイタドリ沢の頭が見えるところが陽当たりも好く、449のピークでテルモスのティータイムにしました。

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(449からイタドリ沢ノ頭へ向かう)

 コンパスで念のため方角を確認してからイタドリ沢ノ頭へ向けて一旦下ります。鞍部からの登り返しはバリハイらしい直登となり、息を弾ませ、ときどき左手に見える山塊を眺めながら、全く特定できないけれど、あの奥に見える白く雪を頂いた山はどこかな、と気になりながら、上がっていきます。

 登り切ると赤いテープを巻いた木はありましたが、さすがにハンカチは見当たりませんでした(笑)。 ここからは一般登山道です。イタドリ沢ノ頭への登りは先ほどの直登に比べたら楽なものです。

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(イタドリ沢ノ頭)

 イタドリ沢ノ頭にはベンチもあり、樹林越しではありますが、遠くに富士山も見えていました。休憩地点(449)から30分も経過していなかったので、三角点にタッチしただけで、矢ノ音へ向かうことにします。それこそ幅2mのしっかりした平坦な道がずっと続き、楽ではありますがやや単調です。ただ、植林も多いですが、雑木の清々しい径もあって、このエリアに多いトレランの人も見かけませんし、たまに行きかう人も単独の物静かなハイカーばかりで、その点では静かなる尾根歩きそのものです。

 矢ノ音へ登る径はエアリアには記載されていませんが、巻き道との分岐点には指導標があって「矢ノ音分岐」と書かれています。径は本当に登山道そのもので、迷いようがありません。登るにつれ林相も好くなっていきますから、時間があればぜひとも立ち寄りたい場所です。

 矢ノ音山頂は丸太を切ってこしらえたベンチもありますが、そこよりも、明王峠へと伸びる笹道にある倒木の方が陽当たりも好く雰囲気も好かったので、こちらに座ってのんびり休憩することにしました。時刻は11:15。ここから予定通り与瀬神社だと、ちょっと早すぎる帰宅になってしまうとわかったので、陣馬山まで積雪の様子見がてら往復してみたら…とも考えたのですが、やはりあちらは人も多く賑やかすぎるだろう…せっかくの静かなる尾根歩きなのだから、このまま予定通りにしよう…と。

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(こちらで休憩を取りました)

 この日は時折吹く北風が相当強くて、やんでいた風が再び吹き始めたところで腰を上げ、戻って大平小屋と書かれた方向へ下っていきます。植林の中かなりの急降下で、尾根歩きの続きの心づもりだったので、道を間違えたかな、とふと思ったのですが、降り立ったところは明王峠からの巻き道が合流して、右手に緩やかに下れば大平小屋。その後は尾根歩きらしい平坦な径となりました。

 平坦な尾根径は植林ばかりなのですが、手入れが良く行き届いているためか、あまり暗い感じではありません。道なりにずっと歩いて行けば、来た方向を明王峠、左:孫山・小原宿、道なり:与瀬としたわりと新しい相模原市の指導標があり、左手の坂を上がっていけば、孫山ノ頭です。

 孫山の頭には意外にも先客が一人。普段なら遠慮してしまうところだったのですが、ベンチはもうひとつありましたし、この先にお昼を食べる適地があるかどうか…というのもあったので、孫山でおにぎりタイムにしました。孫山は植林に囲まれた山頂なのですが、ちょうど北風もやんできてくれて、陽当たりもそこそこあったため、お湯を沸かしてのランチタイムが可能でした。

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 昼食後は、三角点にタッチしてから、与瀬の方角につけられた笹道↑を下っていきます。下ったところには先ほど同様、相模原市の指導標があります。ここから相模湖の駅までは18年ほど前に一度下ったことがあるはずなのですが、ほとんど記憶に残っていません。確か雪の高尾山からの帰りに下ったはずで、そのときはどろんこ道で歩きにくかったと記憶していたのですが、この日は全行程に渡って冬枯れの乾いた径で、歩きにくいところは全くありませんでした。

 与瀬神社も、そういえば、こんなところだったかな、という感じで、高速道路を渡るところも、もっと幅が狭かったように感じたのですが、20年近く前のこととなるとやはり記憶はアテになりません。20号線を歩き相模湖駅に着いたのは、上り電車が出た数分後。次の高尾行きまで30分近くあったので、相模湖駅の周囲を散策。すると、以前にもお酒を買ったことのある駅前の酒屋さんで、なんと笹一の本醸造生原酒というワンカップ缶を発見♪

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 ついつい我慢できずに、昼の日中からワンカップ缶を口にしてしまいましたが、これが、かなりの美味でございました。笹一のワンカップは普通の清酒もあって、そちらは正直言ってあまり好きではないのですが、こちらはさすがに生原酒だけあって、笹一の新酒祭りで売っている「しぼりたて」にはかなわないものの、生原酒のうまみだけは健在で、相模湖駅着の山行ではまた買い求めてしまいそうです(笑)。 

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2017.01.09

【ハプニングあって…内船駅から御殿山ピストン】 山バス情報154

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(御殿山山頂 植林一色で、実際は写真よりずっと暗い雰囲気)

【山行日】 2017年01月07日(土)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅    - 05:13 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾    05:14 - 05:50 大月 (JR中央線各駅停車)
大月    05:53 - 06:41 甲府 (JR中央線各駅停車)
甲府    06:44 - 08:19 内船 (JR身延線各駅停車)

「歩行」
内船駅   08:45 - 10:20 林道分岐点
林道分岐点 10:25 - 11:50 御殿山(783.0三角点)山頂
御殿山   12:15 - 12:25 御殿山(西尾根から引き返す)
御殿山   12:30 - 13:35 林道に降り立つ
林道    13:45 - 15:18 内船駅

「鉄道」
内船  15:22 - 17:15 甲府  (JR身延線各駅停車)
甲府  17:30 - 19:07 高尾  (JR中央線各駅停車)
高尾  19:11 - 中央線某駅   (JR中央線快速)

【地形図】 「南部」

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(なんとか使い切った…今回は22100円分乗ったので、1万円ほどお得だった♪)


 18きっぷも残すところ一回。以前は確か20日までの有効期限だったように記憶していますけれど、今は10日までなのですね。7日からの三連休で天気が好いのは7日の土曜日だけ。はたして早起きできるだろうか…、と少々不安でしたが、あっけなく4時前にすっきり目が覚めて、それじゃぁ、ずっと暖めてきたあの安倍奥の山へ、最終回のスペシャルと言うことで、タクシーを奮発して行ってみよう!と出掛けたのですが…。

 朝一番の高尾発下り中央線に乗り継いで、大月から三両編成の甲府行きに乗り換え。甲府行きの車両は結構席が埋まってはいたけれど、すきま風が結構寒くて眠りたかったけれど眠れませんでした。

 甲府で慌ただしく身延線に乗り換えて、富士山や南ア連峰、八ヶ岳や富士見山などゆったり眺めながら、ゆらり揺られて内船駅にはナント八時半前に到着です。何度か利用した経験のある内船駅からのタクシー。アレ常駐してないな…、もしかしてまだ朝早いからか…、などと考えつつも、目の前のタクシー乗り場にある電話番号へかけてみると…。

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(土曜なので町営バスが駅前で待機 まさかこのバスが…とあとで後悔)

 電話に出た女性は、「申し訳ありません。会社の親族に不幸がありまして、本日ある車二台は○○の方へ出てしまったばかり。そのあとも予約が入っていて2時間は待って頂くしかない」とのお返事。もちろん、私はタクシーの予約もしていませんでしたし、時刻表を見ると間もなく甲府行きの普通電車もやってくるとわかったので、それじゃぁ仕方ない、この甲府行きで戻って身延山へでも行くか…と。

 しかしザックの中から「身延」の地形図を取り出そうとするも、あれれ?ないな~。かろうじて『アタック山梨百名山』のコピーが見つかりましたが、それによると登山口の角瀬へ行くバスは一日四本しかないとの記述。 確か駅から登って降りてくるルートがあったと思うのだけれど…。また舗装道で迷うのはやだな(笑)と。

 電車が来るまで時間があったので、駅のベンチで地形図「篠井山」や「南部」を見ながら「あれがあの山で、こっちがあれか…」などとやっていると、目に飛び込んできたのが、「南部」の地図にある783.0三角点、御殿山の文字。。。ここなら、今から歩いて行っても登れそうだなと踏んで、電車が来たのも振り返らずに、南部橋へと歩き始めてしまいました。

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(内船の駅のホームで、あれがあの山で、これがあの山か…などとやり始めたら…)


 地形図には稜線へ上がる登山道が何本か破線で記されていますが、私が選んだのは車道を延々と歩いて行って、峰の窪の集落から林道を辿って行き、その先の破線路を486ピークのある尾根伝いに稜線へ上がって、御殿山から南西へ尾根伝いに辿って船山温泉へ降りて、できたらその温泉で日帰り入浴も受け付けてもらおうかな、なんてこのときはホント脳天気なことを考えていたのでした。。。地図に山名表記もある三角点峰だし、地元の小学生が登っていたりするのでは…などとちょっと甘い考えを抱いてしまっていたのです。

 もちろん、この無謀な計画を立てた時点でも、地形図の破線路はアテにならないことが多いですから、無理だったらすぐに引き返して、なんぶの湯にでも浸かって帰ろうと考えていました。

 富士川に架かる南部橋はけっこうな規模のけっこうな長さの立派な橋です。地形図で見た印象よりなかなか向こう岸に着かない感じなのは、すぐそばを車がビュンビュン走っているせいでしょうか。あるいは橋の幅自体が広いので、そう感じてしまうのかも知れません。

 橋を渡って右折して引き続き車道を歩きます。見るとバス停があったので、見てみると、さきほど、内船の駅で見かけた診療所行きバスは地形図の破線のひとつ=峰の集落に行くものだったのです。ああ、あの町営バスに乗って峰から上がるべきだった…と後悔するも、バスはたった今行ってしまったばかり(笑)。
 (ただ、峰の集落からの破線は尾根を何度もトラバースするものですし、実際帰ってから調べたところ、どうも、尾根上に山頂まで一直線につけられた径が残っている程度で、破線のように鞍部へは到達しないようです。)

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(なんと、バスも通る大きな通りに、こんな標識があった!)

 車道を延々と歩くときも、歩行者レーンは道路の片側しかありません。ときどきレーンが右から左へ左から右へと変わるので、その際は車に注意しながら、向こう側へ車道を横断する必要があります。診療所というのはたぶん地形図の医療センターのことだと思いますが、その先の「南部の木」という木工場を過ぎ、船山川の道を左手に分け(あとで考えるとこの道を見送ってホント正解でした)、更に車道を歩いて、中野下のバス停のあたりから、地形図を見ながら細道に入り、52号線(身延道)を横断した先に中野神社という赤い鳥居の立派な神社があったので、ここで道中の無事を祈ってから出発することに。。。

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(中野神社 ここで地元の方に御殿山のことを聞いてみるも…)

 神社のすぐそばは、現在、三石山の帰りにも見た「中部自動車横断道」なる高速道路の建設中で、そこにあった看板によると、近くに南部インターチェンジも出来る予定だそうです。すぐ隣を52号線が走っているのだし、こんなところに高速道路を通して、どれだけ便利になるのかわかりませんが、せっかく静かなこの辺りも、もう何年かすると空気の悪い騒音のひどい場所になってしまうと思うと、とても悲しい気持ちになってしまいました。

 神社で参拝していると地元の方がいたので、御殿山のことを聞いてみたのですが、よく知らない様子。どうも近所の方でさえも登る山ではないようでした。神社の奥に続く道があったので、たどってみましたが、上の林道とは交差せずに道が崩落している様子でしたので、神社から戻って、予定通り峰の窪の集落の林道を辿っていくことに。。。

 地形図では送電線が横切るあたりにお寺さんのマークがありますが、お寺は解体されてしまった様子で、建物の残骸とお寺のものと思われるお墓だけが残っていました。高速道が完成された暁にはどうなっているかわかりませんが、今のところは林道は地形図通り通っていて、そこをたんたんと上がっていきます。

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 配水池を過ぎログクラフト(ログハウス体験棟)を過ぎると途端に淋しい雰囲気の林道になって、未舗装の林道になってしばらくで獣除けの鉄柵(高電圧注意)があり、鉄柵のすぐ先に地形図にあるような林道の分岐(310m付近)があります。 林道の分岐で、暑くなってきたので上着を脱ぎ、水分補給をしてひと息入れました(この時点で10時半近くでした)。

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(林道分岐点)

 林道分岐を右に入ってずっとたどった先に大きく左に切り返す屈曲地点があり(360m付近)、屈曲したあと、もう一度左に急カーブした先に、地形図通り、尾根に上がる径があって、奥の方の径は深く剔れたはっきりした径(獣の仕掛け罠がある)だったため、これなら行けそうだな、と上がって行くことにしました。

 径は本当に深く剔れていて、一見迷うようなことも無さそうですが、剔れた底を歩くのは落ち葉や枝打ちした枝が積み重なってひどく歩きにくいです。結局剔れた径の真ん中ではなく、その両サイドにある淵を歩く方が遥かに楽なので、両サイドの歩き易い方を拾いながら、登っていきます。

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(エグレの中を歩くのはあまりにしんどいので…)

 径は延々と続くヒノキの植林帯で暗く、ただでさえ淋しい径が余計陰鬱な雰囲気の径となっています。これは山頂に着くまでずっと続き、帰りも同じ径を戻ったので、この日、雑木の森を歩くことはただの数秒もありませんでした。

 486の小平地で、左手にひと区画だけ安倍奥の山々が眺められる明るい地点があるのみ。今まで山に出掛けては、相当暗い植林帯を随分歩いてきたつもりでしたが、今回の徹頭徹尾植林のこの径よりひどい径を私は知りません。径、と言うより剔れですが、その剔れに沿って歩いて行くも、ところどころで、そのえぐれが分岐していたりして、帰り道、この径をピストンすることになったら、はたして間違えずに下れるか、ちょっと自信がなかったので、要所には自分の足跡を土をほじくり返して残したり、カメラに目印となりそうな倒木を収めたりしました。

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(486付近の小平地で一瞬だけ明るくなる)

 マーキングはありません。ときどき、ピンクのテープが散見されますけど、これは山仕事の目印であって、ルートを示すものではありませんでした。実際下りでピンクテープに従って下っていくと、コースを明らかに外れる地点が数カ所ありました。

 地形図とコンパス、それにプロトレックの高度表示も動員して、やっと稜線に出たことがわかると少しホッとしました。三角点のひとつ手前のピークに、こんな↓石碑があって、え?もうここが山頂?と辺りを見回してみましたが、やはり三角点はありません。ここから三角点のあるピークは植林に邪魔されて全くその姿が見えませんが、自分のRFを信じて、西へ延びる稜線をたどっていきます。

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(個人名と思われる文字が彫られているため、画像を一部加工してあります)

 尾根通しに進んでいくと、薄い踏み跡(何故かここには黄色のマーキングがある)は山頂を北に巻くように付けられていて、山頂へは行けそうもないため、尾根に戻って高みへ直登していくと…植林の中の一角に、ありました、お手製の山名標。そして苔むした三角点がそのすぐ前にあります。山名標がなければ、三角点を見過ごしてしまいそうなほど、苔がびっしりついています。

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(これほど苔むした三角点は初めて見た気がする)

 なんとかかんとか、12時前に山頂に着いたので、とりあえず、お昼ご飯にします。眺めもなく、自然林も一本もなく、枝打ちされた植林の枝葉が散り敷かれた何とも趣のない山頂でとる昼食は、やはり残念ながら味気ないものになってしまいました。仮にもエアリア「塩見・赤石・聖岳」では安倍奥の片隅とはいえ、その三角点と山名が載っていて、仮にも安倍奥の主稜線の一角(大笹ノ頭)から派生する尾根でもあるのに、そして御殿山というなかなかロマンチックな名前なのに…、こんな山頂とは…。

 食事のあとは、予定通り(?)そのまま尾根を西にたどってみることにします。相変わらず、一分の隙もなく植林された尾根です。最初は踏み跡もあって、これはひょっとして行けるのかな…とも思ったのですが、それまで曲がりなりにもあった踏み跡らしきものが、突然ふっつりと消えてしまった(ように私は感じました)のです。

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(尾根が平坦なうちは行けそうな気がしたのだけれど…)


 あとで、地形図を見直してみると、右手に尾根筋が屈曲する地点で、その屈曲点を見逃して直進してしまったせいかもしれませんが、とにかく、ここは無理をしないで来た道を戻った方が好い、という判断になりました。

 もし巧く稜線をたどれたにしても、その先の降り口がはたして地形図通りまだあるのか、かなり疑問でしたし、なかった場合、戻ってくるのはとても億劫な気がしたのです。とくに船山温泉への下降路が見つからなかった場合は、この日の短い季節、戻ってきても日が暮れてしまうし、降りるルートをRFで割り出すほどの能力は自分にはありません。
 家に残してきた行き先のメモには御殿山とは全然別の安倍奥主稜の山の名前とコースが書かれていて、万一ここで事故ってしまった場合、捜索しても絶対に見つかりっこありません。明日からは雨予報だし…無理はよそうと。。。

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(この先あたりでフッツリと踏み跡が途絶えて…やっぱ戻ろう…と)

 山頂に戻って、大きくひとつ深呼吸。気持ちを落ち着けて、コンパスで戻るべき方角をしっかり再確認してから、来た道をゆっくり戻ります。先ほど上がってきたばかりの径なのに、いざエグレの分岐に当たると本当にここで好いのかな、と少し不安になります。しかし、実際その後、二度ほど径を外してしまったのは、「ああ、ここまで来ればもう安心」と思ったすぐその直後でした(笑)。

 しかし、すぐに間違いに気づいて修正できて、山頂から一時間ほどで元来た林道に無事降り立つことが出来、林道に降りたところで水分補給の小休止。あとはさすがに間違えずに(笑)、元来た林道と車道をたどって、一路内船駅へ。

 しかし、また帰りの南部橋がなかなか向こう岸に着かない感じ。確か甲府行き普通列車は奇数時の20分頃だったなぁ…、間に合わないかな…まぁ、間に合わなければ、なんぶの湯で時間を潰せばいいのだけれど、二時間遅いとかなり遅くなってしまうし…。南部橋を歩いて渡ったりするのは、自分だけで、みんな自動車で脇をビュンビュン走り抜けて、ああ、せめて自転車だったら…などと考えても仕方がないことを思ってしまったり、最後は朝断られたタクシーに追い抜かれるというオマケ付き(笑)。

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(向こう岸がヤケに遠い…)

 最後は少し小走りになって、何とか発車4分前に内船駅に到着。トイレに寄っていると踏切の音が聞こえてきて、甲府行きが来たことがわかり、あわてて乗り込んでみれば、富士行きとの連絡待ちで数分の停車(笑)。ま、それでもとにかくドンピシャで間に合ってよかったと、ビールも何もないので、水筒の水をラッパ飲み(笑)。

 帰りの甲府発の中央線に揺られ、ワインを傾けつつ思いました。山歩きの最終目的地はやはり何と言っても我が家に無事に帰ってくること。。。ピークを踏む為とかルートを探す為に自分が持っているスキル以上の危険を冒すのは愚かなことで、山は楽しんでなんぼのもの。。。何の見栄も虚勢も張る必要のない単なる趣味だと言うことを忘れてはならない、としみじみ思いました。


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(やっぱ無事に帰宅せなあきまへんわ…)



 最後に…、こんな無鉄砲な山歩きをしたばかりの私が言うのもナンですが、今年も皆さんが(そして私も)楽しく安全に山を歩けることを祈願いたします。


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2017.01.08

【醍醐山で山遊び…】 山バス情報153

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(下部温泉駅へ向かうと五老峯が実に魅惑的だった)

【山行日】2017年01月04日(水)

【使用公共交通機関の詳細】

「鉄道」
中央線某駅     - 06:19 大月  (JR中央線各駅停車)
大月     06:23 - 07:12 甲府  (JR中央線各駅停車)
甲府     07:16 - 08:25 甲斐常葉(JR身延線各駅停車)

「歩行」
甲斐常葉駅  08:35 - 09:05 鳩打峠
鳩打峠    09:10 - 10:15 醍醐山 (展望台に寄って戻る)
醍醐山    10:30 - 11:10 西山(487.1三角点)
西山     11:20 - 11:50 下部温泉駅

「鉄道」
下部温泉   12:03 - 13:17 甲府 (JR身延線各駅停車)
甲府     13:52 - 15:24 高尾 (JR中央線各駅停車)
高尾     15:31 - 中央線某駅  (JR中央線 中央特快)

【地形図】 「切石」

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(醍醐山から展望台へ向かう…美しい自然林の頂上だった)

 三が日は、のんべんだらりと過ごしてしまって、5日が仕事始めということもあり、4日は18きっぷを使って軽い山行。身延山にでも行って山梨百名山をひとつハントするというのも考えたのですが、仏教徒でもないのに混雑した身延山で初詣もないか…と。

 そこで、またまた、AKIOさんからいただいたコメントをそっくり拝借して、下部温泉近くの醍醐山を訪れてみることにしました。

 さすがに一番電車でなくてもいいだろうと思いましたが、二番電車:甲斐常葉8:25の次(三番電車)は二時間後の10:25。今日から仕事始めの人も多いので、甲府近くで通勤ラッシュと重なりそう…と、06:19大月着の直通中央線に乗り込みました。この日はわりと暖かでしたが、この季節って大月でもまだ夜が明けないのですね。明るくなり始めたのは甲斐大和あたり。朝靄に煙る勝沼ぶどう郷から南アを眺めることができました。

 甲府で乗り換えて、身延線へ。席が埋まって立っている人もいましたが、南甲府を過ぎると車内は閑散。車窓から富士見山など眺めつつ、甲斐常葉(かいときわ)駅で下車。駅を出て右手にトイレもあります。駅前で身体をほぐし、駅前を通過するバス停の写真を撮ったりしてから、ネットで仕入れたガイドマップを片手に歩き始めます。

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 良く注意してみれば、甲斐常葉の駅にも、ネットで見たものと同じガイドマップ↑が見つかります。甲府方面に戻るように歩いてから、踏切を渡って、舗装道を道しるべに従って上がって行きます。廃屋の先の常光院霊園管理事務所の札がある建物の脇から山道になって、かなり深く剔れた径をのんびりと上がって行きました。

 木々に樹の名前のプレートがずっと付けられていて、樹の名前を覚えるのにも好い道かも知れません。樹名の標識や山頂までのkm表示がこのあとも間断なく続きますし、要所には道しるべが設置されているので迷うこともありません。

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(深く剔れた径に落ち葉が積もっている)

 植林帯もありますが、自然林の多い径も多く、樹名標もあって飽きることがありません。駅から30分ほどで鳩打峠という場所に着きました。およそ峠といった感じの場所ではなく、おそらくですがマイカーで来る人たちのために新たに付けたと思われる径(隧道入口と繋がる)が分岐しています。しかし、あまり歩きやすそうには見えませんでした。
 ガイドマップによれば、この峠から山頂まで一時間強ということですので、テルモスのお茶でひと息入れることにしました。

 休憩後、道しるべに留意しつつ、深く剔れた径をゆるゆると進んで行くと、20分ほどで陽当たり好く眺めのよい場所に出ます。丸太でこしらえたベンチもあり、駅から1時間ほどのところなので、甲斐常葉駅から歩く方は、ここでひと休みすると佳いかもしれません。富士も南アも見えないのですが、おそらく毛無山方面(というか、実際に見えているピークは手前の五老峰=1618.8三角点)から伸びてくる尾根が実に魅惑的です。これは時間のあるときにぜひたどってみたいと思わせるものがありました。

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(五老峯、それに左手に見える1469.8三角点への尾根もとても魅力的です)

 この展望地点からさらに10分ほどのところにまたお手製の丸太ベンチがある場所があり、その先、獣除けのネットをくぐるとアンテナのある開けた場所に出ます。南アが少し顔を覗かせてはいますが、展望を楽しむという雰囲気ではありません。

 そのまま進んでいくと、自然林が多くなり、土留めの階段が現れて、少しの急登をこなせば、NHKの下部テレビ中継所の建物が見えてきて、右手に行けば、休憩舎もある山頂です。

 休憩舎には記念スタンプセットがありましたが、残念ながらスタンプインクがインク切れの状態で、楽しそうな記念品が作成できなかったのが、少々残念でした。

 山頂から、展望台へ向かいます。ガイドマップには15分と書かれていますが、おそらく往復のタイムでしょう。5分ほどで展望台に着きました。展望台からは富士山は見えず、安倍奥の山々やこのあいだ登ったばかりの三石山、それに先ほど目にした五老峯、ギリギリ南ア(?)の笊が岳が見えるのですが、この日は、空気の鮮明度が今ひとつで、とりわけ安倍奥の奥の方の山々が霞んでいたのが残念でした。

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(展望台から安倍奥方面の山々を望む…下を流れるのは富士川)

 展望台の先は尾根なのですが、「この先危険立入り禁止」の標識があり、丸太で何重にも通せんぼしていて、座って食事をするベンチもないため、戻って山頂でひと息入れることにしました。

 山頂は展望は無いものの、自然林百パーセントの明るい木立に囲まれた場所で、時間はまだ10時なのですが、少し小腹を満たそうと、醍醐山の山頂で大休止としました。

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(醍醐山山頂三角点…自然林百パーセントの静かな山頂)

 これだと、午前中に終わっちゃうなぁ…と贅沢な悩みを抱えながらも、じっとしているとさすがに身体も冷えきってしまうので、十時半過ぎにはもう下山開始。ガイドマップで西山と書かれた487.1三角点に寄るときに、登山者とすれ違いましたが、結局この日山中で会ったのはこの男性のみ。西山の先には尾根通しに踏み跡もありましたが、ここをたどって富士川に出る意味はほとんど無いですから、戻って大子集落の神社へ。

 地形図「切石」で見たとき、鳥居のマークが大子集落の一番上にあったので、ここで遅まきながら初詣にすればいいかな、などと考えていたのですが、神社といっても鳥居もなくそれらしき建物があるのみ。お賽銭箱はアルミサッシの向こうにあって、サッシの戸が開かないため、手前に置いて今年一年の無事幸運を祈りました。

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(大子集落 左の建物が登山者用トイレ)

 すぐ下の大子集落は、一軒は廃屋、もう一軒も人が住んでいるのかどうか…という感じでしたが、登山者用トイレを外の建物で提供して下さっています。深く剔れた径を下っていくとハート型のかわいらしい祠が見つかったので、ここでもお参りして、沢沿いに降りる明瞭な登山道を下っていきます。

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(ハート型のかわいらしい祠 クリック拡大可)


 大子集落と下の上之平の集落との標高差は約150m。これだけの高度差があり、車では上がれないとなると、こうした集落が廃村となってしまうのは時間の問題かも知れません。現存する山上集落のほとんどは車で上がれるところばかりというのが私の個人的な印象で、廃村にしないことがいいのか、廃村にしないために林道を無理にでも通す方がいいのか、判断も難しいところです。

 上之平の集落に降りれば、国道は目の前。この集落からも、下の国道からも、五老峯の姿が実に見事で、あのピークに立ちたいというより、あの尾根をたどってみたい…との思いに強くかられてしまいました。

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(上之平集落から五老峯を望む)

 下部温泉の駅に着いたのは、お昼前。ちょうど奈良田の温泉に行くバス(ヤマセミ号)が発車するところでした。12時3分の列車にちょうど良く、下部ホテルでの入浴は次回に譲ることにして、駅前のお土産屋さんでビールを仕入れ、駅で電車を待ちました。

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(奈良田温泉へ向かうバスは冬でも走っている)

 下部温泉の駅はさすがに有人改札だろうと思っていたのですが、駅員の姿は見当たらず、乗車も一カ所のみと、他の身延線のローカル駅と変わらない状況。昔、毛無山からこちらに下山したときもそんなだったっけ…?と思いながら、ポカポカの身延線に揺られて、車内で残りのおにぎりを平らげながら帰途につきました。

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